2010年08月15日
北京五輪の数々の名勝負を見守り続け、閉幕後も大会の熱気を伝え続けてきた「象徴」が元の場所から姿を消すことになった。
北京五輪で開閉幕式・陸上・サッカーなどの会場となったメインスタジアム「鳥の巣」の聖火台が敷地内への移転決定。移転先は、スタジアム北東側の補助グラウンド脇だ。五輪金メダリストの名が刻まれた碑とともに、広場を囲むように置かれるという。移転は今年中の予定 。
聖火台は全長32メートル、重さ45トンで直径は最大で12メートル。遠くから眺めていたときは、それほど巨大なものとも思わなかったが、移動には大変な労力が伴う。外側は特殊なカーボンステンレス製で、1285枚の赤色の板が組み合わさってできている。建設時も「秘密裏」に一枚一枚を人の手で運んで作ったが、今回の移転の際も、同じことが必要になるというわけだ。しかも、一枚一枚、形状が異なり、正確に組み立てる必要があるため、それぞれに番号をふっておくという。
スタジアムの建設風景
また、移転後は、筒の中にある点火装置等を抜き取り、形を「細身」にする作業も行われる。担当者によると震度8にも耐えられる構造になるとのこと。
そして、場内の「跡地」には「空中回廊」を建設することが決まっている。これは観光用で、壁は透明になって、18メートルの高さから、鳥の巣の場内と、外のオリンピック公園の風景を眺めることができる。こちらも年内に完成する予定。
posted by asa8043 |09:54 |
北京五輪 |
2010年07月21日
先日、北京大学で学生の米国留学に向けた壮行会が行われた。
そのメンバーはそうそうたるもの。アテネ五輪女子平泳ぎ100mの羅雪娟、シドニー・アテネを制した女子テコンドー67キロ超級の陳中、アテネ女子レスリング72キロ級の王旭などなど・・・。
いずれも五輪の金メダル級アスリートとコーチ20人で構成される同大学のいわゆる「金メダルクラス」の会である。
羅雪娟など9人が留学するのは米国最大級の規模を誇るウィスコンシン州立大学。ここでコーチングやイベント管理、そしてもちろん英語の勉強を12月15日まで行うことになる。
この「留学プログラム」は北京体育大学院と国の留学基金が協力して行ったもの。これだけ大規模な送り出しは史上初ということだ。
彼らは今後、毎月1100米ドルの奨学金を受けながら、キャンパス生活を送ることになる。
これは今年4月、国務院が定めた「運動員の文化教育と職業保障を強化するための指導意見」に基づくもの。
中国スポーツ当局はここ数年、アスリートの教育水準の向上と職業指導を強化する方針を示している。児童期から選抜され、体育学校などでスポーツに特化したエリート教育を受けてきたため、競技人生が終わった後の「つぶし」が効かないアスリートが多く生まれている。世界選手権レベルの大会で優勝していながら、スポーツとは全く無関係なアルバイトで生計を立てる元選手については、数年前、大きく報道された。
国家がアスリートを育てているにもかかわらず、競技人生が終わったらポイというのは無責任・・・というわけだ。
今回の留学は、元アスリートに国際感覚とより科学的なスポーツ知識を身につけ、その後の人生に役立ててもらおうというもの。これまでは卓球の鄧亜ビンなどごく一部の“超一流”アスリートにだけ許されていた「ご褒美」だが、ちょっとだけハードルが下がったことになる。
一方、北京五輪で中国体操の一時代を築いた楊威、李小鵬、黄旭の3人の「その後の人生」も情報が入ってきた。いずれも引退後は国家代表がコーチとして残ってほしいと慰留をしたということだが、3人とも、それを固辞。
黄旭は故郷の江蘇省に帰って省体操センターの副主任として「官」の道へ。楊威は「子供と一緒に過ごす時間を」と家庭優先の生活に戻り、「改めて自分の行く先を考えたい」としている。また李小鵬は1年間、米国に渡って英語を学ぶそうだ。
以前は、アスリートが引退後は即、「コーチ就任」もしくはスポーツ官僚への道を歩んでいくことが多かった。だが、その「枠」は決して多くはなく、人間関係や「時の運」がなければ、まともな進路を得られないこともままあった。
だが、激烈な競争社会の中国で、学歴を持たない元アスリートに対する扱いは厳しく、ごく一部のスター選手以外は、厳しい「その後」を強いられた。
だから、少しずつではあるが、楊威のように「充電期間」を置いたり、留学でさらに自分を磨く機会を与えられるようになってきたのは、中国スポーツ界の大きな変化でもある。
ただもちろん現状で、その恩恵に預かれるのは、運と実力を兼ね備えた、ごく一部の一流アスリートだけ。アスリート全般の“その後”に関してはまだまだ解決しなければならない問題も多い。
競技者としてはトップレベルまでいけなかったが、指導者として、また管理者として、優れた才能を秘めた元アスリートは多い。またスポーツとは無関係でも、その過程で養った力が企業や地域の活力となることは誰もが認めることだ。だが中国におけるアスリートの「使い捨て」の現状では、彼らを拾い上げて、国全体の発展に生かしていくことは非常に難しい。
