2010年02月16日
フィギュア「中年の星」中国ペアが歓喜の金
「金」のために復活したペアが遂に成し遂げた。 日本時間の16日、バンクーバー冬季五輪のフィギュアペアのフリーが行われ、SPで世界最高点をたたき出した中国のベテラン申雪・趙宏博組が216.57点で金メダルを獲得。さらにSPでやや出遅れた龐清・トウ健組がフリーでは完璧な演技を見せ、銀メダルを獲得し、中国勢がワンツーフィニッシュを飾った。 一度は引退したものの「金」のために復活したアスリートは決して珍しくはない。「よくあること」と片づけることは簡単だ。だが五輪の大舞台で、本当に「金」を実現させてしまうアスリートが何人いただろう。 私は3年前、かつて彼らが世界フィギュアを最後に引退を表明したあと、「3年後のバンクーバーで奇跡を見たい」と書いた。(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/53) 本当に魅力的なペアだった。だが、正直、本当に申雪・趙宏博組は「奇跡」を成し遂げるとは思わなかった。 「世界一ダイナミックなペア」「テクニック世界最高」・・・かつて彼らの演技はそう評された。だが、トリノでは直前に趙宏博がケガをするなど運に恵まれず、3度の世界制覇をするも、五輪の金メダルには届かず。後ろ髪ひかれる思いで引退。だが「やっぱり五輪の金を」と五輪直前に復帰し、夫婦別れて代表合宿に参加して、今回に備えた。 そして迎えたバンクーバー。4度目の五輪の舞台で、きょうのFPでは、わずかにミスが見られたものの、昨日のSPは完璧な演技。力強さ、しなやかさ、動きのこまやかさ、リズムの良さ・・・全てにおいて、他のペアを圧倒していた。長いブランクを全く感じさせない堂々とした演技を世界最高の舞台で披露したと思う。 引退から復帰を果たし、表舞台に立つことは、とんでもなく大きなプレッシャーを受けることになる。だが、趙宏博と申雪の演技を終えた時の表情は印象的だった。フィギュアに限らず、他の中国人アスリートは何かに追われるような表情で演技をする。13億の国家を背負う、というプレッシャーは我々に想像つかないほど巨大なものなのだろう。だが昨日と今日の申雪・趙宏博は確かに緊張はしていたが、「何かに追われる表情」はみじんも感じさせなかったと思う。まさに五輪の大舞台を「楽しんで」演技をしていた。 晴れ晴れとした表情で、自らの長いフィギュアの歴史で培った動きを一個一個、確かめるように、つま先から指先まで、全てのこまやかな動きに「気持ちを込めて」演技をしている・・・その思いが伝わってきた。まさに中国人アスリートの集大成を見るかのような演技だったと思う。 目標だった金メダルを手にして、二人の今後が気になる。試合後はとりあえず引退を口にしなかったようだが、代表から身を引くことは間違いないだろう。五輪前、封印された夫婦水入らずの生活もしばらくは楽しんでほしい。 だが、その完成された技をひっさげ、改めてプロスケーターとして、我々の前に現れてくれることを願っている。趙宏博は私の同い年で誕生日も一日違い。勝手に親近感を抱いている私にとって、彼は「希望の星」でもある。 「中年の星」スケーターには、まだまだ氷の上が似合う。 二人の紹介はこちら(ただしデータは古い) http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/10 そのほか参考記事 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/81 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/asa8043/article/531
posted by asa8043 |21:29 |
氷上競技 |


