2009年04月26日

「日本に学べ」中国サッカー若き指導者が語る

「パスワーク、個人技いずれも、日本がやっていることは我々の上をいく」

 中国のユース年代を率いる若き指導者、祁宏は23日、トレーニングセンターで行われた日本ユース代表との練習試合のあと、こう語ったという。新波体育の記事が伝えた。

 祁宏は日本の育成段階のチームについて、「まず全体の意識が中国と違う。中国のジュニア年代の代表レベルには、まず自身が目指すサッカーの目標と理念を植えつけなければならない」と語った。

 祁宏といえば、中国スーパーリーグの上海申花、そして国家代表として活躍したMF。非常にクレバーで、ミルコビッチ率いる国家代表でもキラリと光るプレイのできる選手だった。2007年にケガのため31歳で引退したあとは、一貫してユース年代の育成に力を注いでいる。

 その中国のユース年代はかつて、しっかりとした指導者もいなければ、育成の基準も明確でなかった。サッカー協会はトップチームと国家代表のみを見て、五輪と4年に一度の全国運動会の「結果」のみを追い求め、「育成」の「い」の字も垣間見えなかったといってよい。

 一方で、中国のユース年代の身体能力は、日本をはるかに上回る選手が多く、魅力的な逸材が大勢いる。ユース年代の試合に足を運べば、その潜在能力の高さは明らかだ。だが「結果」のみを追い求めてきた中国サッカーは、そのすそ野にある若い世代の育成を怠ってきた。その結果が、年代が上がるほど世界に通用しなくなっていく「先細り」状態。今の国家代表の低迷はそのツケであることは間違いない。

 だが、今の中国ではユースの指導者は決して重視されていないのも事実。祁宏自身も、引退後、いくつかのクラブから声をかけられており、それに応じていれば、かなりの高給が保証される。それをフイにして取り組むユース育成とは、彼にとって何なのだろう。

祁宏はそれについて、たとえ話でこう語っている。
「サッカーは料理と同じ。いくらシェフがすばらしくても、原料と配菜係(材料を準備する人)が悪ければ駄目。僕は優れた“配菜係”になりたい」。

 ここ数ヶ月、中国国家代表は、そのシェフを見つけることで四苦八苦していた。だが、そこにどんな高給をもってして、優れた指導者を呼んできても、彼らに提供する材料(才能ある選手)と彼らを送り出す”配菜係”が悪ければ、“結果”など生まれるはずもない。

そ の中で、若き指導者、祁宏は中国サッカーの希望でもあるだろう。別に「日本に学べ」と言ったからすばらしい、というわけではない。だが、率直に自国のサッカーの育成について問題点を認め、次世代を見ることができる指導者が中国サッカー界に少しずつ増えていることはアジア全体のサッカーの発展を願う一人として、非常に心強く感じる。


posted by asa8043 |15:00 | サッカー |
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