今回の「金メダルクラス」の“ご褒美”留学にとどまっていては、中国スポーツの改革は進まないだろう。
posted by asa8043 |07:29 |
北京五輪 |
2009年09月05日
1年ぶりに北京に降り立った。
帰国後、何だかんだと忙しく、気になっていながら、「五輪その後」を現地でウォッチする機会がなかった。
北京五輪が終わってほぼ1年。久々に歩いた北京のまちは、いい意味でも悪い意味でも、「五輪前」に戻っていた。
到着したその日はあいにくの濃霧。「今年最大の濃霧」とメディアが報じる霧の中を五輪前に開通したエアポート列車に乗って北京市内に入った。
北京には独特のにおいがある。いろんな食物や何だかんだのにおいが全部合わさったような、とても言葉では言い表せない、いいとも悪いともいえない匂いがある。それが五輪の前後には、突然消え去って、無味無臭の不自然な街になっていた。
だが、今回北京入りしたときには確かに、その匂いを感じることができて、なんだかほっとしたような、どこかに帰ってきたような、そんな懐かしさを覚えた。
見て分かる変わらないもの。
地下鉄のX線による持ち物検査は、五輪後もずっと継続している。テロ防止ということだが、五輪をきっかけに、地下鉄乗車時の持ち物検査を常態化させてしまったのだ。日本ならば、人権無視もはなはだしく、大きな問題になりそうだが、ここでは「自由」よりも「安全」を選択するということだろうか。
代わりに、地下鉄のチケット販売機は、紙幣にも対応していた。当初、マシンが取り入れられたときは、市民がほとんど使用していない1元コインしかしようできず、隣に両替専門の職員を置いて対応し、実質的に、まったく合理化できていなかった。
そして、さっき触れた「もわっ」とした空気と匂い。
一方で変わったものは多い。
私は数日間かけて、とりあえず五輪競技場を回って見るつもりだ。
今日は3つのメインスタジアム、野球・ソフトボール会場をめぐった。そして、五輪開催を終えた都市が直面する厳しい状況がよく分かった。
当局の発表によると、北京五輪は10億元の黒字になったそうだ。
204カ国から1万6000人の選手役員が参加し、世界中が色々な意味で注目した北京五輪。机上の計算では「大成功」という結論なのだろう。収支だけを見れば・・・だ。
ただ、各競技場を回り、そして関係者の話を聞いて回るうちに、それが所詮「机上」であって、本当の五輪への評価は、そんな表面的な数字では計り知れないものだということが分かってきた。
五輪の評価は何十年もあとの人々が決めるのだろう。だが、それを待ってはいられない。私たちの国も、東京が来月2日のIOC総会での「開催国決定」を待っている。
私は東京の五輪招致に基本的に賛成だが、それでも、五輪が都市にもたらす困難は身をもって体験しており、それらを客観的にあぶりだした上で、IOCの投票を待つべきだと思う。そして、もし仮に東京が開催国に選ばれれば、その「困難」をもっとつめた上で、2016年に臨まねばならない。誤解を恐れずに思っていることを言うが、東京都民の「目」は北京市民より何倍も鋭い・・・ことは間違いないと思うのだ。
ちなみに、こちらの報道では、前回のIOC評価書について、「東京が最有力」という判断をしている。他の都市が物理的な困難を持っているのに対し、東京はそれらは全てクリアした上で、開催・運営自体に直接影響をもたらさない「支持率」が低いことだけが大きな問題として取り上げられている・・・というのが、その「最有力」の判断材料のようだ。
だが、IOC委員の投票行動はそう単純ではない・・・というその話は、また別の機会に譲ろう。
まずは、5日間という短期間で、「五輪を終えた街」をウォッチして、「五輪がもたらしたもの」を今一度考えたい。そして東京の五輪招致について、改めて考える材料にしていただければと思う。
posted by 朝倉浩之 |22:51 |
北京五輪 |
2009年05月09日
五輪のメインスタジアムで45億円稼ぐ・・・
北京五輪の開会式などが行われた国家体育場(鳥の巣)は五輪後の一般公開などにより、約2.1億元(30億円)の利益を上げたことが分かった。競技場を運営する国家体育場有限会社の担当者が明かした。
それによると、現在、国家体育場を訪れる観光客の数は一日あたり2~3万人で、この半年間で計350万人となったとのこと。
また水泳競技が行われた国家水泳センター(水立方)はこれまでに226万人が訪れ、8000万元(約12億円)の収入となったそうだ。
そして国家体育館は今年3月から一般利用が可能となり、これまで22のイベントを開催。2000万元(約3億円)の収入となった。
これにより、3つのメインスタジアムで3億円(45億円)の収入を稼いだことになる。
ただ、いずれの競技場もいつまでも単なる「一般公開」で客が集まるわけがない。
今後、国家体育場ではオペラや演劇、コンサートなどを開催する予定。またオリンピックをテーマにしたレストランやレジャー施設などが併設される予定ということだ。
