2010年02月28日
”お騒がせ”王濛の成長に脱帽~ショートトラック
バンクーバー五輪は大詰め。 ショートトラックスピードスケート女子1000メートル決勝では、中国の王濛が1分29秒213で優勝を飾り、500メートル、リレーに続き3冠を達成した。これにより、女子ショートトラック4種目の金メダルは中国勢が独占したことになる。 それにしても王濛は強かった。 決勝では中盤に先頭に立ち、その後は一気に仕掛けての勝利。かなり重い症状の風邪で、のどの痛みを訴えていて、その心配が影響されていたが、「精神力」と「底力」で1000メートルの栄冠も勝ち取った。 「勝って当然」という自信にみちたしぐさはいつも通り。開幕前から強気な発言を繰り返し、その言動が世間を騒がせてきた王濛だが、この日の試合後は、何か大きなものから解き放たれた・・・ほっとしたような表情も見られた。 2007年の冬季アジア大会では、「勝てなかったのはコーチのせい。代表チームにいても意味ないから故郷に帰る!」と試合直後に言い放ち、囲み取材の記者を茫然とさせた彼女。その後、幹部の前で反省文を書き、朗読させられるなど、屈辱的な処分を受けた。 私も「お騒がせ王濛」などと呼んで、批判の眼差しで、記事に取り上げた。 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/18 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/20 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/45 だが、その後の彼女の変化は、今大会の1000メートルのレース後のインタビューに表れていた。 「きょうの私は精神力以外、何もいいところがなかった」と厳しい自己評価。そして「私の3つの金、あと周洋の金・・・4つの金メダルは決して自分だけのものではない。代表チームみんなで勝ち取ったものだ」 ごくごく優等生的なコメント・・・。他の選手ならば、我々もさほど気にもとめない言葉。だが、“あの”王濛から出てくるその言葉の価値はちょっと違う・・・。 そういえば、あるメディアは以前王濛のコメントの中に以前は「我(わたし)」という主語が多かったのだが、今回の五輪では「我們(わたしたち)」が多くなったとも報じていた。 代表の李琰コーチは「王濛は精神的に大きく成長した。全く別人といってもいい」と言っていた。選手たちに厳しい自己管理を求め、過酷なトレーニングを課すことで知られる李コーチのもとで、バンクーバーを目指した4年間。他の選手・コーチ、スタッフの全てに支えられて、スケートリンクに立っていることを痛感し、それがそのまま、言葉になって、メディアの前で出たのだろう。多くの力に支えられていることを知り、さらに類まれな精神力をはぐくみ、そして天性の身体能力とセンスを磨いた彼女は、本当に強かった。最後は病を押しのけてしまうくらいの気力で滑り切ることができたのも、この4年間の成長があったからこそだ。 これで五輪での金メダル数もかつての女王、楊楊も抜き、名実ともにショートトラックの女王となった。今年24歳。 「次」の方向性が気になる年齢でもあるが、さらに一歩円熟味を増して、進化を遂げた王濛を次の大舞台で見てみたいと願っているのは私だけではないだろう。 王濛(24歳 167センチ・58キロ) 黒竜江省七台河市出身。500、1000メートルの世界記録保持 者。トリノ五輪で500メートルの金メダリスト。世界選手権優勝4度 優勝。
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posted by asa8043 |07:51 |
氷上競技 |


