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中国のパラスポーツはなぜ「最強」なのか(1)

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ブラジル・リオデジャネイロで行われていたパラリンピックが閉幕した。筆者も取材者の一人として、片道24時間以上の地球の裏側に渡った。日本選手団はメダル数こそ24個と前回ロンドン五輪を大きく上回ったが、目標としていた「金メダル10個」に遠く及ばない「金ゼロ」という残念な結果に終わった。

 一方で、世界中の耳目を驚かせたのが、中国勢の活躍ぶりだった。金メダル107個、銀メダル81個、銅メダル51個。たった1個の金がとれない日本勢にもどかしい思いをしながら見つめる筆者の前で、まるで「いとも簡単に」他選手を圧倒して、金メダルを取っていく中国勢を見ながら、筆者は非常に寂しい思いを覚えつつ、「当然の結果だろう」と納得をせざるを得なかった。

 中国選手団はこれで、メダルランキングでいえば、シドニーパラの6位を最後に、4大会連続して1位。2012年ロンドンパラでは開催国の英国の2倍のメダルを取るなど、世界中を圧倒してきた。そして今回のリオ大会には、これまでで最多となる308人の選手団を送り込み、世界中を圧倒する成績を残した。

 中国選手団の強さの秘密は一言でいえば「五輪と同じ選手育成システムを採用している」という点であろう。中国のスポーツ選手の育成については、このブログでも何度か言及しているが、簡単にいえば、「村で発掘し」「地域で選別し」「省で育成して国家代表に送り込む」という仕組みで、国家代表チームを頂点としたピラミッド型が形成されている。いわゆる「挙国体制」と呼ばれている選手育成システムである。

 障がい者スポーツについても、実はこれとまったく同じ仕組みで選手育成が図られている。全国津々浦々、電気や水道が通っていないような地域でさえも、地域のスポーツ担当者が足を運び、障がいを持ちながらも高い運動能力を持つ選手を発掘。そして地域の体育学校での育成課程を経て、有能な選手を選別して「省代表」として送り、各省のスポーツ官僚が自らの首と将来の出世をかけて育て上げ、「選ばれたものたち」が国家代表となる。厳しい競争原理が障がい者スポーツでも貫かれており、この「選別の連続」の厳しさに比べれば、パラリンピックを戦い抜くことのプレッシャーはそれほど大きくはないのではとも思ってしまう。

 さらに、国家代表の育成も非常にシステマティックだ。 (続く)



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 大学卒業後、民放テレビ局のディレクターとしてスポーツドキュメンタリーの制作・取材に関わる。2003年から中国にわたり、中国国内スポーツの取材、執筆活動を始める。日本の新聞、雑誌で中国スポーツを紹介する記事を書きつつ、ラジオ・テレビで情報を発信。日本に帰国後、現在も中国スポーツ・文化のウォッチを続けている。


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