2007年03月18日

女子サッカー混沌、新監督選びへ。W杯まで半年

中国女子サッカーを取り巻くムードが暗い。
アルガルベ・カップのグループ戦で史上最悪の10位という成績に終わり、
9月に自国で開くワールドカップに暗雲が立ち込めてきた。
先週水曜日には、格下のアイスランドにも1-4で敗れ、中国のスポーツメディアも
お手上げ状態といったムードの報道が続く。とにかく、過去2ヶ月、6連敗をし、
徹底的に勝てないのだ。

このアルガルベ・カップは毎年3月に行われ、中国女子サッカーにとっては、
冬場のトレーニングの成果を試す場であり、またヨーロッパの強豪が参加することから
「世界との差」を測る上での絶好の機会となっている。あくまでも親善試合に過ぎないものの、
だからこそ、負けるべきでない相手には、絶対に負けてはならない大会ともいえる。
そんな中での、この惨敗は中国女子サッカーの大きな問題点を提起するものといえるだろう。

かつての中国女子は世界有数の強豪だった。女子サッカーワールドカップの第一回は中国で
行われているし、これまで2度、銀メダルを獲得している。だが、その後は成績も下降気味で、
世界ランキングも10位前後まで落ちていった。2004年アテネ五輪でドイツに0-8で大敗したときは
国内が騒然となった。

この最近の体たらくの最も大きな原因は「指導者問題」である。
これについては、ここのブログ記事でも何度かお伝えしているが、要はここ4年ほどの間に
5人の代表監督が生まれているのである。
最も記憶に新しいのは、前監督の馬良行(ま・りょうこう)氏。心臓病を理由に、突然の休養、そして
「更迭」は現場とフロントの確執が原因であるとして、さまざまな憶測を呼んだ。

去年冬、中国は、現在の男子五輪チーム(U22)を育てたことで実績のあるクラウセンを
チーム顧問として、代表に招きいれ、馬と「二人三脚」でチーム指導を行わせようと考えた。
だが、「両雄並び立たず」というわけで、馬はチームを離れ、その後、クラウセンも突然の帰国。
結局、彼らの下でコーチとなっていた孫海鳴氏が代理監督に就任し、トレーニングを続けた。

そして今回の成績不振。だが、これで王海鳴代理監督を責めることはできないだろう。実際、
あのゴタゴタが何とか収まってから、一月半。その後、エースの王暁旭の欧州行き等もあり、
非常にバタバタとしていた感を否めない。

だが、ここでもまたフロンは動き出した。早くも新監督の招請を明言し、ヨーロッパでの実績のある監督を中心に選出作業に入っている。
確かに、王海鳴氏の指導力に疑問がつくのはやむをえない。
だが、W杯まであと半年。この段階で、しかもチームと何の縁もない外国人監督をその実績だけで
ひっぱってくるのは、どうも得策でなさそうな気がする。
日本の例でもそうだが、外国人監督は当然、言葉の障害、コミュニケーションの難しさがあり、
最低1年は「様子見期間」がある。その間に、選手との信頼関係を徐々に築いていくわけだ。
もし、時間的に難しいならば、チーム事情をよく知る内部の人間がチームを指揮するほうが
「よりまし」なのは、誰もがわかるところだろう。それでもあえて、外国人監督にこだわるところが、
現在の女子サッカーフロント陣と現場との「チーム構想の食い違い」の表れであろう。現実に
選手側からは、王海鳴コーチ”でいいから”早く決めてほしいという思いがメディアを通じて、伝わって
くる。

もうワールドカップは半年後、なのである。しかも、彼女らが全精力を傾けるべき2008年北京は
もう1年半後である。そこで「ベスト4入り」を目指すとしている中国女子サッカー。そのための
試金石としてワールドカップでは是が非でもベスト4をとりたいところ。だが、今、こんな状況では・・。
中国のサッカーファンの中でもあきらめムードが漂っているのが、ウォッチャーとして、
残念でならない。

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posted by 朝倉浩之 |10:16 | サッカー |
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