2008年05月25日

北京は連日の真夏日に選手も苦戦?

今日の北京も連日の暑さが続いている。

日中の予想最高気温は32度。朝夕も20度近くまで上がり、寝苦しい熱帯夜ももうすぐという感じ。

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北京一の繁華街・王府井も日傘をさす人が目立った


昨日、レースを終えた日本人選手たちが取材ゾーンで、まず必ず口にする言葉が「暑かった・・とにかく暑かった」。別に北京という地や、競技場に文句をつけているわけではない。春が短い北京は5月下旬から真夏日が続くのは当たり前。だが、日本のこの時期と比べて、相当の暑さだから、思わず恨み節を言ってしまうのだろう。

北京の夏は相当暑い。7月8月にはいると、40度近い“真熱日”が連日続く。40度を超えると、国営企業は職員に対して一定の手当てを支払わなくてはならないため、なぜか、この時期の気象当局の発表は「38度、39度」が多くなる。国営企業の不意な出費?を防ぐため、とでもいうのだろうか。

だが、北京の夏の体感気温は、実はそれほど高くはない。私は以前、日本海側の地域に住んでいたことがあるが、一年を通じて、湿気が多く、夏はサウナのような“重たい”暑さを感じていた。だが、北京の暑さは、日本の多くの地方とは違って、大陸性の乾燥した暑さだ。

こちらでは、真夏の暑さを「サウナ天気」などと呼んだりするが、「サウナ」加減でいうならば、日本の、特に海辺の地区のほうが圧倒的に上だ。そして、暑さの中に、時折、涼しい風がスッと通っていく。この清涼感のある風も北京の夏の特徴だと思う。だから、私にとっては、北京の夏の暑さは決して不快なものではない。(むしろ、冬場の氷点下10度を越える寒さのほうが恐怖だ。)

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25日まで陸上の五輪テスト大会が行われている


ところが、この競技場は、形状からいって、風通しはあまりよくない。その分、短距離の選手たちがいうように「変な風が吹かないから、気を使わなくていい」のだが、フィールド上のムッとした感じはより強くなる。「真夏のそよ風」がもたらす一服の清涼感を感じることができないのだ。

ということで、冒頭の“恨み節”が選手から出てくる。確かに、この時期、お椀型の熱がこもる競技場、しかも北京の暑さの中で競技をすることは非常に過酷だ。だが、いうまでもなく、アスリートにとって自然条件を克服することも大切な要素の一つ。地球上に数ある国家の中で、2008年はたまたま、ここ北京がスポーツ祭典の舞台に選ばれた。せっかくならば、北京の暑さ、食や町の環境、空気、人々など全てを「感じながら」、また慣れないことは「克服しながら」8月の大会に臨んで欲しいと思う。



posted by 朝倉浩之 |17:27 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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2008年04月30日

五輪まで100日、変わらぬ日常と鼓動

北京五輪開幕まで、あと100日となった。

だが、北京にいる私たち生活者にとっては、「あと100日」といっても実感が沸かないのが正直なところだ。

スポーツの取材者として、オリンピックを迎える街がどう変貌するかをこの目で見たいと、この地にわたって4年。いよいよ“本番”がやってくるのに、まだ実感が沸かない。北京の街は、さまざまな動きを見せているが、まだまだ「雲の上」のことが多く、私自身の身の回りで「オリンピックが踊りだした」という雰囲気ではない。世紀の大イベントを迎える前というのはこういうものなのか。これが「嵐の前の静けさ」なのだろうか。

朝起きて、いつものように出勤のため、マンションを出る。

ここで“空気が悪いため”ゴホゴホとやっているといえば、喜ぶ人もいるかもしれないが、残念ながらそんなことはない。歩いていて、服が真っ黒になることなど“絶対”にない。(笑)

団地の中庭では、お年寄り達が太極拳の練習に勤しみ、聞きなれた音楽が耳に入ってくる。満員電車は毎日のことだ。押し合いへしあいしながら、事務所に出勤し、いつもの仕事が始まる。取材、原稿書き、チェック・・・。時間がくれば、地下鉄に乗って、また家路に着く。

北京の暮らしなどそんなものだ。政治や権力の世界が何だかんだと大騒ぎし、ギョーザだ、独立だと騒動が起きるが、市民の生活は、それらの喧騒と全くかけ離れたところにある。街を歩く人たちの様子も、ここ4年何も変わらないし、住宅のベンチではお母さん達が子供を連れて、ペチャクチャと四方山話に花を咲かせている・・・それは日本の庶民の暮らしと全く同じ。それは、ある意味、色々なことへの無関心ではあるのだが、それが現実というものだろう。

僕の生活上の困ったことといえば、「今月の懐具合が寂しくなった」なんて、これも日本にいる時と同じ。「日本人と知られないようビクビクしている」「食べ物が悪くて、お腹壊してばっかり」ということもない。

日本メディアが嬉々として伝える「五輪前の北京の問題点」は結局、生活者にとっては、インターネットの文字情報だけに存在するフィクションに過ぎない。「生活」なんて、そんなものだろう。

だが、そんな日常の中で、時折、五輪に向けた街の変化の息吹を感じることがある。それは、ちょっとした変化や新しい物事のスタートなのだが、僕はそれを目にした時、今このとき、北京にいて良かったと感じる。恐らく、その小さな変化の積み重ねで、少しずつ、この街は「オリンピック色」に染まっていくのだろう。

僕は中国メディアに職場は持っているが、このブログやその他、執筆しているコラムはあくまで日本人のメディアとして、限りなく個人の身分で書いている。僕は他のどの大メディアよりも早くから、五輪に向けた北京の街の様子を見つめてきたし、この街で“生活”することで、本当の市民の暮らしに接してきた。

このブログでは、これから北京が迎える「熱き100日間」を、プロの伝え手として、だがあくまで市民の目線でお伝えしていく。

批判すべきところは批判するし、素晴らしいと思うところは素直にその良さを、感動を伝えようと思う。

口先だけで「政治とスポーツは別」という論理を振りかざすのではなく、本当にそんな生臭いものとは全く違うところに、「北京市民が迎える五輪」があることをこのブログを通じて、日本の皆さんに伝えたい。

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大学生が中心となったボランティアが北京五輪を支える



posted by 朝倉浩之 |10:10 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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2008年04月13日

五輪の街に漂う春の風物詩

毎年、春の到来は、北京の街をフワフワと漂う白い『わたぼうし』から感じる。

13日、北京はあちこちで、この『わたぼうし』が飛び交った。「柳絮(リウシュー)」と呼ばれる“春の使者”たちだ。柳の綿が風に吹かれて空中に投げ出され、町中を飛び回る。さながら小雪が舞うようだ。バスやタクシーの中にも入ってきたり、時には部屋の中にも浸入してきたりして、北京の人たちは厄介がるが、私にとっては、長く厳しい北京の冬からやっと開放されたことを実感できるワクワクする風景だ。

