2007年02月03日

中国から見る冬季アジア大会(7) アルペンスキーは惨敗、世界の壁は厚い

 氷上競技、バイアスロン等では、中国勢が他を圧倒する成績を収めている今大会、ただ苦手のアルペンスキーに関しては、まだまだ、世界との距離を感じる結果となった。男女の回転、大回転では、いずれも中国勢はメダル無しに終わった。

 女子回転、大回転についていえば、第3回冬季アジア大会で3位に入ったこともあったが、これは出場国自体が少なく、決して、日韓の「強国」に打ち勝ってのメダルではなかった。出場国が増えてきた第4回、第5回ではいずれもメダル無し。そして今回は、2日に行われた「回転」では、苗麗艳(中国)がトップの加藤智佳(日本)に25秒差がついての4位。先月31日の「大回転」では、同じく苗丽艳が1位に4秒足らずの差ながら、4位に終わった。

 男子について言えば、いずれも10位以内に入ることができず、回転で鄭敏が18位に。大回転では、任志鹏が16位という成績だった。

 他の冬季競技が、中国勢がここ数年で一気に伸びているにも関わらず、アルペンスキーについて、成績が伸び悩んでいるのは以下の理由によるものだと思われる。

 一つは、この種目に関する理解不足である。中国がアルペンスキーに力を入れ始めたのは、ここ数年のこと。まだ戦略、戦術的にレースで「勝てる」レベルにまで成熟していないというのが正直なところである。

 また、中国国内にスキー場が少なく、また器材も有限であるという物理的な部分もあるだろう。アルペンスキーは、元々、中国人が好んでするスポーツではなく、例えば北京では、最近でこそ郊外にスキー場が出来てきたものの、まだまだ日本のように、誰もが楽しめる普遍的なスポーツにはなっていない。すなわちハード面での未整備が発展を遅らせているといえる。

 さらに、これらに関連することだが、指導陣の経験不足、指導ノウハウの蓄積があまりないということも、如何ともし難い。

 ただ、これらの状況は少しずつ改善されつつある。先ほども触れたように、大都市の郊外には、少しずつスキー場が整備されつつあり、北京周辺では、やや乱立気味で過当競争の状況が生まれつつあるくらいである。さらに、器材類も海外企業の協力を得るなどして、不足を補う努力が行われている。また日本からコーチを招いて、指導陣の充実も図られつつあり、その成果が女子の4位などに現れてきているといえるだろう。

 現状では、女子が世界レベルにおいては20位前後、男子が50位前後。世界はまだ遠い。だが、元々、選手層が厚く、かつ身体能力の高い選手が多い中国勢。彼らが「本気」になれば、世界で面白い存在になるのは間違いない。アルペンスキーの優位を、中国に対して、唯一の「よりどころ」としている“古豪”日本からすれば、非常に怖い存在ではあるが・・。

posted by 朝倉浩之 |21:39 | アジア大会 | トラックバック(0)
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