2008年08月12日
その瞬間、会場内は「にわかには信じられない」というどよめきと歓声、そしてため息に包まれた。
11日、中国が最も自信を持っている種目の一つ、女子バドミントンのダブルスの準々決勝が行われた。第1シードで、アテネ五輪の覇者、楊維・張潔ウェン組(中国)と対戦した前田・末綱組(日本)は、第1セットを8-21で失ったあと、第2セット(23-21)、第2セット(21-14)と連取して、逆転勝ち。“大番狂わせ”を演じた。
試合後、中国メディアに対し、前田美順は「この試合は、私のバドミントン人生で最も大切なものになる」と笑顔で語り、末綱聡子は「まさか中国に勝てるとは思えなかった。マッチポイントになっても、まだ自信がなかった」と述べた。
一方の楊維・張潔ウェン組は目に涙を浮かべながら会場を去った。ある記者が「2連覇を目指したオリンピックでまさかここで負けるとは思わなかったのでは?」と問いかけるという質問には無言だった。
この「大番狂わせ」は衝撃を持って受け止められている。一夜明けた12日の新聞各紙は、いずれも、喜びのあまりコートに倒れこむ前田・末綱組と、その前で呆然と立ち尽くす中国ペアの写真を大きく掲載した。そして「第1シード、連覇ならず」「今大会最大の大番狂わせ」と見出し入りで報じた。
CCTV五輪チャンネルの早朝のスポーツ番組「早安(おはよう)オリンピック」でも、アナウンサーが沈痛な表情で、この敗戦を伝え、「中国ペアの状態はまずまずだった。だが、日本ペアの粘り強さは素晴らしかった。一筋縄ではいかない相手だった」と日本ペアを称えた。
posted by asa8043 |10:46 |
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2007年10月14日
そして、いよいよ「スーパー丹」こと林丹の登場である。
2004年のアテネ五輪では、まさかの一回戦敗退。来年の五輪での優勝を「選手としての責任」とする林丹が、来年と同じ舞台で、一足早く、栄冠を手にすることができるか。そして、相手は長年、ライバルとして戦ってきた鮑来春である。中国のトップを争ってきた二人の決勝は、国際大会で何度も見られたものだが、来年の北京五輪会場で、一年早く、この対決を見るというのも面白い。
恐らく、今大会最大の見所だけあって、お客さんも続々と集まってきた。7千人収容の体育館がほぼ8割埋まった。売り場の人の話によると、チケットは全て売り切れ。「名物」?のダフ屋も登場して、この時間帯に入り、会場内の熱気はぐんぐん高まっていく。
コート向こう側が林丹、手前が鮑春来
さて、第1セットはこの試合もまた、実力派同士の対戦とあって、接戦となる。林丹得意のジャンピングスマッシュが出ると、会場はどっと沸く。これに対して、鮑来春は持ち前の、決して派手ではないが、的確なラケットコントロールで林丹についていく。だが、林丹のほうが一枚上のようだ。林丹は俊敏さ、豪快さ、そして繊細さを持ち合わせたプレーはーだと思う。虎のような獰猛な動きでボールを追うこともあれば、きめ細かいテクニックを繰り出して、相手を煙に巻くこともできる。中盤は林丹が少しずつリードを広げ、最後は点差がつまったものの、まずは第1セットを21-19で林丹が取った。
第2セットに入っても、林丹の勢いは止まらない。得意の左利きスマッシュの決定率が上がってくる。それに、フェイントを絡めて、硬軟取り混ぜた多彩な攻撃で点差を広げていく。そして、相手のボールに倒れこみながら、食らいついていくプレーは本当に圧巻だ。一方の鮑春来はとにかく粘り強い。また会場の応援も、華がある林丹よりも、むしろ鮑春来に対する声援のほうが大きいような気がする。その辺りは、中国人の好みが現れているのだろうか。
第2セット中盤から、両選手の気合がこちらにまで伝わってくるようになった。一球一球ガッツボーズが出て、相手をじろっと睨む。同い年の24歳、ジュニアの頃から、中国トップ、そして世界トップを争ってきた二人だけあって、相手を知り尽くした上で、テクニックを出し尽くす激烈な試合だ。世界ランキングのポイントの付かない・・・あくまでも「親善試合」なのだが、この二人が対戦するときは、そんな意識はどこにもないのだろう。この二人のラリーは、下世話な言い方をすれば、華麗なショーを、きれいな言い方をすれば完成された芸術を見ているかのようだ。結局、林丹がこのセットも21-14で競り勝ち、セットカウント2-0でライバルを下し、男子シングルス優勝を果たした。
試合後は、24回目の誕生日を迎えた林丹を会場中が祝って、バースデーソングを合唱する演出も行われた。
林丹の試合後コメント
「今回は来年の五輪に向けて、会場になれることが目的。当然、北京五輪での金メダルが最大の目標だ。今日はオリンピックの雰囲気を少し感じた。」
(誕生日について)