午後から、射撃の五輪テスト大会の取材が控えていたが、春の陽気に誘われて、ちょっと早めに外出し、国家体育場(鳥の巣)や国家水泳センターが立ち並ぶオリンピック公園に足を運んでみた。

北京の郊外の街をぐるりと結ぶ環状道路「4環路」から北に広い直線道路が延びていて、その沿いに選手村やメイン競技場など、五輪の各主要施設が並ぶ。

五輪向けに美しく整備されたその道路を久々に歩いた。そういえば、去年も同じ『わたぼうし』の時期も、同じように、ここを歩いたのを思い出しす。その頃は、まだ鳥の巣も水立方も工事の真最中。その前に高くそびえるホテルと商店が一緒になった複合ビルも建設中で、敷地のただっ広さと、工事のために辺り一面に巻き起こる砂ぼこりばかりが印象に残る場所だった。

そして、辺りを行き交う人々は100パーセント全て、黄色い安全ヘルメットをかぶった工事作業員だった。お昼時には昼飯のマントウと炒め物をかきこみながら談笑する人、その脇で故郷の新疆の音楽を聞きながら休憩する人・・・色々な言葉が飛び交っていて、北京語がある程度分かる私にとっても、ちょっとした異国感を感じる場所だった。その大きな声はさながら、『このオリンピック公園の今の主人公は俺たち』と主張しているかのようだった。確かに、この時、ここの主人公は彼ら「工人(ゴンレン)」だった。

あれから1年。工事を終えた作業員の宿舎は全て取り壊され、一部を除いて、作業員の多くは故郷に帰っていった。

ここの主人公は、鳥の巣や水立方という新しい観光名所をバックに記念写真を撮る「おのぼりさん」や北京市民たちに代わっていた。今日の北京はお出かけには絶好の陽気。オリンピック公園周辺には、大勢の人たちが詰めかけ、鳥の巣の独特のデザインと自分の姿がうまく写せる『絶好のカメラポジション』を探して回っていた。

そして、あと4ヶ月足らずで、いよいよオリンピック本番がやってくる。その時の主役は、世界各国からやってきた選手や観客たちとなるのだろう。オリンピック公園の風景もまた今とは全く違った様子となるに違いない。

では、その「夏の盛会」が終わった後は、いったい誰がここの主役になるのだろう。それを考えるのはまだ早い!と北京市民から叱られそうだが、そろそろ、それを心配してもいい時期でもある。来年の「わたぼうし」は、どんなオリンピック公園を漂っているのだろう。

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スタジアム見学の絶好の場所はここ(中央奥は国家水泳センター)



posted by 朝倉浩之 |21:32 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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2008年04月08日

聖火報道に日中の温度差実感・・・本日帰国してブログ再開です

3月末から、所用のため、日本に一時帰国したため、ブログの更新がストップした。記事をごらん頂いている各方面の方にご心配のメール等を頂いたが、本人はいたって元気・・・。日本では、ちょうど見ごろを迎えていた桜を存分に味わって、無事、帰国し、本日からまた、北京五輪に向けた中国スポーツ界のあれこれを引き続きレポートしていく。

私が北京を留守にしている間、ギリシャから聖火が北京に運ばれ、大々的な式典が行われた。残念ながら、これを生で見ることはできず、日本のニュース報道で、式典の一部分を見るのみとなった。

チベットの生臭い問題とともに伝えられる日本の聖火報道を見ながら、恐らく中国では、これとは全く異なる角度からの報道がされているのだろうなあと、当然のことではあるが、日中の五輪報道のスタンスにおける違いを感じさせられた。

その後の世界を巡る聖火リレーに関する報道についても、中国のインターネットメディアと日本側の異なる方向性は明らか。ただ、いずれにしても、これまでのオリンピックとは全く異なる、異様な空気の中で行われる大会であり、そして本当に様々な意味で注目されている大会なのだと実感した。

そういえば、今回の日本滞在を通じて、日本における「反“中国食品”感情」というのも相当なものだと良くわかった。日本にお住まいの皆様なら「何をいまさら」という感じだろうが、ここ北京で生活していると、例の「毒ギョウザ事件」を始めとする中国食品に関する日本側の動きについては非常に疎くなる。

各スーパーやレストランのあちこちで、「当店では中国食品を扱っていません」という張り紙を目にした。知人や友人に会うたびに「大変な国にいるなあ」と半ば同情のような声をかけられる。

日本の消費者がかなり中国食品に対して過敏になっていることを改めて知ることができた。恥ずかしながら、これは中国からネットメディアをウォッチするだけでは知ることができなかったことである。

大阪にある中国食品専門のスーパーは閑古鳥が鳴いていて、「お客さんが激減した」という店員の悲鳴も聞こえてきた。中国で生活している我々からすると、非常にさびしい思いもあるのだが、事が食品に関する事件だけに、これもやむをえないことだろう。

北京五輪はあくまでスポーツ大会であり、それ以外の要素をあまり強調しすぎるのは危険だと筆者は考えている。だが、それでもやはり、五輪を機に、食品を含めた『対中国感情』が少しでも良くなることを願わずにはいれない。北京五輪に向けた「食」「環境」といった日本の人々が大いに興味を持つ事項についても、今後、出来る限り、現地の生活者の立場から、発信していこう・・・・そう改めて決意を固めることができた日本滞在であった。

posted by 朝倉浩之 |17:18 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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2008年02月15日

国営放送局で五輪記者の公開オーディション

少し内輪ネタを。
私が籍を置いている中国の国営放送局では今、「五輪記者オーディション」が行われている。
これは、全ての中国人スタッフを対象にしたオーディションで、私の同僚も、アナウンサー、記者はもちろん、日ごろはインターネットの管理などをしているスタッフまでも、大挙して、「受験」しにいっている。

内容は、筆記試験と面接の2つ。2日間に渡って行われ、120人の参加者のうち、筆記試験を通った80人と『特別推薦』の10人、計90人が面接に臨んだそうだ。

イベントの取材記者を筆記試験で選ぶ・・・というのは、日本ではとても考えられないが、『科挙』文化の中国では、試験が何よりも公平・・・という観念が残っているのか、今でもよく、何でも試験で決める、ということがある。

さて、その筆記試験の内容だが、参加したスタッフに聞いたところでは、前半がオリンピックに関する基礎知識で、続いて、取材の具体的な実践に関する問題、そして最後がなんと『英語』によるレポートだったそう。