また国家水泳場については、当初の予定通り、「水上レジャー施設」となって生まれ変わるため、計画が進んでいる。まず今年下半期には、サブプールを一般市民に開放。また10月からは改装をスタートさせ、2010年までにはレストラン、映画館などを併設した施設となる見込みだ。
また今月23日と24日は、小学生の水泳大会を開催。これが北京五輪後、初めての「公式大会」となるとのこと。
さらに国家体育館は7月に世界マジック大会を開催。現在、コンベンションセンターとして使用するため改築工事が行われており、今年11月には完成する見込みだ。
posted by asa8043 |16:51 |
北京五輪 |
2008年09月04日
北京五輪の期間中、北京市内は大いに盛り上がった。だが、間違いなく今回の五輪は「市民不在」の大会だった。大会○○日前といったカウントダウンやマスコット、公式ソングの発表など、ここ2年あまりの間に様々なイベントが行われたが、いずれも出席者は「同じ人ばかり」。そしてその周囲をものものしい武装警官が取り囲み、その様子を少しでも目にしようと、押しかける市民がいる。だが、彼らには「意地悪なくらい」に中の様子を見せようとせず、高くて厚い衝立が置かれる・・・そんな風景を何度も目にした。
その「市民不在」ぶりが、より顕著に現れたのが、五輪開幕直前、北京市内で行われた聖火リレーだった。
8月6日、北京市内は中国国旗と五輪のミニ旗の大群に埋まり、「ジアヨウ(がんばれ)中国!」の太い歓声に包まれた。
3月31日に北京入りしたあと、世界19カ国を回り、5月初めからは全国100都市以上を巡った北京五輪の聖火は6日、北京でのリレーを行った。沿道には数多くの市民がつめかけ、大歓声でランナー400人あまりを迎えた。
この風景、一見すれば五輪を前にした市民の盛り上がりは最高潮、のようにも見えた。だが現場で見ている私には、相変わらずの「市民不在の五輪」という側面が垣間見えた聖火リレーとなった。まずは、その様子を簡単に振り返ってみたい。
聖火は北京の中心にある故宮(紫禁城)を朝8時にスタート。ぽつぽつと小雨が降る中、すでに朝5時から1000人以上の市民がつめかけ、ミニ「五星紅旗」を振りながら、スタートを待っていた。市内の大学生、趙君は昨夜11時に一番乗りしたのだとか。「昨日は眠れなかった」と興奮気味に語る。「他の都市での盛り上がりをテレビで見て、北京もぜひ盛り上げたいと思った」というのが参加の動機だそうだ。
そして7時ごろから、市民たちが掛け声の練習を始めた。「加油(がんばれ)、中国」、「中国万歳」などをリーダーを中心に練習し、それが徐々にそろってくる。
午前8時に式典がスタート。そして8時5分からリレーが始まった。第1走者は中国人初の宇宙飛行士、楊利偉さんで、故宮南側の「午門」を出発した。そして現場が大いに盛り上がったのは米プロバスケットボールNBAで活躍する国民的スターの姚明が第9走者として聖火を受け取ったとき。トーチを掲げる229センチの“アジアの巨人”を無数のメディアが囲み、現場は一時、騒然とした。
さて、この場にいた誰もが気づくのが、現場にやってきた市民全員が何らかの組織に所属している人たちであること。つまり日本で言う「動員」である。揃いのTシャツ、帽子、そして企業や組織の名前とスローガンが書かれた横断幕・・・。掛け声の練習もかなり統率が取れているのだが、彼らがおなじ組織ということならば当然のことだ。
実は、天安門広場周辺の一般市民の立ち入りは全く禁じられ、広場南側にある地下鉄「前門駅」は朝から臨時封鎖された。広場に集まったのは全て、企業、学校などの団体、団地ごとに組織された人々。そして広場前の大通りの両端には、警備スタッフが配置され、聖火の様子を一目見ようとやってきた一般市民はそこに足止めされることになった。
この「限られた市民」による熱烈歓迎は、その後、北京の西側、南側への移っていった聖火リレーでも同様だった。
昼3時ごろには、北京南側の豊台区をリレー。周辺の道路は完全封鎖され、2時間前から、続々と大型バスが“現地”に乗り入れてくる。広めの道路数百m分を駐車場に使い、バスからは揃いの帽子、シャツに身を固めた“一般市民”が次々と降りてくる。
彼らの向かうのは指定された応援場所。コースは細かく区分けされ、そこには「A8-10」のように番号が振ってある。各組織にはあらかじめ場所が割り当てされてあり、リーダーが引率して、そこに連れて行く。周囲は警戒線で囲まれ、予め配られているシールを胸に貼っている“市民”だけが聖火リレーのコースに入れるのだ。彼らは指定された場所で、旗を振り、声を限りに応援する。一方、“指定された組織”に所属していない大部分の市民は、華やかなリレーの様子がほとんど見えない場所で、遠巻きに立っているしかない。
報道によると、8月6日には国家体育場(愛称:鳥の巣)付近で英国人が政治的スローガンを掲げ、警察に拘束されたという。これらの厳重な警備は、聖火リレーの場を利用した何らかの「政治行動」を当局が恐れてのことであることは間違いない。
