2007年04月27日

人の動きを再考します~その十:動的安定を考えるに当たって2

 久しぶりの上記シリーズです。今回も動的安定を考えるに当たって確認すべき点を中心に述べたいと思います。まず下図をご覧下さい。これは中枢部が左右に動く時、末梢で支持できないと倒れてしまうというものです。

20070427-00.jpg
 一方次の図は、末梢のストッパーで止めることができると、中枢部は倒れずにすむという模式図です。その代わり末梢部の動きは制限を伴います。
20070427-01.jpg
 すなわち、中枢部が不安定だと末梢でのコントロールの必要度が大きくなり、末梢の運動自由度が制限される-逆に中枢部が安定していると、末梢が比較的自由に動かすことが可能であるという概念です。この概念を説明するために上記図を用いてみました。この考え方は次回以降も引き続き説明していきます。


posted by 朝野裕一 |18:17 | 動作 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年04月24日

運動科楽の眼:(ゴルフ)ボールを「打つ」ということ2

 さて、早速下の図をご覧下さい。情報量が多すぎて分かりづらくなっちゃいましたが、ゴルフボールを打つ時の重心足圧中心移動の推測図です。あくまで推測ですのであしからず。これも誰か正確の情報お持ちであれば教えて下さい。

20070424-00.jpg
 上の図がゴルフクラブを振り上げるまでの重心移動の軌跡(推測の文字を今後省きます)を赤丸で示しました。このとき身体は右後方へ回転しながらクラブのトップの位置で止まります。その際重心は当然右足の方へ移動しているはずですが、そのまま右へ流れてしまうと身体を止めることができません。そこで、黒丸で示した足圧中心(=床反力の作用点)が重要な役割を果たすのではないかと思います。右足には当然荷重が左足より多く加わるでしょう。イコール重心の移動と単純に考えてはいけません。「人の動きを再考します」シリーズで詳しく述べましたが、ここで足に加わる荷重感覚は、足圧(の中心)が移動したもので、その位置と重心の位置との関係で身体が動いたり止まったりするのです。  スウィングからフォロースルーまでも同様で、今度は荷重が右足から左足へ移動していきます。このときの重心の位置との関係が詳しくは知りません。あくまで推測の域を出ない所以です。しかし、身体を見ると右後方から大きく左方向へ回転しながら移動していきます。つまり左前方方向への力が加わっているということです。これを、重心足圧中心の位置関係から推定して読み解くと、右足の足圧中心(このとき足圧の大きさは右>左)に先行して重心が左へ移動していると推測されます。そうであれば身体は容易に左へ移動していくからです。そして、フォロースルーの際は、逆にこの左への身体の動きを止めなければならないので、左への足圧が大きくなり、しかも重心より左側に位置していることで、左方向への身体の動きに反する力が働き、身体が止まるという現象が起きるのではないかと思います。  ここまで推測で断じて良いものか?情報お待ちしています。  さて、かの中島常幸選手、ボールのインパクトからフォロースルーまでの足首の動きが、BS-NHK「アインシュタインの眼」で紹介されていました。ほとんどインパクトでは足首が固定されていました。もしインパクトで足首が動いて不安定になってしまうと、身体の左への移動を阻害してしまうでしょう。  ~インパクトは、右足に多くかかっていた足圧が左へ移動していくのですが、重心がそれに先行して左へ移動している時ですから、左足が固定されないで不安定になると、身体が左へ余分に移動してしまうでしょうし、不安定を急に止めようと踏ん張りすぎると、逆に身体がスムースに左へ移動せずに右へ残ってしまうかもしれません。~  結果、インパクト時にクラブヘッドの力をボールへ巧く伝えられなくなるのではないかと推測されます。さらに重心の左への移動を止めきれず、その後のフォロースルーでもしっかり足圧を受け止められなくなり、身体は左へ流れてしまうことになります。 ※なお、重心足圧中心、身体の動きの関係について詳しくは「人の動きを再考します」シリーズをご覧下さい。  今回は、推測の巻きでした。皆さんの想像力を少しでも刺激できたら幸いです。今後間違っていたら修正の情報は速やかにお知らせいたします。ではまた。


posted by 朝野裕一 |11:58 | 運動科楽 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年04月19日