「誕生日に試合をするのは、やっぱりプレッシャーがかかった。当然、勝ちたかったし。以前、日本オープンを戦ったときも、誕生日の日に優勝できた。そのときは、日本の協会の人が大きなケーキを贈ってくれたのがうれしかった。今年の目標は少しでも多くポイントを獲得して、2008に向けて準備をしたい。」
試合後は、会場中で林丹の誕生日を祝った
posted by asa8043 |19:59 |
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2007年10月14日
まずは女子シングルス、第2シードの謝杏芳と第2シードの朱琳の決勝がセンターコートで始まった。謝杏芳といえば、男子第1人者の林丹のフィアンセでもある。「未来の夫」にまずは一足先に勝利の誕生日プレゼントを贈れるか・・・。
第1セットは朱琳が先攻したものの、謝杏芳が追い上げ、前半は11-8。朱琳がややリードして折り返した。休憩タイムのあとは、また謝が連続ポイントし、接戦に持ち込む。
バドミントンは実力の差、テクニックの差が試合の結果にもろに現れ、なかなか大番狂わせがないスポーツだ。今回も、大会序盤から、試合を見てきたが、トップレベルの選手たちと中国の2軍、3軍の選手が対戦しても、まるでプロと高校生、というレベル差。だが、さすがに世界トップ5を担うこの2人は「モノ」が違う。
観客席も徐々に埋まってきて、2階席は8割がた満員。前方の席がまだ空いているという状態。サイドスタンドには、例のごとく、黄色のTシャツを着たサクラの応援団が整った応援を展開している。恐らく、この北京工業大学の学生さんだろう。
先にセットポイントを取ったのは、追い上げて逆転した謝杏芳。だが、負けじと朱琳が追いつき、20-20となる。一本、一本、会場はうなるような歓声が上がり、1セット目からまるでクライマックス・・・。さすがはバドミントンが国民的人気を誇る国だけある。
結局、最後は謝杏芳が23-21で第1セットを取った。
第2セットに入って、謝杏芳のリズムが良くなってきた。コートをかけるステップも第1セットより軽くなったような気がする。だが朱琳も粘りを見せ、謝のミスを誘って、このセットもまた接戦となる。前半は11-10の謝杏芳リードで休憩に入った。
それにしても互いの駆け引き、ラリーの応酬はさすが世界トップレベルの二人である。同じ中国人同士、数々の国際大会でも決勝、または準決勝で何度も顔をあわせたことがある二人で、互いに全てを知り尽くしている。その上で、この小さなコートで、打ち合うわけだから、その精神力のぶつかり合いというのは、想像力を絶するものがある。
その後は互いに点を取り合い、3点差以上に開くことなく、試合が進んでいく。最後は謝杏芳が20-19でマッチポイントを握り、勝利。セットカウント2-0で世界ランク2位の謝が優勝を果たした。
謝杏芳(中国)の試合後コメント
「彼女(朱琳)とはそれほど力の差がないから、簡単にミスをしないように気をつけた。オリンピックの会場という気負いはあまりなく、リラックスしてプレーできたのがよかった。今回の目的は、会場に慣れることだ。」
(恋人の林丹について)
「彼の誕生日が今日っていっても、それは関係ない。勝つことは私の仕事。でも、それが彼(林丹)に上げられたから、二重に良かったと思う。今から、彼の試合を見て、その後は友人と一緒に、誕生日を祝う」
コート手前が優勝した謝杏芳(大会第2シード、世界ランク2位)
posted by asa8043 |19:22 |
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2007年10月14日
夜は、北京の北西側にあるオリンピック公園テニス場から、真反対の南東側にある北京工業大学で行われるバドミントンの会場にやってきた。
10日から行われていたバドミントンの国際招待戦は今日が最終日。現地時間、夕方6時半から、男女シングルス、ダブルスの決勝が行われる。
注目は何と言っても、男子シングルス、バドミントン界のプリンス、「スーパー丹」こと林丹とそのライバル、万年2位ながら、打倒林丹に闘志を燃やす鮑春来の一戦。そして女子シングルスは第2シードの謝杏芳と第3シードの朱琳という対戦も面白い。
昨日、女子世界ランク1位の張寧がケガのため、棄権したことから第2シードと第3シードの対戦となった女子シングルスを除いて、他は全て、トップ2同士の試合となった。
林丹は今日14日が24回目の誕生日。来年の五輪会場で、自らバースデープレゼントの栄冠を獲得することができるか・・注目である。
posted by asa8043 |18:35 |
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2007年10月11日
北京工業大学体育館で行われているプレ五輪『バドミントン』の2日目、中国は有力選手が軒並み、順調に勝ち進み、明日の準々決勝に駒を進めた。