だが、それともに、残念ながら中国は、「一般市民」を信用していない。国が市民を信用していない・・・という事実は非常に残念だが、ここで生活していて、常に感じることでもある。
テレビ画面では多くの市民が映って、聖火リレーの「盛り上がり」を演出していたが、それはあくまで中国側の選んだ「お行儀の良い市民」だけだった、というわけだ。
posted by asa8043 |22:33 |
北京五輪 |
2008年08月31日
日本シンクロの“生みの親”で、中国代表のチームを銅メダルに導いた井村雅代さんは、五輪開催前、初めて五輪会場の国家水泳センター(愛称:水立方)に入ったとき、第一印象は「こんなの作っちゃって大丈夫?」だったそうだ。
50メートルプールと飛び込みプールが縦に並ぶ超巨大な競技場。水泡をイメージした直方体の外観は独特で、夜は神秘的なブルーにライトアップされる。確かに素晴らしい競技場だが、触れ込みの『省エネ』タイプとはちょっと違う気がする。この巨大なプールを維持するのにどれだけの費用がかかるのか……井村さんも心配になったと言うわけだ。
オリンピックで使用された競技場を評するスポーツ関係者の言葉は全て同じだ。「素晴らしい」の一言・・・。メインスタジアムの鳥の巣、水立方、国家体育館は言わずもがな。北京北郊外のオリンピック公園に作られたアーチェリー場、ホッケー場など決して大人気とはいえない競技のスタジアムも、出場した選手達の大絶賛を受けた。北京西郊外の巨大規模な射撃館、公園内に作られたビーチバレー場、NBA標準で建てられたというバスケット館、そして北京大学内の世界初の卓球専用体育館。この1年で、北京は世界でも有数のスポーツインフラを持つ都市に成長したといえよう。
だが井村雅代さんが口にしたように、今後、果たしてこの超豪華な競技場群を維持していけるかは大きな問題だ。多目的に使える総合陸上競技場でも難しいが、専用競技場として作られたスタジアムを維持してくだけのビッグ大会がそう頻繁に北京で行われるとは思えない。
中国は五輪閉幕後、早くもサッカーW杯誘致に本格的に取り組むことを公式に宣言した。以前から、「次の次」を狙う旨はスポーツ当局の責任者の口から何度か出ていたが、「祭り」が終わった今、それをいよいよ本格化させるということだろう。
たしかに、国家体育場(鳥の巣)をメインに、北京市内だけで、工人体育場(女子サッカー決勝の会場)、オリンピックセンター体育場(近代五種など)と、それなりのスタジアムが整備された。しかも、上海、天津、瀋陽にも眩いばかりの一流の競技場が作られ、他都市のスポーツインフラに見劣りしなくなった。W杯を誘致するだけの力は、施設面からみれば、十分にあるともいえよう。
だが同時に、「ポスト五輪」の“夢”を語り続けざるをえない状況があるのも事実だ。これだけのスタジアムを維持していくには、国民に目標を与え続け、「次」に目を向けさせざるをえない。一歩間違えれば、巨額の資金をかけたインフラ設備に対し、一般庶民の不満が噴出しかねないのだ。
当局は、今後、これらの施設を市民に開放するとしているが、かなりの運転費用が必要な各競技場がどのような形で活用されるのか・・・一定の方針は出てはいるものの、その実現性はまだ不透明だ。“祭りが去った後”の北京はどうなるのか・・・このツケが五輪を目一杯楽しんだあとの北京市民にドンと押し寄せないことを祈りたい。
posted by asa8043 |00:23 |
北京五輪 |
2008年08月27日
北京五輪期間中、北京市内では様々な生活上の制限が加えられ、市民に多く不便があった。市民の誰もが感じた不便といえば、なんと言っても地下鉄の持ち物検査だろう。空港並みのチェック体制が全ての地下鉄駅で敷かれ、乗客全員がX線検査を受けさせられて、場合によっては、カバンを全て開封される。出退勤の時間帯は長い列ができ、普段より15分早く家を出ないと間に合わなくなる。
また一部の店舗などが閉鎖されたことも市民生活に影響した。このブログでも取り上げたが、ある地下鉄駅のショッピングモールは全ての店が9月末まで閉鎖となり、構内は昼間でも真っ暗。五輪期間中の外の華やかさとは裏腹に、火の消えたような様子が続いている。また、これまで地方から果物や野菜をトラックに乗せて売りにくる人や路上で新聞を売る人などが多くいたのだが、五輪を前に、それらの人々が一層され、町は「きれいに」なった。だが、買い物が不便になったのはいうまでもない。
その件に関連するが、7月20日から北京市内には、地方からのトラック乗り入れが厳しく制限されるようになった。これによって生活の糧を奪われた人もいる。
北京郊外にある果物の一大産地、大興区のある農民、劉さんは毎日、トラックに乗せて、スイカや桃を市内の市場で販売していた。ところが、この制限により、市内に入れなくなり、やむなく劉さんは、自転車で毎日10キロ走り、少し離れた小さな町に持ち込んで、販売を続け、生活の糧を稼いでいる。だが60過ぎの劉さんにとって、毎日往復20キロの自転車“通勤”は過酷だ。「それも限界」と語る劉さん。畑にいくと、地面に落ちて腐った梨と桃が数多くある。「これも一時のこと。やむをえない」と苦笑いする劉さんだが、制限だけが飛び出してきて、生活の保障が一切されないのでは、たまったものではない。
