2006年12月12日
筋力を再考します~その五~
ノロウィルスはまだ猛威をふるっているようです。要注意です!!。 さて、筋パワー=筋力×筋収縮速度の式までお話ししました。 よくスポーツ中継などを聞いていると、「あの選手はパワーとスピードを兼ね備えていますねぇ」といったコメントがしばしば聞かれますが、聞くたびにどうしても引っかかってしまいます。なぜならば上の式でも明らかなように、パワーの中にスピードの要素が組み込まれているからです。それを別々の要素のように言うことにはどうしても抵抗があります。コメントする人の気持ちも察することはできます。要は、スピードとパワー→ここに力の要素を移入して言っているのだろうなぁと。しかし、力学的に厳密に言うと、 パワー=力×速度なわけです。さらに、この式を解析すると、 v(速度)=x((移動)距離)÷時間(t) となり、 パワー=力×距離÷時間 となります。力×距離=仕事となるので、 パワー=仕事率(単位時間当たりの仕事量)となるわけです。解りづらかったでしょうか?高校時代の物理を思い出してみて下さい。 つまり、パワーとは1秒間にどのくらいの仕事ができるかを示しています。 人の動作に還元してみると、この仕事というのがまさしく動作(歩行などを含む)を示していると考えて良いでしょう。 ここまで言うと、パワーをアップさせる意義というものが見えてきます。そこで、『筋力』です。動作を行うエンジンが筋力にあると仮定すると、筋パワーを上げることが必要になってきます。筋パワーを上げるためには、筋力を上げるか、筋の収縮速度を上げるか、その両方とも上げるか、です。そのために筋力アップが有効とされているのではないか、というのが結論です。 この回まで、筋力を完全否定するような論を展開していくイメージを持った方がいるかもしれませんが、そうではありません。筋力があまりにも一人歩きしてそれさえつければ的、単純思考に反対しているのです。 ※厳密に言うと筋の収縮速度を直接測定することは難しいので、 例えば、脚の伸展の力(strength)と速度(speed)を測って脚伸展パワー(Power)とします。 パワーを増加させる1つの手段として、力の要素をアップさせる方法があるのです。ですから、軽い負荷(最大筋力の30%くらい)でも素早く動かすトレーニングをすれば、パワーはアップします。 また、最大の筋パワーは、最大筋力の30%で得られるという報告がされています(筋の速度ー力曲線から算出)。 ですから、筋肥大を起こすような負荷ではなくても(軽い負荷でも)パワーアップは図れることになります。 今回のパワーのことと、今までの神経刺激の増加による筋力発生アップ、さらに今後述べることになる、他の力(重力、床反力、慣性力など)の関与、全てが人の動作の量と質を決めているので、筋力オンリーの考えは成り立たないというのが筆者の観点です。ふぅ~また長くなっちゃいましたが言いたいことが伝わっているでしょうか?ご意見あればお待ちしております。ではまた次回にお会いしましょう!
posted by 朝野裕一 |12:57 |
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