運動科楽の眼:ゴルフボールを「打つ」ということ:1

 今回は、ボールを打つ・飛ばすについて。先日BS-NHKの「アインシュタインの眼」という番組で、プロゴルファー、中島常幸のゴルフスウィングのハイスピードカメラによる解析を紹介していました。50代にしていかに300ヤードを越える飛距離を保てるのか?が主なテーマの一つでした。
 ボールのスピードと回転数の関係は先週ご紹介しましたが、同じように飛距離と回転数との関係が今回示されていました。野球の投球の場合、決められた距離をいかに速いボールを投げられるか、というテーマが発生します。その際には進行方向と逆向きの回転数が多いほど揚力が生じ、その影響で速い球が投げられるということでした。
 ゴルフのボールを打つ場合も同様の、進行方向と逆向きの回転に伴い、揚力が発生します。しかし、野球の投球と異なり、いかに遠くへ飛ばすか、がテーマとなります。回転数が多ければ多いほど遠くへ飛ぶかというと、ある一定の回転数まではそれが当てはまりますが、それを越えてしまうと逆に飛距離は落ちるという特性があるそうです(下図参照)。ゴルフボールが打ち出されると、ボールは放物線を描いて最終的には地上に落ちます。一方、投手の投球は一定の距離でボールを投げるという仕事なので、ボールの動きとしての物理的特徴が異なるわけです。

20070419-01.jpg
 さて、ゴルフの一番遠くに飛ぶ回転数とは?番組によると、1分間に2,200から2,400回の間が一番遠くへ飛ぶ回転数とのこと。そして、中島プロは、何と!2,207回/分とピッタリとこの範囲に入っているそうです。ちなみに、それ以上の回転数では上の図にあるような減速方向への力が強くなってくるため、かえって飛距離が落ちるということです。  ※昨今、健康情報番組等でのねつ造情報が話題になっています。今回の番組情報も、そのまま鵜呑みにするのはどうかなぁ、という気持ちも自然と生じてしまいます。しかし、疑い出すとキリがないので、ここは一旦信じて紹介することにしました。  次回は、ボールを「打つ」という動作における、体重≒重心移動とインパクトの関係について考えてみたいと思います。


posted by 朝野裕一 |09:41 | 運動科楽 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年04月12日

運動科楽の眼:『投げる』2

 前回に続いて、『投げる』ということについて・・・

 要は何事も重心の移動が重要という結論ですが、投手が投球動作を行っている時の重心と床反力はどうなっているのでしょうか?はっきりとしたデータ見てないので何とも言えません。重心の軌跡を仮想的にイメージすると以下の図のようになるのかな?と思います。
20070412-00.jpg
 右手投げの投手が、右足に体重をのせ左足を振り上げてから、左足から着地して最後に右足が着地した時の重心はだいたいこんなうごきではないかな?と思うのですが、誰かご存じの方がいたらお教え下さい。そしてこの重心がどの位置にある時ボールをリリースすると、ボールへのエネルギー伝達が効率が良いのでしょうか?これも興味があるところです。    あくまでこのシリーズの視点は、細かな動きを追求するのではなく、もっと大雑把な視点で全体像を捉えることを趣旨としています。大雑把だからといって、不正確かというと必ずしもそうではないと思います。  物事の真実を知るということは、解析・分析で要素に細かく分解したからといって、それを組み合わせて必ずしも全体を知ることはできません。このことは科学の歴史で証明されてきています。いわゆる要素還元主義の誤謬です。  ですから私の立場と趣意は、マクロの視点で運動の本質を見極めていけないか?というものです。もちろんミクロで見た方が面白いという意見もあります。そのことはまた雑感の「書評未満」のコーナーでいずれ述べたいと思います。  さて、投げるという動作における重心移動の軌跡は今後の課題として・・・補足として以下の図をご覧下さい。BS放送で説明されていたボールのいわゆる伸びおよびスピードとボール回転数・回転方向の関係を説明したものです。
20070412-01.jpg
 ボールは進行方向と逆向きの回転が多いほど遠くへ飛び、スピードも一定の距離において早く・それを維持できるというものです。ちなみに松坂はプロの投手ではトップクラスの回転数を出せる(直球時)そうです。また、決して速い球ではない、山本昌も実は回転数が非常に早く、初速と終速の差が少ない投手だそうです。それゆえ打者からすると初速のタイミングで待っていると手元で伸び、振り遅れもしくはボールの下を振ってしまい当たり損ねもしくは空振りになるということです。補足情報でした。  さて、このボールの回転数・・・実はゴルフボールの飛びにも共通の原理です。先日ゴルファー中嶋常幸の特集をこれまたBS-NHKで放送しており、とても面白かったので次回ご紹介します。


posted by 朝野裕一 |20:04 | 運動科楽 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年04月10日