またホワイトカラー層にも影響が出ている。ある市場調査会社に務めるOL,郭さんは「7月、8月は全く仕事にならなかった」と嘆く。同社では、商品やサービスについて、街頭でのアンケートや消費者への直接聞き取りなどを行って、報告書をまとめ、顧客に販売する仕事をしているのだが、これらの「市場調査」が一切禁止されたという。街頭アンケートはともかく、その他の調査も全て禁止というのは、理由が分かりにくいが、いずれにしても、“商品”がなければ、売りようがない。「オリンピック中は暇だったから、競技をたっぷり楽しめたわ」と皮肉交じりに語る郭さんだが、中国では給料は安い固定給に、仕事の歩合制という仕組みがほとんど。仕事がなければ、収入も減るわけだから、暇は決してうれしいことではない。
また市内の引越し作業など、運送を伴うことをやりにくいのも面倒だ。ある日系運送会社の日本人総経理に聞くと、6月はじめに、各社の責任者が当局に呼ばれ、7月から9月は引越しなどを引き受けないよう、通達を受けたそうだ。排気ガス汚染を防ぐために、大型トラックの移動が禁止されたことと、そもそも地方出身の労働者が地元に返されたため、働き手がいなくなったという物理的要因もある。これによって、各日本企業なども、転任・赴任のタイミングをずらすなど対応に追われた。実際には、制限のない夜間に引越しするなど、それなりに方法はあるのだが、いずれにしても、面倒であることは間違いない。
北京五輪がもたらす様々な不便は挙げだしたらキリがない。自家用車の通行制限やオリンピック専用道路の設置なども、市民の移動には不便がある。
元々、降って沸いたようにお上の制限事項が突然やってくるお国柄ではあるが、いつもなら、「上に政策あれば、下に対策あり」で、色々とやり繰りして、切り抜けていくのが庶民のやり方なのだが、今回ばかりは「オリンピックのため」という大きな目標のために、忍耐強く我慢している市民が多いようだ。
華やかなオリンピックの影には、その町に住む人々の多大な犠牲があることを知っておいてほしい。
posted by 朝倉浩之 |08:03 |
北京五輪 |
2008年08月26日
先日、友人に付き添って、小包を送りに郵便局に行った。北京生活を続ける彼は、まもなく地方にある実家に戻ることになっており、身の回りの品物を郵便小包で向こうに送ろうというのだ。
送りたい品物を郵便局の窓口に持ち込んで驚いた。局員が、中の品物を一つ一つ丹念にチェックしているのだ。衣類は一枚ずつ広げて、書籍はパラパラとめくって、小物も丁寧に見て、一つ一つ、小包用のダンボールにつめ直していく。
そしてその中から、彼が愛用のアイロン、CDやDVD、ガラス製の小物は「NG」をくらってしまった。つまり「送ることはできない」というのだ。
6月1日から北京五輪の期間中、国内、国外を問わず、郵便小包によって送ることができるものは厳しい制限を受けており、多くの品目が「送付不可能」となっている。危険物や電池など日本でも海外郵送ができないものはもちろんだが、その範囲は驚くほど広い。その場で職員に尋ねると、具体的には
電化製品、注射器など医療器具、ガラス製品、香水や目薬などの液体
などは一律、送付禁止。
またCDやDVDについては、国際的に非難されている版権保護の問題もあってか、「購入時の領収書、もしくは職場などの証明」などがないと、一切受け付けられないという。以前購入したDVDの領収書など残っているわけはなく、さりとて、“たかが”DVDのために職場に「証明してほしい」というのも何なので、実質的にはこれも「送付不可能」である。
また面白いところでは、「ウイスキー入りのチョコレート」も送ることができない。“液体が入っているから”という理由なのだが、チョコレートなど食品に関しては、何らかの液体が混じっていないかどうか、かなり綿密にチェックされる。そして「正体不明」の品については、用途などを明らかにするよう求められるという。
この郵便小包の送付制限については、パラリンピック後も続き、10月末まで予定されているそうだ。
運送の危険を避けるなど、「テロ防止」のための措置ではあるのだが、かなり不便であることは間違いない。安全のためには仕方がない、と理解を示す市民が多いが、ほとんど具体的な広報もなく、郵便局で突然、「ダメだし」を食らうのは、なかなか面倒なことではある。
オリンピック期間中、北京市民は、こういった様々な生活や仕事上の不便を強いられている。(続く)
posted by asa8043 |07:29 |
北京五輪 |
2008年08月12日
8日行われた北京五輪の開会式の様子を収録したDVDが11日、発売された。定価は50元(750円)で、全国の書店などに置かれるということだ。スポーツ新聞「競報」が伝えた。