ちなみに、『基礎知識』は
・	オリンピックの3大理念は何?
・	五輪テーマ曲の作者は?
・	陸上100mの世界記録保持者の名前とその記録は?
などという問題。

続く、「取材の実践問題」は

・	五輪期間中、イランの女子重量挙げチームの選手とショッピングセンターで出会った。あなたは何を質問しますか?
・	水泳で最下位でフィニッシュした南アフリカの選手がいる。どのような取材をしますか?
・	3人のアスリートを招いて、番組を制作する。誰をゲストにしますか?
 と、ある意味「実践的」な問題が続く。
スポーツ取材を続けている私からすると、インタビューの内容なんて、その場で、実際に会ってみないと分からない・・という気がするのだが、(相手の雰囲気や話しぶりなどで取材の内容は全く変わる)『取材適性』を筆記試験で試そうとするならば、こういった問題しかないのだろう。

ちなみに、今日は面接が行われ、例のギョーザ問題や、各国のチームが日本で事前キャンプを張ろうとしていることについて、意見を求められたそうだ。その点では、なかなかの時事問題が出ていると思う。

他の国営メディアでは、どのように記者を選抜しているのか分からないが、少なくとも、これまで全くスポーツ取材を行ったことのない人までを選考の対象にするということはないだろう。

ただ、私自身は、こういうやり方もまた、面白い取材ができるのかもしれない・・・などと、積極的な方向で捉えている。8月の本番では、こんな「適性試験」を経た現地の中国人記者がオリンピックを取材する。もちろん、日本からの記者の記事も大切だが、そんな彼らの地元発信記事もなかなか面白そうである。

posted by 朝倉浩之 |17:51 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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2008年02月10日

期待はずれの五輪廟会・・・

中国は今月7日から、旧正月『春節』の連休に入っている。

この春節の過ごし方には色々と伝統的なものがあるが、最もメジャーなものは「廟会(ミャオフイ)」に行くというものだろう。日本語では『縁日』と訳されており、市内の各公園などで、中国伝統の食べ物や工芸品などを売る屋台が並んだり、獅子舞や龍踊りといった伝統芸能が披露されたりという『お祭り』である。

人々もお祭り気分で、財布の紐も緩むため、商売人にとっては絶好の機会。各廟会には、無数のお店が軒を連ね、大声で呼び込みを行っている。廟会自体の数も、年を追うごとに増えており、私が知っているだけでも、北京市内では20箇所以上で行われている。

さて、今年は北京市民が待ちに待ったオリンピックイヤー。当然、この廟会も、オリンピックにちなんだものが多くなっている。私はこの『3が日』、『廟会を通じた五輪ムードの高まり』を取材しようと、5ヶ所の廟会を回った。旧正月前は「廟会の見所」のような宣伝記事が載るのだが、今年は何と言っても『オリンピック』が全体を貫くテーマだと口を揃える。

このうち、映画「紅楼夢」の撮影の舞台となった「大観園」は、入場門の前に五輪マスコットの福蛙(フーワー)の巨大人形が並び、オリンピックマークも各エリアに並び、「五輪イヤーならではの廟会」を演出していた。

さて、場内には「オリンピック体験ゾーン」なるものが設けられ、私も「どのように体験できるのか」と期待を膨らませて、入っていった。だが、体験ゾーンで行われていたのを見て、がっかり・・・。ここでは、例のゲーム機Wiiの『ニセモノ』と自転車マシンが置かれ、子供達が、さまざまな「オリンピック競技」の“疑似体験”に励んでいた。春節前に大々的に宣伝が行われていた「オリンピック競技の体験」ってこういうことだった・・というわけだ。ゲームについては、時間制限が設けられており、一回5元(75円)で「思う存分、体験を」というわけだが、もう少し他に企画はないのかとがっかりした。その周囲には、オリンピック施設や競技の紹介などがパネル展示されていたが、誰も見向きもしないし、見る価値もあまりない。

実は、私が訪れた5つの廟会はいずれも北京五輪を大きなテーマとしている・・と銘打ったものだったのだが、残念ながら、「それほどでもなかった」というのが正直なところだ。はっきりいって、『お金儲け』の最大の機会である廟会において、「五輪ムードの高揚」などお金にならない・・・ということだろう。

いやいや・・北京市民は毎年の『食べて、飲んで』の楽しみである廟会に五輪ムードなど別に期待していないのかもしれない。だが、「2008年ならではの廟会」に期待して、訪れただけに、何となく残念・・と思ったというわけだ。

以下のAFP通信の記事によると、市内の竜潭公園で、五輪に関する催しが行われ、好評を得ているということだ。

http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2347631/2605336#blogbtn

スポーツの話題が少なくなる今、五輪に関するちょっとした話題でも・・・と思い、このコラムを書いているわけだが、「行ってみたら、宣伝ほどでもない」という中国でよくある催しでないことを祈りながら、明日は、竜潭公園に足を運んでみようと思う。

posted by 朝倉浩之 |16:45 | スポーツコラム | トラックバック(2)
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2008年01月26日

3日遅れの・・・御礼!1周年!!

ブログ開設1周年!!

2007年1月23日より、このスポーツナビのセレクトブログにて、記事を発信しはじめてから1周年を迎えました。

これもひとえに、メール等を通じて、励ましの、そして時には手厳しい“声援”を送ってくださった皆様のおかげです。また日中双方の各メディアの皆さんからも、多くの支援をいただき、これも大きな励みとなっております。改めて、愛読していただいている皆様にお礼申し上げます。

中国のスポーツ事情という、決してメジャーではない分野を扱ってきましたが、オリンピックイヤーを迎え、にわかに、これがホットな話題となりつつあります。

筆者は中国メディアに席を置いていますが、決して、記事の執筆を専門としている記者ではありません。このブログは、あくまで個人の立場で、しかし記事には責任をもちながら、中国スポーツに興味をもってらっしゃる方に少しでも詳しい現地情報をお送りしたいという思いの中で、運営しているものです。

今後は、北京五輪に焦点を据え、日本のメディアでは伝えない視点から、中国スポーツの面白さをより熱くご紹介できるよう、頑張ってまいります。

引き続き、「スポーツCHINA」をよろしくお願いいたします!

