2007年08月20日
<プレ五輪>ビーチバレーに見た中国スポーツの未来
日本でもプレ五輪に注目が集まってきていると思う。といっても、おそらく星野JAPANの出場している野球にのみ・・・だろうが。 だが、ぜひこのブログでは、北京であらゆる競技についても行われるプレ五輪の話題をお伝えしたい。 そしてどうしても、この雰囲気を知ってもらいたい大会がある。北京市中心部の朝陽公園に特設された競技場で行われた「ビーチバレー」だ。日本でも浅尾美和ら人気選手の活躍でこのスポーツを知る人も多いだろう。 8月13日から1週間にわたって行われた「女子ビーチバレー大会」は、昨日日曜日、幕を閉じた。私はこの期間、予選、準決勝、決勝と足を運んだ。野球はともかくとして、これまで行われた他の競技は、一度足を運べばもう・・というものもあった。だが、このビーチバレーについては、何度も足を運びたくなる、そんな「楽しい」場所だった。 お椀型に作られた巨大なスタジアム、その中央には、うっすらと小麦色をした砂が敷き詰められている。太陽に映えて美しい。そこで健康的に日焼けした選手たちが熱戦を繰り広げる。試合の最中には、ノリのよい音楽が次々にかけられる。日本の音楽も時折混じる。男女のDJが大いに試合を盛り上げ、それに釣られて、観客はあるものは立ち上がり、あるものは座ったまま、両手を上に掲げて、拍手をしている。 試合の間のテクニカルタイム、セットとセットの間、そして試合の合間には、健康的なビキニ姿の「チアガール」と上半身裸の「チアボーイ」たちが登場。そしてダンスを繰り広げる。それにまた大観客が応える。まるでライブハウスにきているような感覚である。 こういった演出はもちろん、他の国では当たり前のように行われているが、中国ではあまり見かけない。全て外国からの“パクリ”である。でも、こんな楽しい“パクリ”なら大歓迎ではないか。 観客は、家族連れやカップルなど様々。別にみんながみんな、ビーチバレーを好き・・というわけではないと思うし、ルールを知っているかも怪しい。でも、それぞれ思い思いに、会場の雰囲気を楽しんでいる。会場は決して満員ではない。空席もところどころにある。でも、考えてみれば、席がギューギューになって、悲壮感の中で?声をからしてスポーツを見ることだけが、スポーツ観戦だろうか?スポーツをみるのは、こんな余裕のあるスタンドで、ゆっくり思い思いに見るのも楽しいではないか。あるものは時たまおしゃべりをし、あるものは、乗りよく踊る水着姿のチアリーダーが登場するときだけ、元気になって歓声を上げている。 フィールドでは優勝をかけた中国ペアとブラジル勢の一戦が行われている。もちろん「がんばれ中国」の掛け声もあるが、どうだろう・・アジア杯の日中戦でメディアによって伝えられた「ナショナリズム」に基づいた声援ではない。中国勢がいることを「きっかけ」としてビーチバレーの会場に「遊びに来ている」という感じだ。決勝は中国人ペアが出場。敗れたものの、会場を沸かせた
会場の外には、砂場とビーチバレー場が開放されていて、子供たちや家族が、ビーチバレーを楽しんでいる。小さい子供たちは、砂場で砂遊びだ。どれもビーチバレー用のものなので、混じりけがなく、危険な石やゴミが混じっていない。だから安心して、思う存分、砂で遊べた。この球場の中と外の様子を見て歩いていると、なんだか僕もわくわくしてくる。会場外にはビーチバレー場が設けてあり、市民が気軽に楽しめる
当たり前のことだが、試合は「勝つこと」が最大の目的だ。それは少年・少女世代であろうとプロや代表の試合でも同じ。でも、スポーツを見る側は、「どっちでもいいじゃん。面白ければ」でもいいのではないか・・・この大会を見ていて、僕は自然にそう思った。僕のように難しい顔をして、試合を見て、「分析」しなくても、なんとなくそこにいて、なんとなく一緒に体を動かして、踊ったり、音楽に身をゆだねたり・・。それも立派な「スポーツの楽しみ方」だと思う。 この様子が、五輪に向けたテスト大会であるプレ五輪で見られたことに大きな価値を感じる。そういえば、3位決定戦はタイとスイスの試合だった。だが、大勢の観客が訪れ、この両チームに声援を送っていた。どっちが勝ってもいい試合を純粋に「楽しむ」・・そんな雰囲気が少しずつ、この北京で生まれ、それがこのプレ五輪で育ちつつあるのかもしれない。 来年の五輪では、また「国家の威信をかけて・・」という「血眼なスポーツ観戦」に逆戻りするのかもしれないが、それでも、このプレ五輪で、こういう雰囲気になったのは、非常に価値がある。 「スポーツを国家の宣伝ではなく、道具ではなく、市民のものに・・・」これが今の中国スポーツの大きな課題である。 でも、そんな難しいことさえも言うつもりがなくなるほど、ビーチバレー会場は楽しい「ボールパーク」に化していた。市民が気軽に訪れて、気軽にスポーツを見て、一日を過ごせる・・「北京後」も、できれば、ここがそんな場所になってくれることを願う。試合を盛り上げるチアリーダーたちと観客
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posted by 朝倉浩之 |13:33 |
ビーチバレー |