人の動きを再考します~その九:動的安定とは?を考えるに当たって~

 今回のシリーズは、動いていることと安定することについて考えてみます。以前書いたように、動くということは安定を崩して行われます。しかし、崩れたままでは、バランスを崩し求める動作を達成できない、場合によっては転倒する危険性が生じます。すなわち、動いていてかつ安定するという相矛盾する要素を満たさねばなりません。そのためには、一言でいえば重心の位置のコントロール、さらに言い換えると重力の制御が必要になってきます(地球に済んでいる以上逃れられません)。その理由を考えるに当たり以下のことを説明しておかなければなりません。

 まずは、動き始めてから動き続けている時に身体に加わる力を挙げてみましょう。力を身体外部の力(以下、外力)と内部の力(以下、内力)に分けます。
 外力としては前回までの復習で考えると、重力・床反力があります。さらに、慣性力・慣性モーメント(回転力)、床と足の摩擦力(詳しく述べると足と靴下、靴下と靴の内底、靴裏と床との間に加わる全ての摩擦力が関与します:靴がいかに大事か分かると思います;これについてはいずれ述べるでしょう)があります。
 内力筋力、また靱帯や腱の張力(筋力同様外力を調節します)があり、その他骨や軟骨にも剪断力やしなりの力など様々な力が加わり、その形を微細に変形させ外力を受け取ります。

 身体にある力が働き、動きが開始されますが、それに関わる力として重力床反力が重要な役割を果たすことは前回述べました。この二つの力は、動き続けている時も人の身体に加わり続けます。実は床反力計で測定すると、先程書いた床と足(靴)の間に加わる摩擦力も床反力に含まれてきます。力はその大きさと方向で表される(ベクトルといいます)ので、摩擦力は進行を妨げる方向への力のベクトルで分かります。
 
 次に慣性力慣性モーメントについても補足しておきます。慣性力とは言ってみれば見かけの力で、以前述べた慣性の法則からすると一旦動き出した物体は動き続けるので止まるために別の力(ブレーキ力とでも言う)が必要になりそのときに質量に応じて動き続けようとします。その時に関与する力が慣性力です。
 また人の関節および身体は、ある軸を中心とした回転運動を含んでいるため、慣性モーメントという回転力が生じます。すなわち、回転し出した物体はその物体の質量と回転軸の位置に応じた慣性モーメントを発生し、回転をし続けようとします。人の身体もある質量を持った物体の特性を当然有しているので、これらの物理量が加わります。なんだか面倒くさくなってきました。もうちょっとお付き合い下さい。
 
 もう一つ大事な力があります。それが身体内部から発生する筋力です。筋力についても過去にシリーズで述べましたね。前述したその他の組織の内力は外力を受けて生じる力であるのに対し、筋肉はその性質以外に、自ら力を外に発生させることが可能です。以前は車のエンジンに例えました。必要に応じ、比較的瞬時に大きな力が必要な時は(ダッシュして走り出す時など)、このエンジン=筋力に頼ることもあります。しかし、これもすでに筋力再考シリーズで述べましたが、効率の良い=燃費の良い動きには適しません。なぜなら強い力は筋疲労により、その出力を保てないからです。したがって、筋力以外の力、すなわち重力(および床反力)をいかに利用できるかが、効率の良い動きに必要となります。言ってみれば、エコカーの様なガソリンエンジンの出力だけに頼り切らない車は燃費が良いわけです。そして筋力も実は、自らの出力とは言え、外力を制御する時に最も重要な役割を果たします。

 結論からすると、重力をいかに利用できるか=重力の制御が、人の全ての動きにとっていかに重要かということがお分かりになりましたか?う~ん・・・・色々な枠組みと側面で説明しなければならず難しい!でも一回は説明しておかないと。というわけで、前振りとしては回りくどくなってしまいましたが、次回から人の身体が運動・動作をいかに安定させて行っていくのか、について引き続きシリーズで述べていきます。

posted by 朝野裕一 |11:56 | 動作 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年04月06日

雑感~拳闘家ホルヘ・アルセのマタドール~

 WOWOWのExcite Match毎週見てます!解説のジョー小泉さんのあまりにくだらないジョーク(小泉という名の人には面白い人が多い!?)と分かりやすい解説、浜田剛史さんの冷静かつ熱のある-相矛盾する不思議な態度と解説、その両方ともが、何とも言えず楽しい。また、アナウンサーの高柳謙一氏の軽妙な司会と、土肥ゆきよアナ(3月いっぱいで交代になっちゃいました、残念!)の反応も面白く、ボクシングファン必見の番組です。あらためて、WOWOWと帝拳プロモーション及び制作関連の皆様に感謝します!
 