なお、筆者はスポーツナビ本体にて、北京五輪に関するコラムを月に1度執筆しております。また中国情報の大手「中国情報局」では、中国アスリートの素顔を紹介する「中国スポーツ偉い人列伝」を連載しております。そちらもあわせて、ごらん頂ければうれしいです。

posted by 朝倉浩之 |12:57 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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2008年01月18日

北京から農村への旅・・・変化を続ける北京とのギャップ

ここ数日、所用で北京を離れた。

行き先は山東省の省都・済南市からバスで1時間半のところにある村で、典型的な「中国の農村」。まさに中国政府が掲げる「三農政策」の対象となる「鄙びた農村」だ。

この村には、実はこれまで2度訪れたことがある。3回目の来訪となった今回は、そこに3日間滞在した。

20平米ほどの庭を囲むように平屋が建つ北京の「四合院」に似た作り。さすがに電気は通っているが、下水道はなく、水は週に一度、土曜日に『解禁』される井戸水をくみ出して使う。当日は、家族そろって、井戸水をバケツに汲み、家に備え付けの大きなカメに移す。『飲み水』と『洗浄水』は分けられており、それぞれのカメを用途に応じて、使い分ける。もちろんガスも通っておらず、カマドに炭を焚いて、料理をする。日中も、炭は絶やさず、やかんの水を沸かし続け、沸いた湯は保温ポットに移して、炊事などに使う。もちろん、シャワーなどはないから、夜は、そのお湯を使って、体を拭いたり、顔を洗ったりするわけだ。ちなみに、トイレは庭の奥まったところに、コンクリートで溝のようなものが作ってあり、そこで済ます。毎日、糞尿がたまるのだが、それは家族の一人が水で洗い流すのだ。うまく出来たもので、壁を隔てたトイレの隣には豚を飼っており、それを送り込んで、彼らが『処理』する。

都会生活に慣れた私にとっては、“不便”なことだらけのこの村で、私は3日間を過ごし、北京―済南間を3時間半で結ぶ高速列車(新幹線と瓜二つの車体をしている)に揺られて、北京に帰る最中にこの文章を書いている。

一方で、その北京は、8月に開かれる北京五輪に向け、変化を続けている。超高層ビルが次々と建設され、地下鉄が開通して、交通ネットワークが出来上がっていく。バスの車体は新調され、英語が併記された真新しい看板が次々と取り付けられる。公共料金の価格や公共サービスの仕組みなども目まぐるしく変わる。街はどんどん便利に、合理的になっていく。8年前に初めて北京を訪れたときには、まだまだ『矛盾だらけ』だった北京が、あっという間に東京や大阪で暮らすのと変わらないくらいになりつつある。

一方で、先ほどの『張李村』は初めて訪れた5年前と、生活はほとんど変わっていない。便利にもなっていないが、不便にもなっていない。おそらく、電気が通ってテレビが見られるようになった以外は、何十年も変化がない村なのだろう。

私はここで、炭火で沸かしたお湯が、都会の温水器のそれと全く異なる温もりを持つことを知った。庭で飼っている鶏で作った『とり鍋』を頂き、本物の鶏の味を知った。近所の人たちが頻繁に訪れ、声を掛け合う近所づきあいの人情も体験した。美味しい野菜も豊富にあり、食生活の豊潤さは北京や日本とは雲泥の差だ。だから、この村の生活を“不幸”だとは決して思わない。むしろ、「本物」が味わえる贅沢な場所だと思う。

だが、それを認めた上で、やは矛盾を感じる。下水道がなく、水道も満足に使えず、ガスも通らない地域が、この北京からわずか4,5時間のところにあるということに、今の中国の不思議さを感じるし、それがこの国の矛盾でもあるのだろう。

街づくりを徹底して行っている北京と異なり、この村に対して、政府は全く関心を寄せていないといっていい。道路を整備するのも村民が身銭を切らなければならないし、都会に送られる農産物は徹底的に安く叩かれる。多くの農家は、結局、作物では生活していけず、近くの工場などに働きに出る。そして、自分の土地には『杉』を植える。成木になった時点で木材として売り払うというわけだ。これなら、成長するまで法っておけばよい。おかげで、村の農地は、ひょろりとした杉の幼木が立ち並んでいる。ここが元の農地に戻ることは永遠にないだろう。もし全ての農村が、作物をあきらめ、木材業に走ったとしたら、この国の13億の人口をどう支えていくのだろうと心配になる。それでも村の人たちは、“次”に裕福になれるのは自分達だと信じて、北京と莫大なインフラ整備のために、税金を払い続け、わずかな農作物を安価に都会に送り続ける。

今年の北京五輪は非常に待ち遠しい。最新の装いに生まれ変わっていく北京の様子を眺めるのも楽しい。だが、その影で、完全に発展から乗り遅れた、そして、現代化の進んだ日本からはとても想像できないような社会インフラの中で生活している地域があることは事実だ。そして、むしろ北京のようなところが稀で、こんな「張李村」のようなところ、いやそれ以上に困難な地域がほとんど、というのが現実である。

北京五輪後、北京の整備につぎ込んでいた投資を今度は地方に回せるのか・・いや、果たして、五輪後に、それに回せる経済力が残っているのか・・・もし、そのツケをまた地方に押し付けるようなことになれば、それこそ、この国で何が起きるか分からない・・・。

まるでタイムマシンのように『現代』に向かって走り続ける高速列車の中で、私は、そんなことを考えた。

posted by 朝倉浩之 |17:50 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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2008年01月01日

新年のご挨拶・・・今年、皆さんに伝えたいこと

新年明けましておめでとうございます。

ここ北京は旧正月が本格的な正月ということで、元旦の今日は、特に正月気分もなく、淡々としたもの・・・。そんな中国の正月をすごすのは、4回目になるが、年を越して、身も心も改まる日本の正月が、やっぱり懐かしい。

さて、この本ブログ「スポーツCHINA」も間もなく1周年を迎える。自身の取材や資料収集の記録のために細々とブログを書いていたが、スポーツナビ様から声をかけていただき、ここ専門家ブログの一員に加わることができた。

現在は、数多くの日本のスポーツファンだけでなく、中国のスポーツファン、中国メディアの方にも読んでいただいているということで、ブログに記事を書き続ける励みになっている。

またこのブログを媒介として、多くの出会いがあった。また多くの方から、助言やご意見、激励の言葉も頂いた。ここで改めて、御礼を申し上げたい。

ありがとうございます。

中には、耳の痛い意見や、やや心無い書き込みなどもあったが、電子メールで頂いたものについては、出来る限り、真摯にお返事を書き、それが縁で、以後、情報交換を出来る間柄となった方もいる。

さて、今年2008年はいよいよオリンピックイヤーである。この中国でスポーツ取材をしようとやってきたときは、正直、オリンピックなどまだまだ、という気がしていたが、本当に時の経つのは速いもの。私自身にとっても勝負の年であり、気を引き締めていかねばと気持ちを新たにしている。