記事によると、DVDの発売予告は10日に出された。だが、すでに各書店には予約がきており、また昨日はかなりの電話問い合わせがあったそうだ。また一部のネットショップでは、開会式が行われる前から、予約をスタートさせ、市民らの話題となっていた。
今後、閉幕式、聖火リレーの様子などもDVD化され、続々と発売される予定だ。
posted by asa8043 |11:07 |
北京五輪 |
2008年08月09日
8日の開会式が終了したのは、日付が変わって0時過ぎ。観客が外に出るころは1時を回っていた。
大勢の観客が華やかな式典の余韻に浸っているとき、多くの作業員たちが忙しそうに機材を運び出していた。「今夜は眠れないよ」といいながら、彼らは派手なパフォーマンスの数々で使用した資材を運び出し、場内を清掃する。複雑な演出の中で使用された機材や物資は2000トンあまりに及ぶという。
しかし、8月15日には、ここで陸上競技が行われる。そのため、場内には芝生を敷き、一連の競技設備を再設置しなければならない。今日から寝ずの作業が始まるというわけだ。責任者によると、この撤去作業と設備の再設置は56時間以内に全て完了させるという。撤去したものは、朝5時にやってくる230台の貨車に積み込んで、五輪物流センターに送り返さねばならない。
華やかな“祭り”の後の過酷な作業・・・そして、それは私たちの目には見えない・・・。だが、それも含めて、オリンピックなのだということをしっかりと心に留めておきたい。
posted by asa8043 |22:10 |
北京五輪 |
2008年08月09日
8日午後8時に行われた北京五輪の開会式。当日は朝から曇り空で、蒸し暑く、いつ雨が降り出してもおかしくない天気。北京市郊外では密雲区で40ミリ、順儀区で22ミリとまとまった雨が降っていたにもかかわらず、開幕式会場の国家体育場(愛称:鳥の巣)ではポツリともこなかった・・・。
これについて、気象当局はいわゆる「人工消雨」作戦を決行したことを明らかにした。「人工消雨」とは、雨を降らせる雲周辺にミサイル弾を打ち込んで、降雨を防ぐというもの。仮に雨が降った場合、式典で披露されるパフォーマンスを大幅に変更しなければならないため、今回の“作戦”は国家の威信をかけた重大事となった。
気象当局側は1000発あまりのミサイル弾を打ち込み、国家体育場上空の雨雲を蹴散らすことに成功。気温30度前後で蒸し暑かったものの、「雨を降らせない」という最大の演出で、北京五輪のスタートを成功に導いた。
中国気象局の鄭国光局長によると、人工消雨による天気操作は五輪史上初めてのことだということだ。
降水確率41パーセントといわれ、決して「楽観視」されていなかった開会式当日の天気。だが、ついに自然に働きかけて、天気まで変えてしまうことに中国は手をつけてしまった。何が何でも成功に導きたいという中国の強い思いを感じる取り組みだが、何となく・・・末恐ろしいような気もする。
posted by asa8043 |22:08 |
北京五輪 |
2008年08月08日
そのあと、天安門広場の南側、前門にやってきた。広場では、開会式の際、花火が打ち上げられることになっており、全て立ち入り禁止。それどころか、広場側の道を歩くこともできないし、地下鉄「天安門東駅・西駅」も列車が停車しなくなってしまった。
それでも、すでに3時間前から、ここでのイベントを楽しみにして、大勢の市民が、封鎖ラインぎりぎりに陣取り、開会式を今か今かと待っている。
前門は昨日から、明清時代の街並みを再現した大通りが公開され、多くの人々でにぎわっていた。今日は北京中の企業や国営機関がいっせいに休暇となり、市民はいっせいに町に出てきている。共通しているのは、誰もが国旗をもち、楽しそうにそれを振りながら歩いていること。祖国が初めて開く世界最大のスポーツイベントに対する期待に溢れているという感じだ。
商店も国旗を掲げて五輪開幕を祝う
この原稿を書いている間に、もう開幕式まで、2時間を切った。私自身もこの3年間、オリンピックに向け発展する北京と中国スポーツの動向について取材し、日本、中国で報道する仕事をしてきた。いよいよ、その「本番」がやってくると思うと、身が引き締まる思いがする。ラジオ、ネット、新聞・雑誌など様々な機会をいただきながら、北京五輪の様子を日本メディアとは一味違った角度でお伝えしていきたいと思っている。
そのとき、一つだけ、私自身の抱負を明らかにするとともに、この文章をごらん頂いている方にお願いしたいことがある。
北京五輪とは何か・・・と問われれば、日本に住む多くの人たちが「中国の国家宣伝」「国威発揚」「経済発展のため」など「国家」を基準にした否定的な見方をする人が多い。もちろん、そういった側面があることは否定しない。だが、同時に北京五輪の向こうに、大勢の名もない人たちの努力があることを忘れないでほしい。私は五輪テスト大会の取材を通じて、多くの運営スタッフ、ボランティアの昼夜を問わない仕事ぶりを見てきた。彼らの努力があってこそ、世界最大のスポーツ大会を私たちも楽しむことが出来るのだ。