 さて、今回4月2日の放送分から・・・大好きなボクサーの一人:ホルヘ・アルセフリオ・ロケ・レル戦について。

 はっきり言って一般的な評価としては凡戦の極みと言ってもいいでしょう。なぜなら、フリオ・ロケ・レルが全くと言っていいくらい防戦に徹し、アルセの豪快なKOを楽しみに見ていたファンにとっては、イライラのつのる試合だったからです。事実会場からも多くのブーイングが飛び交っていました。
 
 しかし、試合も後半になると、一種の諦め・苛立ちと同時に、いつこの逃げ回る相手を捕まえるのかという期待、相手の時折の反撃にまさかアルセがカウンターでやられるのでは?という一抹の不安、これら全てが重なる不思議な試合となりました。

 当然アルセ自身は試合中苛立ちを隠さず、相手に向かって闘牛士のような恰好をして、「飛び込んでこい!」という言葉を吐きかつ態度を見せて挑発していました。しかし、アルセの強打をおそれているのか、自分の防御に自身があるのか、フリオは意に介せず(がごとく)戦法を変えていませんでした。

 そして、11Rですッ!ついに、フリオが反撃した瞬間のアルセの連打が顎にヒット!KO寸前まで追いつめました。最終ランドは結局また元に戻り、最後まで両者の激しい撃ち合い、とはなりませんでした。採点は当然アルセの3-0と圧勝でした。フリオは結局最初から、アルセの強打を恐れ自分の防御に徹し、打ち続けるアルセの隙をついたカウンターがあわよくば当たればいいな、という作戦のようでした。

 試合後の小泉・浜田両氏の解説にあったように、ここまで防御に徹した相手を倒すのは至難の業です。にもかかわらず、最後まで貝のように閉じた相手のブロック上から、パンチを出し続けたアルセの拳闘家としての検討(ジョー小泉さんばりのシャレでした)を褒め称えたいと思います。凡戦になってしかるべき試合を、打ち合いもなく、ある意味でスリリングにした。しかも試合終了後は、相手に抗議をするでもなく、けろっとして観客に手を振っている。プロとして、この凡戦を失望だけに終わらせなかったアルセはやっぱりすごいな!あらためて以前よりさらにファンになりました。4月16日放送のタイトル戦が楽しみです。

 人生を格闘技に例えるならば、最後は自分がどういう価値観で事に望むかが重要であると考えさせられた一戦でした。他人のせいばかりにせず、おのれの信ずる道を進むことが、プロとしての作法なんだなと・・・格闘技家とりわけプロボクサーを尊敬する一ファンとして正直な感想を少しばかり大仰に書きました。ではまた。

posted by 朝野裕一 |13:42 | その他 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年04月04日

運動科楽の眼:『投げる』ということ?