私は、今年いくつかの取材方針を持っている。


一つは、現在開催中のプレ五輪『グッドラック北京』の取材を続け、各競技場の設備面、運営面、そしてその問題点について、検証、レポートしたい。当初は、会場の日本人記者は「私一人」ということも多かったが、徐々に大会が注目を集めてきたのか、日本から派遣された多くの記者が会場にやってくるようになった。日本で一貫して取材を行ってきた彼らに、日本選手取材や結果記事で、敵うわけがない。

だが、この中国で、一般の団地の中で生活し、一般の中国人とともに仕事をしている『生活者』である私ならではの記事というものがあるはずだ。それを探求しながら、プレ五輪開催を通じての、北京の準備状況をお伝えしたい。


第二は、一見、スポーツとは無関係に見えるが、北京そのものの発展や変化がわかる様な記事を書いて、皆さんに提供していきたい。北京の町並みは、今年8月に向けて、ダイナミックに変化を続けている。その『変化の空気』を感じ、言葉にしていきたい。

スポーツナビのブログはスポーツ記事に限るというのは原則だが、北京五輪を控えた北京そのものの記事はことごとく“スポーツ記事"足りうると思う。その枠内で書ける北京情報をブログを通じてお送りしたい。また、今年、オリンピック期間中、もしくは開催前に、北京を訪れる方の一助となるような情報もお届けできればと思う。


第三は、オリンピック期間中の取材である。先ほども言ったように、日本から数多くやってくるスポーツ専門記者の方に対して、ここ中国で生活をしている私が、一般のスポーツ記事で勝てるわけがない。

だから、私は、大会そのものに限らず、その周囲にある『北京という街』、そして『北京の人々』にスポットを当てて、取材をしていきたい。

大会期間中は、世界中のアスリートたちが集い、ここで最高のパフォーマンスを見せてくれる。当然、試合そのものに全世界の目は集まる。だが、この大会が、私たちの隣国である中国の首都、北京で行われていることを忘れてはならない。様々な意味で、日本と複雑な関係を持ち続けている中国で、今、この大イベントが行われることの意味は何なのか・・・この『出来事』を一般の中国人はどう見ているのか・・・その素顔が見えてくるレポートが出来るようにしたい。



以上、3つの抱負が、打ち上げて終わる『ロケット花火』にならないよう頑張りたい。私はもともと、映像の世界で育ってきた人間だ。文章で伝えることの難しさは、今もずっと感じており、苦しみもがきながら、パソコンのキーを叩いている。ただ、ここから発信するニュースが、一般の日本メディアが発するものと一味違ったものとなり、皆さんの中国への理解の一助になれれば、こんな幸せなことはない。

2008年という年は、中国人にとって、間違いなく、永遠に忘れられない年となる。この数字は永遠に彼らの心に刻まれる。その一日、一日を、現地の生の空気を吸っている『伝え手』として、丁寧に、誠実に、伝えていきたい。

posted by 朝倉浩之 |08:08 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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2007年10月19日

北京五輪「現地に直前入り」に疑問あり

来年の北京五輪に向けて、スポーツ界の動きも活発になっている。続々と代表選手も決定しているし、大会にいかに臨むかという計画も具体的になりつつあり、オリンピックの開催を心待ちにするスポーツファンの一人として、心躍るものを感じる。

だが、少し気になることがある。

日本の男子柔道は、来年の北京五輪の際、各試合の3日前に北京入りする方針を固めた。斉藤仁監督によると、男女各1階級ずつ7日間かけて行われる試合にあわせ、試合までは日本で練習し、直前に「日替わり」で北京入りするというのである。

そういえば、先日は水泳のイギリス代表選手が大会直前まで現地入りしない、との方針も伝わった。

各体育協会に取材したわけではないため、その理由については推測するほかないが、今、世界的な関心事となっている「大気汚染」の問題はその一つだろう。

今年8月の野球のプレ五輪では星野JAPANが「マスクとうがい薬」の“重装備”で北京入りしたし、10月のバドミントンの大会には、健康への影響を恐れ、日本代表など、各国が参加を見送った。

実際、北京に住んでいる我々は、普段、マスクをしないと外出できないようなことはないし、大陸性気候の乾燥のため、喉がガラガラすることはあっても、空気汚染が原因で病気になったという人も聞かない。

ただ、空気は目に見えない。だから、空気がどれだけ汚れているかを知るすべも、科学的な調査によるほかない。ゆえに、現地に住んでいる我々が「何を大げさな」と思っていても、そう考えている我々が間違っていて、実際には汚染された空気で体を蝕まれているかもしれない。だから、それらの判断を安易に笑うことはできない。

そして、当然のことながら、今後、大会に向けて、中国は国家を挙げて、この環境対策に取り組まなければならない。国際規模の大会を行うためには国際標準の環境が必要なはずである。

「直前入り」の理由が、もし大気汚染によるものならば・・・もちろん、選手たちの健康は何より大切であり、ここまで大気汚染問題が騒がれている以上、それを理由に、現地の「自然との闘い」を避ける事は、決して責められない。単なる憶測だけというなら問題だが、何らかの現地調査を行った結果から出した結論ならば、それは尊重に値する。

だが、その理由がそれだけでなかったら・・「直前入り」の判断をした彼らの中に、「開催都市がどこであろうと、どうでもいい」「結果さえよければ、開催場所には無関心」と目隠しをしながら、北京に入ろうとする意識があったとしたら、私はその決定に反対する。

オリンピックが単なる競技大会ではないことは自明のことだろう。多分に理想論ではあるが、オリンピックの目的は金メダルを追い求めることのみに留まらないと思う。オリンピック精神を掲げ、スポーツに対する様々な理想が詰まった大会だからこそ、アスリートにとって、他の世界選手権やワールドカップとは別格のものと位置づけられているのではないか。


アーチェリー日本代表の池田幸一監督が、北京での試合に臨んだ際、こう語っていた。
「我々の合言葉は“自然と闘おう”。大会が行われる国の気候、風土、食事、町の環境・・全てが大会のうちなのだ。」

 アーチェリーの選手たちは、北京五輪の際も、早めに現地入りし、また少量の日本食を持ち込む以外は、基本的には食事も現地のものを食べる予定だという。もちろん、自然条件が結果を大きく作用するアーチェリーならではの特性もあろう。だが、池田監督の言葉は、スポーツそのものの本質を示すような気がするのだ。

 アスリートの素晴らしいパフォーマンスは、単に日ごろのトレーニングだけから生まれるわけではない。競技が行われる町の「自然」や「風土」と戦う・・逆に、それらを味方につけてこそ、一流の選手との競争でナンバーワンとなれる。また、その地域の人々の歓声に包まれながら、競技をしてこそ、最高のパフォーマンスが生まれるのだと思う。

