2007年07月25日

ヤオミンを当局が批判・・・その後

中国スポーツの国民的スター、NBAヒューストンロケッツのヤオミンがケガや自身の結婚準備のため、代表合宿に遅れて参加したことについて、中国体育総局の機関紙「中国体育報」が17日付で批判記事を出した。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/basket/other/headlines/20070718-00000090-kyodo_sp-spo.html

これについて、その後の報道を簡単にまとめておく。

この中で、同紙はヤオミンが「特権を持っている」と報じた。中国で、ある集団において「特権を有している」とされるのは、かなりの強い批判として受け止められる。

これについて、先日国家バスケットボール中心の責任者は「中国体育報の評論は単なる“推測”に過ぎず、ヤオミンは決して“特権”など受けていない」と報道を否定。また19日付の同紙では、一転して、ヤオミンについて「彼はNBAでのプレーを通じて、テクニックを身につけただけでなく、選手としてのプロ意識をさらに一歩深めた。彼は自らの実際行動によって、そのプロ意識を示して見せた」と褒めちぎり、“180度”の転換を見せた。

この記事は体育総局の機関紙だけに、「中国体育当局によるヤオミン批判」として、国内外のメディアがこれを大きく取り上げ、関心を集めた。これについて、中国体育総局バスケットボール中心主任の胡加時氏は「この記事は体育総局の見方とは無関係であり、すべてメディアの推測にすぎない。」と完全に否定し、また「ヤオミンは国家代表において何ら特権は有していない」とした。また、ヤオミンの合流後、マスコミを受け入れて行った「公開練習」についても、「これはヤオミンのために特別に開いたものではない。現在、体育総局は公開練習の実施について厳しく、今回ようやく許可が下りたものだ。」として、重ねて“特権”を否定した。

また20日付の英字新聞「チャイナ・デイリー」ではヤオミンのコメントを掲載した。ヤオミンは「私は18歳で国家代表に入ってから10年間、いつも国家代表のために100%力をささげてきた。今回の“遅刻”についても、決して遅れたくて遅れたわけではない。あらかじめバスケット協会側の許可を受けたもの。私の“責任感”は、全てのチームが認めてくれているはずだ」と、この記事を批判した。

ということで、「特権」「遅刻」さわぎ。中国体育報の評論執筆者の無責任な「推測」ということで、一件落着となる。ただ、体育当局の機関紙という性格上、このような記事を掲載した責任は重く、大きく取り上げられるのはやむを得ない。

ただ、肩のケガで、9月まで復帰が難しいヤオミンに対して、バスケットファンの「不満」と「期待」が入り混じる複雑な感情があるのは事実。代表監督も「ヤオミンがいない代表チームは全く“別のチーム”。これで練習試合を戦っても意味がない」とあきらめ顔である。今の中国代表は完全に「ヤオミンのチーム」となっているだけに、当局、そしてチーム全体に「期待」と「やるせなさ」が渦巻いているのも確かだろう。こういった背景から、ヤオミンに対する風当たりが多少出てくるのは、ある意味うなずける。

ヤオミンは来年の五輪に向け、懸案の肩の故障について、手術をあきらめ、リハビリ治療によってプレーを続けることを決めている。ただ今月28日から中国・広州とアモイで行われる第3回スタンコビッチ杯については欠場を明言。また予定されているヨーロッパ遠征にも不参加が決まった。復帰は9月以降となる見込みで、報道によると、今のところ、早ければ、9月5日のオーストラリアでの親善試合からということだ。


posted by 朝倉浩之 |13:00 | バスケットボール | コメント(0) | トラックバック(0)
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