2008年02月15日
国営放送局で五輪記者の公開オーディション
少し内輪ネタを。 私が籍を置いている中国の国営放送局では今、「五輪記者オーディション」が行われている。 これは、全ての中国人スタッフを対象にしたオーディションで、私の同僚も、アナウンサー、記者はもちろん、日ごろはインターネットの管理などをしているスタッフまでも、大挙して、「受験」しにいっている。 内容は、筆記試験と面接の2つ。2日間に渡って行われ、120人の参加者のうち、筆記試験を通った80人と『特別推薦』の10人、計90人が面接に臨んだそうだ。 イベントの取材記者を筆記試験で選ぶ・・・というのは、日本ではとても考えられないが、『科挙』文化の中国では、試験が何よりも公平・・・という観念が残っているのか、今でもよく、何でも試験で決める、ということがある。 さて、その筆記試験の内容だが、参加したスタッフに聞いたところでは、前半がオリンピックに関する基礎知識で、続いて、取材の具体的な実践に関する問題、そして最後がなんと『英語』によるレポートだったそう。 ちなみに、『基礎知識』は ・ オリンピックの3大理念は何? ・ 五輪テーマ曲の作者は? ・ 陸上100mの世界記録保持者の名前とその記録は? などという問題。 続く、「取材の実践問題」は ・ 五輪期間中、イランの女子重量挙げチームの選手とショッピングセンターで出会った。あなたは何を質問しますか? ・ 水泳で最下位でフィニッシュした南アフリカの選手がいる。どのような取材をしますか? ・ 3人のアスリートを招いて、番組を制作する。誰をゲストにしますか? と、ある意味「実践的」な問題が続く。 スポーツ取材を続けている私からすると、インタビューの内容なんて、その場で、実際に会ってみないと分からない・・という気がするのだが、(相手の雰囲気や話しぶりなどで取材の内容は全く変わる)『取材適性』を筆記試験で試そうとするならば、こういった問題しかないのだろう。 ちなみに、今日は面接が行われ、例のギョーザ問題や、各国のチームが日本で事前キャンプを張ろうとしていることについて、意見を求められたそうだ。その点では、なかなかの時事問題が出ていると思う。 他の国営メディアでは、どのように記者を選抜しているのか分からないが、少なくとも、これまで全くスポーツ取材を行ったことのない人までを選考の対象にするということはないだろう。 ただ、私自身は、こういうやり方もまた、面白い取材ができるのかもしれない・・・などと、積極的な方向で捉えている。8月の本番では、こんな「適性試験」を経た現地の中国人記者がオリンピックを取材する。もちろん、日本からの記者の記事も大切だが、そんな彼らの地元発信記事もなかなか面白そうである。
posted by 朝倉浩之 |17:51 |
スポーツコラム |
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