それが面倒だというのなら、五輪も毎回、同じ場所で開催したほうがいい。選手にとっては、滞在場所や食事で悩む必要もないし、運営もその方がスムーズにいくだろう。だが、オリンピックの面白さは、毎回、異なる町で行われ、選手たちは、その町全体と一体となって戦うこと・・・競技をとりまく、その町全体が“オリンピック”そのものとなるという点だと思う。

やみくもに理想論だけを振りかざすつもりはない。選手たちが金メダルを取るために、どれだけの思いで練習を重ねているかを想像すると、「金メダル至上主義」を簡単には否定できない。

そして、確かに「地の利」を生かして、東京から北京の競技場へ直行して競技に臨めば楽だろう。勝利だけを求めるならば、その方がいいことは素人の私にも想像がつく。だが、北京五輪の意味は、ただそれだけなのか。ただ単に、オリンピックが行われる場所が、東京ではなく、たまたま北京だったというだけで本当に良いのだろうか。

オリンピックを控え、今後、「直前入り」は一つの“流行”になりそうな趨勢である。一方、仮にアーチェリーのような考え方に対しては「無謀なやり方」と捉えられかねない。だが、オリンピックの、いやスポーツの大会は、その都市やそこに住む人々と一体となっているからこそ面白いのだ、ということも決して忘れないでほしい。



posted by 朝倉浩之 |16:01 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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2007年10月02日

伝説の名馬「汗血馬」に触れる・・・

連休2日目の10月2日。私は北京郊外にある「燕竜国際馬術クラブ』に足を運んだ。何でも、世界に3000頭しか生息しない幻の名馬「汗血馬(かんけつば)」が、大型連休中、公開されているということで、ぜひ一目・・というわけだ。

『汗血馬』というのは、中国の歴史に興味のある人なら、小説などで目にしたことがあるだろう。歴史上の名馬といわれた馬の種類で、「血のような汗を流して走る馬」という意味で、『汗血馬』と呼ばれている。

1日に1000里(500キロほど)を走るといわれる驚異的な耐久力が特徴である。司馬遷の『史記』には、前漢の武帝時代に、この汗血馬を手に入れるために、西域へ遠征軍を送ったという記述もある。かのジンギスカンも愛用したそうだ。

『汗血馬』の原産地は現在のトルクメニスタン。現存する3000頭のうち2000頭は今もそこで飼育される。「国の宝」とも言われていて、国旗や貨幣にも使用されているそうだ。(中国で言うパンダと同じだろう。そういえば、パンダの国内生息数も2000頭というのを聞いたことがある)

そして、中国には、以前、政府首脳に寄贈された2頭がいるのみだったが、今回、北京市内の企業が3頭を買い上げ、それが披露されるというわけである。

北京中心部から郊外行きのバスに揺られて約40分。そこから、さらに中国名物の「三輪車」に乗って5分。燕竜国際馬術クラブに到着する。

ここでは午前と午後、2回に分けて、それぞれ1時間半ずつ、汗血馬が披露される。午後の部は15時から。中庭にナイロン紐で囲みがしてあって、そこに汗血馬がやってくるという。

そして、15時ちょうど。飼育小屋から、汗血馬が係員に引かれて、颯爽と登場した。いや、確かに素晴らしい馬だった。まず登場したのは、「サファリ」と名づけられた2歳半のメス。黄金色の毛並みは太陽に照らされて美しく輝き、その滑らかな表皮は、まるで金粉を撒き掛けたようであった。

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黄金色の汗血馬『サファリ(2歳半・メス)』


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「展示場」には、この汗血馬を一目見ようと、家族連れやカップルなど100人あまりの北京市民が訪れていた。先月22日には、北京市内の施設で「お目見えイベント」が開催され、大観衆が訪れたのだが、今回は、実際に『触れる』ことが出来るのだ。郊外で交通が不便なところにも関わらず、昨日の大型連休初日には、この倍以上の人々がやってきたという。

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この日も『幻の名馬』を一目見ようと大勢の人がやってきた


訪れた人たちは、囲みの中で、悠然と構える幻の汗血馬「サファリ」を手でなでてやったり、一緒に写真に収まったりして、楽しんでいた。

続いて、黒光りした毛並みが美しい2頭めの汗血馬も登場。このクラブで飼育されているのはオス1匹とメス2匹。市民との触れ合い?を楽しんだ。公開時間の1時間半が終了すると、馬たちは悠々と、その美しいたてがみを揺らしながら、また飼育場に帰っていった。

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私は実際、馬のことは素人ではあるが、そんな私でも、この馬の背中から臀部にかけての美しい曲線、そしてスックと伸びやかに立った脚部を見ると、素晴らしい馬だということは、何となく分かる。

この馬に『乗ることは出来るのか?』と聞くと、「汗血馬に乗ったことがある人自体が中国では5人に満たない」という。貴重すぎて乗れないのか、はたまた現代では乗馬には適さないのか、詳しいことは良く分からないが、この『金色のサファリ』もまだ調教が行われておらず、“中国語も分からない”ため、乗馬には適さないそうだ。

また『血のような汗』というのも、この程度の動きで、汗が出るわけもなく・・?見ることが出来なかった(笑)。

いずれも1000万元(1億6000万円)の値がついており、金色のサファリは長春の馬術場へ。また他の2頭は、それぞれ個人や団体に引き取られることになっているという。

かつては、この馬を得るために、戦争まで起こしたという汗血馬。しかし、今は平和的に?中国にやってきて、一般市民のと触れ合うことができるというわけだ。汗血馬は今月7日まで、この乗馬クラブで目にすることができる。

ちなみに、ここは『スポーツブログ』なので、スポーツ的なことを付け加えておきたい。今、北京では富裕層を中心に『乗馬を楽しむ人』が増えていて、郊外を中心に10箇所以上の乗馬クラブが作られている。訪れた日も、子供から大人まで、多少嗜んでいる人から、全くの初心者まで、屋内の馬術場で、乗馬を楽しんでいた。料金は、一時間210元(約3000円)。中国の物価からすれば、決して安くないお値段で、実は私も手が出ない・・。

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気軽に?乗馬を楽しめる屋内乗馬エリア



posted by 朝倉浩之 |23:38 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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2007年09月11日

女子サッカーW杯、新聞報道に疑問・・・ロジカルに冷静に批判を。

女子サッカーW杯が中国で開催されている。昨日の開幕戦に続き、今日は優勝候補のアメリカ、そして「なでしこJAPAN」が登場し、いよいよ大会も本格化してくる。

さて、この大会に関して、日本の各メディアも積極的に報じているが、一つ、気になる記事を見つけたので、問題点を指摘したい。これは昨日の開幕戦の様子などを伝える産経新聞の川越記者の記事「五輪大丈夫?お粗末対応次々…サッカー女子W杯、上海で開幕 」という記事である。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/sports/soccer/83759/