 最近BS(衛星放送)で立て続けに、様々な野球投手の特集が組まれていました。全ては見ていませんが、話題の松坂に始まり、井川・桑田・工藤・岡島・山本昌などの投手のそれぞれの特徴や、選手自身の信条などが放送の中で説明されていました。
 そこで今回は、松坂・工藤・岡島・山本昌の特集を見たので、『投げる』ということを考えてみたいと思います。ここではあくまで野球の、しかも投手の『投げる』です。
 いきなり投球の”メカニズムは?”などという話はしません、というよりできません!ですから素人(野球の本格的経験をしていないという意味)なりの、考えを示し、皆さんのご意見を伺いたいと思っています。
 まずは、他の競技の『投げる』との違いを見てみましょう。そもそも投手が野球ボールを投げる時、助走はしません。これはクリケットや、砲丸投げ・やり投げと異なる部分です。また、身体を回転させたりもしません。円盤投げやハンマー投げとの違いです。両手で放り投げたりはしませんし、走りながら(助走とは別の目的での走り)も投げません(投手ですから)。バスケットボールやハンドボール、サッカーのキーパーがボールを投げる時(まれにその場で投げる時があるかもしれません)やスローインとの違いです。もちろん野球の野手との違いも明白な訳です。
 当たり前のことを確認した後、投手の『投げる』、に対する素朴な疑問を提示してみましょう。
 疑問:投球する時に何故片足を上げるのだろう?この疑問に対する正確な(?)答えは何でしょうか?
「両足で投げたら届かないだろう!」「何故ってそれが投手の特徴だからさ!」「両足で投げる投手なんて見たこと無いよ!」という反応があっても不思議ではありませんが、疑問の答えにはなりません。実は私も正確には答えられません。しかし、少し考えてみましょう。
 前述したように助走したり、回転したり(その場で何回も;野茂は回転しているかもしれませんが何回もはしていません)できない条件で、手の中に入る小さなボールをある程度遠くへ、しかもスピードをつけて(パームボールのような遅いボールもありますが)投げるためには、何が必要なのでしょう?
 身体の体重を前方に移動させて、そのときの力を最終的にボールに与えることができれば、それなりに遠くに早くボールを投げられる?と考えることはできそうです。すなわち、前方への重心移動を行う必要があるわけです。しかし、助走や回転はつけられません。どうすればいいか?
 人は二本足で直立している以上、片方の足に体重を乗せもう一方の足に移動させれば、ある程度(不正確な言い方はお許し下さい)重心移動ができそうです。しかし、両足で立っているとその移動範囲は限られてきます。具体的には、人の動きを再考するシリーズで書いてきたように、支持基底面の範囲でしか移動はできません。そこで、片足を上げ、一方の足に体重を乗せてから、上げた足を前方に出し着地させると、重心を大きく移動させることができそうです。
 当たり前のことですが、投手は投球時にその事(=前方への重心移動)を身体で体感しながら、投げ方のチェックをしていることが、冒頭でのBS特集でも論じられていました。
 いかに重心移動を安定させながら、最終的にボールへ伝えられるか?これが投球のポイントと考えてもいいと思います。そのために必要なこととは?→体幹と股関節に始まり膝の使い方・足の着地の仕方におよび、肩甲帯の働きと肩・肘の使い方、そしてボールをリリースする時の手指の感覚、これら全てが投球の要素となります。最近は特に下半身(特に股関節)と体幹の関連が重要だと色々な場で論じられています。そして、これは何も投球に限られていないのですが、それは別の場で。
 すっかり素人の長文(?マークの多い)になってしまいました。しかし、原理原則に戻って考えてみるのも必要ではないかと思います。BS特集の具体的な内容を網羅できませんでしたが、引き続き。

posted by 朝野裕一 |12:03 | 運動科楽 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年04月02日

人の動きを再考します~その八:静から動へ3~

今回は、静止して立っているところから、歩き出す時の状態を説明します。前回までに書いたことをまとめると、

  • 静から動へ転ずるには一定の力が必要となる:慣性の法則と関係
  • 静止している時の足圧中心と重心との関係

 さて、今回は歩き出しの時、どのような現象が起きているかを見てみましょう。下の図をご覧下さい。


20070402-00.jpg


真ん中の丸印はあくまで足圧中心(COP)です。重心(COG)ではありませんので間違えの無いように!

 そこで、この足圧中心の動きをよく見ると、降り出す側の足に一度動きます。その時の重心の位置は示していませんが、おそらく足圧中心にやや遅れて動く;すなわち両足の中心に近い位置にまだあると考えられます。ということは、前回お話しした内容の復習になりますが、身体は軸足側の方へ(この場合左の方へ)倒れる力が加わることになります。
 さらに、足圧中心の軌跡は、比較的後側を通って左に向かっていますね。そうすると、身体は重心の位置との差で(重心はまだ足圧中心より前方にあると考えられます:前回の復習)、前方に倒れようとする力が働きます。
 この二つの事象を組み合わせると、結果として身体は左前方に行く力が働く』事になり、右足が降り出されると同時に前方に歩き出しが可能となる訳です。
 これらのことが瞬時に(どのくらいの時間かはデータを調べてないのでここでは言えません)行われ歩くことができるのです。ではまた次回。

参考図書:『GAIT ANALYSIS-Normal and Pathological Function-』written by Jaquelin Perry



posted by 朝野裕一 |13:34 | 動作 | コメント(0) | トラックバック(0)
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