2006年12月10日
筋力を再考します~その四~
いよいよ本格的な冬、病院関係者は特に最近ノロウィルスが流行っているようなので要注意ですね。 今回は『筋のパワー』のお話しの予定ですが、その前にいくつか補足を最初にしておきます。 筋力を増大させるためには、一定の負荷をかける必要があり、その際に筋線維が微細に損傷されその修復作用が筋の肥大を引き起こすとされています。これが、『過負荷の法則』 といわれているものです。そして、筋肥大を起こすような負荷はどれくらいかというと、 最大随意筋力の40~70%とされています。30%では現状維持、20%以下では萎縮していくとされ、70%以上では40~70%の時の効果と変わらないとされています。 また、筋肥大までの期間は頻度やトレーニング様式、負荷量などによって異なりますが、おおざっぱに言うと毎日トレーニングして4週間はかかるとされています。 しかし、筋力測定すると分かりますが、筋力値自体は4週前からアップします。これはなぜかというと、以前お話しした『神経ー筋単位の増加』すなわち神経の電気刺激量の増加によるものなのです。 さらに、以前申したように筋には瞬発力だけではなく、持久力の要素があり、また後に述べるかも知れませんが、筋肉が収縮する様式にもいくつか種類があります。それに伴いトレーニング様式も異なってきます。 したがって、単に『筋トレ』といっても最大筋力の増加をはかるのか、持久力を高めたいのか、筋肥大を伴う事を目的とするのか、そしてこれから述べる、筋収縮のスピードや動作のスピードを高めたいのか、目的を明確にして取り組まなければならないわけです。 我々が病院でみる患者さんは、歩行能力が低下しているケースが一定数あり、結果としての下肢などの筋萎縮を伴っていることが多いです。そのような患者さんに、「筋トレをして歩けるようになりましょう」、みたいなことをよく言いますが、ここで言う『筋トレ』は必ずしも『過負荷の法則』に則ったトレーニングを指しません。どんな形であれ、筋肉を収縮させる事を前提とし、負荷量は必ずしも問いません。筋肉に行く神経刺激を増やすことが目的です。 これを私共(私の病院の理学療法士)は、筋の賦活トレーニングと定義しています。ですから重錘を使わず足の重み自体を負荷にしたり、体重を利用したトレーニングをしたり、場合によっては水中の浮力の助けを利用したり、と様々です。 補足が大分長くなってしまい、本題の筋パワーまで言及できませんでした。これは次回に回します。ただ、1つだけ示しておきます。 筋のパワー(power)=筋力(strength)×筋収縮速度(speed) 先ずはこの式だけ覚えておいて下さい。筋力アップだけが、動作の改善を起こす唯一の要素ではない理由が、この式に含まれています。 それでは皆様、時節柄風邪などひきませぬように!!
posted by 朝野裕一 |18:22 |
筋力 |
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