私は同じ情報の『伝え手」として、あまり他人の記事を批判したくはないが、この記事を読んでいて、大きな疑問を感じた。それは、この記事の言う「お粗末な対応」とは一体、何だろう・・・という記事全体に対する疑問である。恐らく、記事の最後の「大会組織委員会は早くもお粗末な一面を露呈した。」から始まる次の箇所だろう。

「10日、開幕戦に出場するドイツの男性スタッフがボールなどの用具を徒歩で運び入れようとしたところ、係員に制止された。英語での意思疎通もままならず、「車を利用しなければならない」の一点張り。車が用意された後もしばらく足止めを食ったスタッフは助手席で、あきらめ顔で首をすくめていた。」

という部分であろう。まず、この記事を読んでいる限り、これは「言葉の壁」による意思疎通の不足によるもの、としか思えない。恐らく、運営側の何らかの規則があったのだろう。それが言葉の違いにより、伝わらなかった・・・という”事件”である。

もちろん、用具の運びいれは出来る限り、迅速に行われるべきであり、これを制止して、足止めをさせられたことは、チーム側にとって、あまり気分のいいことではなかったろう。だから、ドイツのスタッフは「あきらめ顔で首をすくめていた」のだろう。だが、運営側にも、それなりの『やり方」があり、それが言葉の壁により、伝わらなかっただけ・・少なくとも、この記事では、その事実しか見えたこない。もちろん、もっと複雑な事情があるかもしれないが、川越記者はその点を明確に示していない。

しかもタイトルは「お粗末対応、次々・・・」となっている。

だが、一体どこが『次々』なのか・・・。記者として、批判記事を書く以上、言葉は厳密に使うべきだ。『次々』と書いたからには、複数の『お粗末」を書くべきだが、この記事のどこをみても『次々』がない。昨日、開幕したばかりの大会で『次々とお粗末・・・』が、一体どの時点で現れたというか・・・。

私はこの中国でスポーツ取材をし、中国スポーツの面白さ、魅力を伝えるとともに、『問題点』は問題点として、伝えていきたいと思う。別に中国にいるから「中国万歳!」になるつもりはない。

だが、この記事のように、いたずらに、中国側の運営の『不備』を煽るような記事に対しては、大きな違和感を覚える。しかも、タイトルの『センセーショナルさ」に対して、記事内容が全く対応していない。これが、個人のブログなら全く問題はないが、『全国紙』を名乗る新聞が、インターネットを通じて、世界に発信している記事だとすると、スポーツマスコミとしての見識を疑う。

記事は、公平に、そして論理的に、冷静な立場で書くべきだ。そして、伝え手の基準は「中学生に分かる」よう、その意味に納得感があるように書くべきである。批判するのは、もちろん大切だが、「なぜ批判するのか」を納得できるように説明しなければ、まともな記事とは思えない。

中国という国に対する様々な世論があることは分かる。「五輪大丈夫?」と言いたいのも分かる。

だが、少なくとも、きちんとロジックを立てて報道をしてほしい。そして、堂々と、来年オリンピックを控えた『お隣の国』について、意見を交わしていけばいいと思う。



posted by 朝倉浩之 |22:28 | スポーツコラム | トラックバック(1)
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2007年08月08日

美しき五輪水上公園、だが??も

順義区の町はまさに五輪ムードに包まれているという感じだ。

等間隔に並ぶ街灯には、みな「好運北京(グッドラック北京)」の旗がはためき、町のあちこちには、ボランティアセンターがある。整備された広い道路は、まだ真新しい。ここを「オリンピック専用バス」がひた走る。

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オリンピック「専用線」。20分の行程で運賃は1元(約16円)


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会場周辺はよく整備された真新しい道路が広がる


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オリンピック水上公園に到着。北京からは約45キロ離れる郊外だが、空港からは非常に近い。ここでは、来年の本番ではボート、10キロ遠泳、カヌー・スラロームが行われる。五輪関係で新しく作られる施設の中では最も広く、敷地面積は162・59ヘクタール。ボートのレースが行われる人工池の長さは2270メートル、幅162メートル、深さ3.5メートル。隣には、カヤックコースもある。

緑豊かな、まさに『水上公園』で、またボート競技という性質からか、西洋からの人たちが多く、何かここだけ中国ではないような「開放的」なムードが漂っている。あちこちで英語が飛び交い、万国旗がはためいている。おそらく来年の五輪の時は、こんな国際的な雰囲気が北京のあちこちに生まれるのだ・・と実感する。


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昨日から開幕した今大会だが、現在は予選の真っ最中。結果については後ほど、レポートしたい。ちなみに日本選手団も参加している。

いくつか気になった点があるのだが、一つは、メディア向けのトイレ。一般の観戦客の皆さんには関係ないことかもしれないが、中に入ってびっくり・・例の『ドアのないトイレ』・・というか、便器が横にいくつか並んでいるだけという「囲いのないトイレ」である。これを見て、デンマークからきたメディア関係者が驚いていた・・。メディア向けのトイレだけに、各国からの人々が利用する。少し『汚い』話だが、あえて提議したい・・。こんな『開放的』はやめたほうがいい・・・。

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ただ観客用のトイレはちゃんと「ドア付き」なのでご安心を


もう一つ驚いたのが、チケットだ。チケット売り場がしまっていて、何人かの市民が文句を言いながら帰っていくのを見たのできいてみると、11日までの大会チケットは全て「売り切れ」だという。しかも23日から始まる別種目のボート競技も、開幕初日の午前の部は売り切れ・・。何でも、開幕3日前にすでに売り切れたというのだが、会場は写真を見れば分かるようにガラガラ。

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スタンドはがらがらの状態


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だがチケットは売り切れで、係員もいない。23日以降の別種目のチケットのみ夕方から販売を始めるとのこと・・・


前回の「テコンドー世界選手権」の際に指摘したことだが、やはり多くのチケットが一般に出回らず、あちこちに(企業等なのだろうか)にばら撒かれているのだろう。人気競技ならまだしも、ボートは・・・という感じで、それを受け取った人も、実際に足を運ぶ人は少ない・・だからガラガラ、なのでは、と推測できる。(完全な推測だが・・)



いずれにしても、席がまだまだある状態で、せっかく楽しみにしてやってきた市民を追い返してしまうという状況は、はっきりいって最悪である。

このプレ五輪、そして来年の五輪本番で最も大切なことは、もちろん金メダルを多く取ること・・であってもいいのだが、それとともに、多くの市民が一流のスポーツに触れ合い、一部の『選ばれたもの』だけの『特権』となっているスポーツの位置づけを変化させることであってほしい。