男子世界ランク1位の林丹、そしてそのライバルである鮑春来はトーナメントの両サイドから、いずれもセットカウント2-0で勝ち上がり、余裕のベスト8。女子世界ランク1位の張寧と同2位の謝杏芳もそれぞれセットカウント2-0で勝ち進んだ。
今日は、昼間の試合に加えて、夕方18:30から行われているダブルスにも足を運んだ。男子ダブルスはここ最近振るわないものの、この大会をステップに国際大会での挽回を果たしたいところ。第1シードの付海峰・蔡yun組が“夜の部”トップで登場し、同じ中国勢の3軍選手を相手に、全く寄せ付けず、セットカウント2-0で明日に駒を進めた。また女子では、第3シードの張潔wen・Yang Wei組が勝ち進んだ。
午前中はシングルスの有力選手登場とあって、大勢の人たちが会場を訪れるが、夕方以降は、それに会社帰りの人たちも入って、数が倍増する。私は『オリンピック専用線』と呼ばれるバスで会場にかけつけたのだが、昼間以上の込み具合で、さすがは『バドミントン王国』という感じだ。
選手たちに対するファンの歓声もすごい。まさに英雄並みの扱いである。日本では最近、人気選手が登場し、少しファンが多くなっているとはいえ、この中国の状況とは雲泥の差。実際に、ファンの熱狂振りを見ると、その凄まじさを感じる・・・。
明日はベスト8の試合が11:00から行われる。
posted by 朝倉浩之 |22:42 |
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2007年10月10日
ITFテニスツアーと並んで、北京では10日、バドミントンのプレ五輪「国際招待戦」が北京市南の北京工業大学体育館で開幕した。同体育館は来年の北京五輪のバドミントン会場でもある。
会場となった北京工業大学体育館
大会には119選手が出場。日本バドミントン協会が北京の大気汚染などの状況を考慮して出場回避するなど、出場選手中の3分の2以上が中国大陸の選手という、さながら「国内戦」となってしまったが、世界ランク一位の男子・林丹、女子・張寧など、中国の『一流どころ』は軒並み出場。他の国際大会でも、決勝は中国勢同士の顔合わせとなることが多く、実質的には世界ナンバーワンを決める、文字通りの『五輪予行大会』となりそうだ。
まさに『プレ五輪』に相応しい豪華な顔ぶれとなった・・
バドミントンは中国で、卓球と並んで、超人気競技の一つ。街のどこにでもバドミントン場があって、市民が気軽に楽しめるスポーツである。また、それだけにエース級の選手たちの人気は相当なものだ。
それもあって、10日午前は、平日昼間にも関わらず、数百人規模の観客が観戦に訪れた。また、午前には早くも世界ランク1位コンビの林丹、張寧が共に登場したこともあるだろう。大会には、その両名のほか、混合ダブルスの世界ランク1位の高崚・鄭波、ライバル林丹を追う鮑春来、また女子世界2位と3位の謝杏芳、朱琳も出場し、ハイレベルな大会となっている。
さて、初日の午前中、まず登場したのは女子世界ランク1位の張寧。開場直後はバックスタンドの上段に陣取っていた観客が、少しでもコートに近づこうと、下段に降りてくる。決して多くはないが、熱心なバドミントンファンの歓声を受けて、張寧が入場してくる。恵まれた背丈とすらりと長い手足から、的確なショットを放つ。相手は同じ中国代表の“3軍”の選手ということもあり、やや一方的な試合となって、セットカウント2-0(21-9、21-10)と順調に勝ち進んだ。
奥が中国女子のエース張寧
続いて、同じ第1コートに、中国の男子エース、林丹が上がった。相手は中国2軍の選手。林丹は、無理のない伸びやかなフォームで左利きのショットを繰り出し、相手の反撃を全く寄せ付けない。第2セットに入ると、ショットの精度も増し、巧みな戦術も相手を圧倒する。結局、セットカウント2-0(21-12、21-7)で林丹も順調に2回戦に進んだ。
世界ランク1位林丹(コート奥)も順調に勝ち進んだ
大会の見所は、何と言っても中国のトップ選手の対決が予想される終盤。男子は順調にいけば、世界ランク1位の林丹と同2位の鮑春来の決勝となる。また女子も同様に、1位と2位の対決、ベテラン張寧と謝杏芳が顔合わせすることになろう。いずれも、世界の大舞台で何度も決勝を戦った顔合わせ。最終日の決勝は、この体育館が大観衆に埋まることになりそうだ。それを予想してか、他試合の入場券が20元(350円)と格安にもかかわらず、決勝だけは80元(1200円)と異例の高さ。それでも、昼間のチケット売り場は決勝戦のチケットについて問い合わせる人たちが目立っていた。
大会は14日に決勝。この日はまた林丹の24回目の誕生日でもある。来年の本番と同じ舞台で、一足先にプレ五輪金メダルを自らのバースデープレゼントと出来るか。はたまたライバル達がそれを阻止するのか。注目したい。
posted by 朝倉浩之 |19:56 |
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