どこかの大手新聞社は今回の北京五輪の報道姿勢について、「中国が五輪を開く資格があるかどうか」を見極め、「問題点を見つけていく」ことに重点をおいているという。だが、その矛先が「中国」ではなく、「中国人」に向かっていくならば、そのような“上から目線”で隣国の人々を見るのは明らかに間違っている。
いろいろな見方があってもいいと思うが、「批判・言論の自由」は権力に向かうべきであり、隣人の庶民に刃を向けるようなことがあってはならないと私は考える。だが、日本メディアはときおり、中国の一般庶民の生活や習慣への容赦ない批判に牙を剥く。全てが誤っているわけではないが、思い込みや偏見が作り出す「うそ」も数多く混じっている。
だから、皆さんには、報道の受け手として、バランス感覚をもち、その「うそ」を見分けてほしい。
今回の五輪を自宅のテレビで楽しむ方も多いだろう。一流のアスリートによる素晴らしいパフォーマンスもたっぷりと楽しんでほしいのはもちろんだ。
だが同時に、せっかく隣国の、しかもいろいろな意味で関係の深い中国で行われるのだから、少し、いつもの五輪と違った見方をしてみてはどうか。
それは、その素晴らしい試合の向こうにいる「無数の人たち」の努力、多くの汗を「想像すること」である。それにはかなりの“想像力”が必要になるが、決して難しいことではない。
オリンピックを本当に進めていくのは、国家主席ではないし、五輪組織委員会の役員でもない。声にならない、表に見えてこない多くの「人」である。せっかくだから、この人たちのことを思い抱きながら、世界最大のスポーツイベントを楽しんでみてはどうか。私が現地からお送りする情報がその一助となるようなものになれば、と願いながら、海を越えて、一味違う「北京五輪」をお伝えしていきたいと思う。
posted by asa8043 |19:55 |
北京五輪 |
2008年08月08日
北京五輪の開会式まで、あと2時間と迫った今、この原稿を書いている。10万人が競演するパフォーマンスは?聖火の最終ランナーは?テロの危険は?などなど、韓国メディアの漏出事件で少しケチがついたものの、13億の中国人のみならず、世界が注目している大イベントとなっている。
そんな開会式を目前に控えた8日朝、天気は予報どおり曇り。太陽は時折顔を見せるものの、結局一日中、いつ雨が降ってもおかしくない天気となった。開幕まであと2時間。このまま天気は持つのか・・・うわさの「人工消雨」作戦が実行されるのか・・・という別の見所も?ある。
今大会こだわってみていきたいと考えているソフトボールの会場に顔を出した後、昼2時過ぎに開会式の会場、国家体育場があるオリンピック公園に向かった。いつものように、最寄の地下鉄を出ると、すぐ、いかめしい顔の警官が封鎖していた。今日は朝10時半から、国家体育場の周囲1キロが完全封鎖。関係者以外立ち入り禁止となっている。
これにより、別の建物が死角になり、国家体育場が全く見えない。いや、全く見えないところであえて、封鎖線を設けたのだろう。これで花火の打ち上げや華やかなレーザーショーを外から鑑賞することはできない。周辺の警備の問題もあるだろうが、外からでさえ、雰囲気を楽しむことができないように「意地悪」する当局のやり方は賛成できない。関係のない市民を締め出そうという意図が見えてくる。例によって、「市民不在」である。
開会式開場周辺を完全に封鎖
だが、周囲の熱気は、そんな不合理を吹き飛ばすようなものだった。会場周辺には、すでに5時間前から、無数の市民が、少しでもオリンピックのムードを味わおうと集まってきていた。
ミニ国旗を振る人、大きな国旗を体に巻いている人、行き交う人の会話のところどころに「アオユン(五輪の意味)」という言葉が出てくる。
しばらくすると、「がんばれ中国!」「がんばれ!五輪」というシュプレッヒコールを挙げる集団が近づいてきた。近くの大学生が1000人規模の集団となって、スローガンを叫び、中国国歌を合唱しながら、行進している。まるで政治デモのようだが、主張しているのは「オリンピックの成功」。少しでもオリンピックの成功と愛国心を示したいという若者たちの行動だろう。彼らの触発され、歩いていた市民が次々と列に加わり、デモはどんどんと大きくなる。集団行動をするには当局の許可が必要だが、どうも許可を得たもののようには思えない。コースは行き当たりばったりで、住宅街や国道沿い、商店街を練り歩く。
“デモ隊”は、警察が封鎖するラインにやってきた。やっていることは「違法」なのだが、叫んでいるのは、今日まさに始まる五輪の成功であり、警官たちも止めることができない。若い力におされ気味になりながら、とりあえず、コースを変えるように説得し、デモ隊はそれに応じて、コースを右にとった。それにしても、鬼気迫る表情でスローガンを叫ぶ姿は2004年の反日デモを思い出させる。だが同時に、私自身も含めて、今の若い世代にこうやって集団で愛国心や自分の意思を示す行動力があるかどうか・・・これもまた北京五輪を前にした熱気あふれる町の風景の一つといえるだろう。(続く)
posted by asa8043 |19:53 |
北京五輪 |
2008年08月05日
