2006年12月01日
筋力を再考します~その二~
筋力についての第二弾です。 なぜ筋力という言葉にこだわるかというのは、先日から書いているように、話している人と聞いている人にその言葉の意味するところが異なっていることがしばしばある、もしくは漠然としたイメージが先行しすぎているという(大袈裟に言うと)危惧を感じるからです。 もうご存じの方には釈迦に説法な事も多いかも知れませんが、なるべく分かりやすく知らない人にも説明することをコンセプトにしているのでお許し下さい。 さて、前置きが長くなりました。引き続き『筋力』の意味するところを述べていきましょう。一般的に言うところの”筋力がある”というのは実は、最大筋力のことを言っているのでしょう。しかしこの最大筋力というのが、くせ者(!?)です。人は最大の筋力を出し切れていないと言うのが事実で、精一杯出したと仮定した筋力を「随意性最大筋力」として測定している訳です。 すなわちエンジンを全開したくても、ついアクセルを目一杯踏まずに無意識に押さえているのです。それが何かの機会でより発揮できる時、いわゆる「火事場の馬鹿力」が発生します。例えば、かけ声やピストルの音などの刺激で最大筋力はアップします。この辺の実験については1960-70年代、猪飼道夫先生はじめとした日本の研究者諸先生がすばらしい結果を報告されています(詳しくは「身体運動の生理学」猪飼道夫編著、杏林書院をご覧下さい。) 前回で述べた、神経の電気信号→筋収縮→力の発生を考えれば、随意的=どこまで全力かはあくまで不明?、とも言えるのです。もちろんむやみにアクセル全開にしないことで、関節等の構造を守るという意義もあります。 また筋力には他に、持久性という要素があります。 結論として、『筋力』が何を意味しているかをお互いに了解した上で話をしなければならないということです。 もう一つ、エンジンとしての筋と説明しましたが、運動に関わる力は筋力以外にもたくさんあります。
- 重力
- 慣性力
- 床反力
- 組織(靱帯・腱・関節包・椎間板・骨など)の物性耐性力
などなど、筋力を含めた様々な力が関わって運動が成り立っています。これも、筋力が全てではないということの背景にあるわけです。
何か退屈な話になっちゃいましたね。でも仕事柄抱える切実な問題でもあるのでついついくどくなってます。もう少し(何回か)お付き合い下さい。ではまた~。
付記:雑感~その一も明日書き込みますので、よろしくお願いします。
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posted by 朝野裕一 |11:26 |
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