2009年04月18日

運動科学(楽)の旅:第1章~物性としての身体の動き(7)~重心の移動③

前回までの結論としては以下の通りでした。
↓
立っていて体重を一側へ移動した時に生ずる現象:
一瞬重心を移動するのと反対側の体重計が増加し、その後重心移動側の体重計が最終的に増加します。
すなわち、重心の移動と体重のかかり方は必ずしも一致しない→ある場面では、重心の移動≠体重の移動というわけです。

ということでした。

これは慣性の法則に関連することでした。
すなわち、静止している物体は何らかの力が加わらなければ動き出さないということです。
体重を一側に移動する動きにもそれは当てはまります。
ではその時の初動を促す力は何でしょうか?
それが、床反力の発生点である足圧中心と、重心の位置の差異による力(モーメント)によるものです。


asa20-83133.jpg


ここでのCOPとは足圧中心を、COGとは重心の鉛直線の床と接する点を、BOSとは支持基底面のことを指します。

この現象(は側面から見た前後の動きを示した説明でした)が正面から見た左右の重心移動にも当てはまる訳です。

さて、ここで何を一番言いたかったかというと、
よく、「重心を○○へ移動させて」とか「体重の移動をスムースに」など
重心と体重もしくは荷重などという言葉を運動指導の際によく使います。しかし、今まで見てきたように、“必ずしも体重・荷重のかけ方と重心の移動とは一致していない”ということなのです。

実際の場面で指導する時には、難しいことを行っても理解しづらくかえって動きを制限してしまう可能性があるので、足圧中心や床反力、重心線、基底面などという言葉は使いませんが、指導する側はよくよくこの原理を知って混乱を招かないように、理解しておく必要があると思います。そうでないといつの間にか指導する側が混乱を来してしまい、誤ったメッセージを選手などに与えてしまう場合があると思うからです。
※実際に説明する時には各人に分かりやすい言葉を使い分けて指導することも必要になると思います。

このことについてはもう少しお話しします。次回へ~


posted by asa20 |13:04 | 運動科楽 | コメント(0) | トラックバック(0)
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