2007年08月28日
<プレ五輪>8月振り返る・・・施設編
来年の北京五輪のテスト大会となるプレ五輪「グッドラック北京」のシリーズ大会が8月から北京で始まった。ここでは8月の各大会を振り返って、設備面、運営面からのレポートをお送りしたい。 まずは設備面で振り返ってみる。北京のプレ大会で口火を切ったのが、北京郊外にある「順義オリンピック水上公園」でのボートであった。ここでは、その後、カヌーの各種目も開催された。北京市内から車で1時間。公共交通機関を利用すれば1時間半かかるという郊外である。だが、その周囲の道路は非常にきれいに整備され、道の両脇には絶え間なく緑の植林が施されて、素晴らしい環境の会場だった。順義区というのは元々農村だったところだから、ここまで整備するのは、相当な長期間をかけての工事だっただろう。順義区のある地点までは地元の路線バスに乗り、そのあとは「五輪専用バス」で会場に乗り付ける。非常に快適な道のりだった。 ビーチバレー会場となった「朝陽公園ビーチバレー場」も素晴らしいものだ。出場していた日本人選手が「今までこれだけの会場で試合をしたことがない」と絶賛していたのも分かる。お椀型に競りあがった観客席から見下ろすコートには細かい粒の砂が敷き詰められている。普段、彼女らが試合をしているのは、浜辺のコートなので、整備されているとはいえ、石やゴミが混じっていて、思い切って飛び込むことに躊躇することがあるという。だが、この会場は、毎日、朝5時半からボランティアの学生たちが整備をして、試合に備えた。その甲斐があったということだろう。 その他、北京北側に作られたオリンピック公園の「アーチェリー場」や「ホッケー場」も非常に合理的に建設された会場・・という印象を受けた。 ただ、日本の星野JAPANが参戦した野球の会場となった「五カ松球場」は少し気になる点がいくつかあった。特に改善が必要だと思ったのは、ここの設計がアメリカ人によるもので、「アメリカ式」であることからなのだが、1塁側と3塁側のスタンドにネットがないという点だ。またスタンド自体も低く、選手に近い感じがして、よりダイナミックな野球の雰囲気を感じることが出来る。だが、やはりファールボールによる危険性は高い。現に、私の取材中も、何人かの人がファールボールを直接体に受け、治療を受けていた。幸い大事には至らなかったものの、130キロ前後の速球がバットに当たって跳ね返ってくるファールボールはとてつもないスピードとなる。しかも硬球だ。ファールボールは贈呈されることから、グラブを持って会場を訪れる子供たちを多く見かけたが、ある程度、飛んでくるまでに時間があるホームランボールとは異なり、非常に危険だと思う。まだまだ野球文化が浸透していない中国だけに、まだ「アメリカ風」を導入するのは早いのではないか。ちなみに、バックネット裏の記者席もネットが一部かかっていない場所があり、時折、チップボールが飛び込んできていた。このあたりは改善の余地があると思う。 また、これはほぼ全ての会場で共通していたのだが、入場口は明確に示されているのだが、「退場口」が非常にあいまいで、表示がなく、フェンスが「開いている場所」から出て行く・・という感じだった。ボランティアが口頭で案内をしてくれたが、多くの観客が詰めかけたときを考えると、「出口」も明確に示しておく必要があるように思う。 入場口での安全検査もやや厳しすぎるような気もしたが(ペットボトルはもちろん、ライターまでも“没収”される。星野監督もライターがなくなり、ぼやいておられた)、観客や選手を様々な危険から守るという意味では、これくらい厳しいものであっても、合理的といえるだろう。 全般的には、多くの外国人専門家を招いて建設したこともあり、メディアセンターの位置、入退場口、IDコントロールのやり方など全てにおいて、「完成された」印象を受けた。視察したIOCのロゲ会長をはじめ、各スポーツ連盟の首脳らが口をそろえて「素晴らしい設備」と発言しているのは、決して「リップサービス」的なものではないと思う。まだ建設中の施設もあるから、全般的にはいえないものの、少なくとも8月に使用された施設に関しては「ハードはほぼ合格点」といえるのではないか。 (運営編に続く)
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posted by 朝倉浩之 |14:43 |
プレ五輪 |