北京五輪開幕まであと3日。各国の有力選手が次々と北京入りする中、彼らを待つ競技場も、着々と準備が進んでいる。
運営スタッフが担当の競技場に配備されるのは試合開始日の1週間前。五輪組織委員会の規定により、7日前からスタッフが全ての持ち場に着き、人員的には準備オーケーとなる。そして、5日前にメディアセンターがオープンし、対外的に受け入れが開始となる。
12日から試合が始まるソフトボールの会場、豊台ソフトボール場は5日、全ての職員、ボランティアらが持ち場につき、あとは選手、メディアを待つばかりとなった。
今日は朝9時から、場内でボランティアの結団式が行われ、大学生や北京市民によって構成された800名のボランティアが集い、北京五輪の成功に向けて、力強く宣誓を行った。
ボランティアといっても範囲は広く、試合進行、メディア対応、駐車場スタッフなどから、医師・看護師などの医療スタッフ、警備スタッフなど専門的な人たちも含まれている。鮮やかなブルーのシャツを着ているから、会場内では非常に分かりやすい。
結団式の後、職員、ボランティアはそれぞれの担当に分かれて、最後のシミュレーションを行った。
このうち、メディア対応のシミュレーションも非常に綿密だ。新聞・雑誌等の記者がスタジアムに入ってから、試合を観戦し、選手を取材し、記者会見を行うまでの全ての行程を再現し、演習を行う。メディア担当といっても、最初の受付、記者室、スタンドの記者席、選手の取材を行うミックスゾーン、記者会見室などそれぞれの部門で細かく担当が分かれる。さらに、選手コメントをとって公式ページに掲載するONS(オリンピックニュースサービス)、選手名簿や成績などを印刷して配布する「成績広報」などの職責もあり、それぞれの部門が協力しながら、シミュレーションを完成させていく。
少し荒い部分もあったが、聞けば、こういった「総合演習」は今回で、すでに4回目だそうだ。途中、モニターなどの設備がある記者席にシートをかぶせた際、「何で縛ればよいか」で1時間ほど討論が続くなど、少し「中国らしい」部分もあったが、スタッフたちの真剣な表情さから一生懸命さ、北京五輪の成功への思いがひしひしと伝わってきた。
「あと1ヶ月」から「あと3日」までが何て短かったことか・・・。何年も前から準備を進めてきたスタッフたちの「熱い夏」がまもなく本番を迎える。
posted by asa8043 |21:53 |
北京五輪 |
2008年08月04日
北京五輪まで、あと4日に迫り、町はオリンピックムードに包まれている。
36度の真夏日となった昨日、北京一の繁華街、王府井(ワンフージン)は地方からの観光客などを中心に大いににぎわった。
北京最大の繁華街「王府井大通り」
大通りのスタート地点にある名門ホテルの一つ、北京飯店は各国の要人が宿泊するとあって、警備は最大級。前の道は、一部の公共交通機関を除いて、一般市民の立ち入りは一切禁止され、ぴりぴりムードが漂っていた。
右奥に見えるのが北京飯店 一部公共交通機関を除いて立ち入り禁止だ
繁華街の中央にある五輪グッズの販売店は大盛況。大会開催中を避けて、この時期にやってきた地方の観光客らは、少しでもオリンピック気分を味わおうと、五輪マスコットの「フーワー」をあしらったグッズなど、先を争って買い求めていた。
五輪公式グッズショップは大盛況だ
町の中で目に付いたのは、アスリートを起用した広告看板と、アスリートそのものの巨大な人形。こちらはバスケットボール選手で米NBAのヒューストンロケッツで活躍するヤオミン、そして女子バレーボールの中国代表選手を象った巨大人形が市民の関心を呼び、しきりにシャッターを切っていた。
ビルの中ほどに現れた巨大「ヤオミン」像
女子バレー中国代表の巨大像も
短い距離を客を乗せて走る三輪自動車もオリンピックバージョンとなっていた。四川省からきたという陳さんの三輪車は、五輪マスコット「フーワー」が上部にあしらわれた自慢のものだ。かなり商売繁盛しているらしく、「まずこれで客目を引ける」と満面の笑みで語ってくれた。2,3キロのところまでしか行ってくれないが、料金は2~3元(30円~45円)。北京においでの方は、安全性の問題もあるから、ちょいと「覚悟」して乗ってほしい。
側面には「フーワー」、天井には中国国旗が翻る
北京西部にある「世紀中華壇」では、北京五輪の招致からこれまでの歩みを振り返るパネル展が行われていた。中国選手ゆかりの品なども展示されており、公開初日の昨日は、家族連れやカップルなど大勢の人が訪れた。入場は無料で、門の前の窓口で、パスポートを提示して、チケットを受け取れる。入場制限があり、1日30000人しか入れないそうだが、インターネットで予約をすれば確実だ。
また中国のミニ国旗を掲げた車や「I love 中国」と書かれたTシャツを着た若者も数多く見かける。祖国が初めて迎える大イベントを心待ちにする市民たちの熱気が伝わってくる。もう北京は「オリンピック色」だ。
万国旗で彩られたカフェテリア(王府井大通り)
posted by asa8043 |16:34 |
北京五輪 |