だが、スポーツを見ることができる人は、何らかの人脈を持っている人に限られるとすれば、やっぱりスポーツが「特権』であり続けることになる。果たしてこんなことでいいのだろうか・・・。

それはともかくとして・・

さあ、まもなく、天安門広場でのメインイベントが始まる。今日8月8日、五輪一年前イベントのクライマックスだ。中国が威信をかけて臨む世紀の大イベントに向けてのカウントダウンのスタートである。








posted by 朝倉浩之 |19:28 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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2007年08月08日

五輪一年前・・・あっ晴れた!今日一日の動き

いよいよ8月8日がやってきた。

北京五輪は来年2008年8月8日午後8時に開幕する。この「1年前」の節目の日に、オリンピックに向けて、北京がにわかに動き出したような気がする。

ここ数日、どんよりした曇り空、時折地面をたたく雨。だが、中国は国家を挙げて、この「8月8日」を晴れにするよう「研究」してきた。つい最近、気象関係者が集められて、今年の8月8日を最後の「気象操作」のチャンスと捉えて、気を引き締めて臨むよう、発破をかけたばかりだ。

そして、今日は、日中、さんさんと太陽が降り注ぐ真夏の天気となった。

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青空が広がった当日。建物はCCTV中国中央テレビの局社


恐るべし・・そしてすごい・・中国。というほか無い。だが、年配のある中国人の同僚は、この『気象操作』を「ねじれている・・なにかが・・」と表現した。

ミサイル弾で雲を散らす・・雨を事前に降らせて、雲をなくす・・・さまざまな『気象操作』の方法が話題に挙がったが、今回、中国がとった方法が『功を奏した』のか、それとも『たまたま運がよかった』のか。

いずれにしても『晴れた』。しかもここ何週間か、ほとんど晴れらしい晴れが無かったにもかかわらずだ。だから、素直に「すごい」と思う・・・。

朝8時。北京西部、地下鉄1号線「軍事博物館」を降りて西側の「中華世紀壇」で1年前イベントが行われた。ここは中国の歴史、文化などの展示が行われる博物館があるとともに、いわば中国の「愛国教育」の中心ともいえる場所。普段は広場のようになっており、すぐとなりはCCTV中国中央テレビの局社だ。ここで「百万市民朝練」なるイベントが行われた。
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数え切れないほどの人々が色とりどりの衣装に身を包んで、石段を埋める。『百万』と銘打つだけある。お決まりの『お偉方』の挨拶に続いて、太極拳の披露。白いユニフォームに身を包んだ中高年の「選手」たちが、数千人はいるだろうか。一斉に太極拳を舞う。この様子は壮観だ。中国らしさの滲み出るイベントだったと思う。


ただ、その周囲に集まった市民を会場に近づけず、警察官が周りを厳重に囲んでいた。警備上の問題もあるとはいえ、もう少し、一般の市民が気軽に参加できるようなイベントにならないものか・・・少し残念な気がした。

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会場に集まった市民


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私は、続いて北京北部の郊外、順義区にある「オリンピック水上公園」で行われるプレ五輪「ボート世界ジュニア選手権(~11日)に足を運んだ。あえてタクシーを使わず、庶民の足であるバスを乗り継いだ。

各国の大使館が並ぶ「東直門」の地下鉄駅を出て、郊外へ向かうバス915路に乗る。揺られること1時間あまり。順義区の市街地に到着。「勝利小区」で下車して、しばらく歩くと、「オリンピック専用バス」の乗り場がある。

先ほどのバスは、いつもの北京らしく愛想のない車掌だったが、こちらは打って変わって、笑顔で車内へ迎えてくれた。しゃべり方もはきはきした女性の車掌さん。もちろん個人の性格もあるだろうが、オリンピックが近づいてきたことの気持ちの高まりもあるのだろう。運賃は1元(16円)。20分ほどでオリンピック水上公園に到着する。バスは大会期間中、毎日朝5:30から夜11:00まで走るとのこと。車内はクーラーもほどよく効いていて、心地よく会場へ向かうことができた。

(続く)



posted by 朝倉浩之 |18:41 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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2007年07月05日

幻の携帯「”五輪”番号」でパニック

本ブログをごらんいただいた方が、のべ10万人を突破した。中国スポーツというきわめて特殊な分野であり、多くの方、というよりも、中国スポーツの現地情報を真摯に求めている方に喜んでいただけるような情報を・・と思って、記事を書いてきた。今後もオリンピックに向け、変化と躍動を続ける中国スポーツを地道に追いかけて行きたい。

さて、今回はオリンピックに関するちょっとした軽い話題をお届けしよう。

中国では携帯電話の電話番号が簡単に売買が可能だ。中国人は特に数字の縁起にうるさく、彼らの好きな数字である「8(お金が儲かるの意の「発財」の発と発音が同じ)」、「9(長くという意味の「久」と同音)」、「6(説明は省くが、物事が順調に進むという意味を持つ音である)」などが数多く入った電話番号は、それ以外のものより、高く売買されることがある。

そんな中、今日の「法制晩報」に面白い記事が載っていた。オリンピックの開幕日2008年8月8日が入った携帯電話番号がとんでもない高値で取引されているというのだ。

その番号は「139 2008―0808」なる番号。最初の139は日本の090みたいなもので、携帯特有の頭番号だが、そのあとが、見事にオリンピックの開幕日となっている。

この番号を「所有」しているのは、天津市のある法人。その責任者、張さんによると、ここ最近、この電話には次々に見知らぬ人からかかってきて、多いときには一日1200本以上になるとか。そのほとんどが「番号を譲ってほしい」というもの。結局、まともにこの電話を使えるわけもなく、昼間のみ電源をオンにしているのだが、この状況はエスカレートするばかり。

そこで、張さんは2007年8月8日、つまりオリンピック一年前にこの番号を売り出すことにした。最低価格は20万元(約300万円)。

この意思表明をして、もう3日たったが、問い合わせはすでに4000件。そして50あまりの個人、団体が買い取り希望を示している。ただ張さんは「この番号は個人のものにすべきではない。オリンピックに関する政府機関や公益団体に販売したい」そうだ。そして、早く、この番号から「解放」されたいのだとか。

ちなみに、この「五輪番号」は、冒頭の番号が130から139まで10個存在する。つまり全国に10人、このラッキーな・・そして少しやっかいな番号を持っている人がいるというわけだ。

posted by 朝倉浩之 |21:39 | スポーツコラム | トラックバック(0)
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