運動科楽からスポーツ再考!!

身体運動と認知・心理・環境との関係 ⑴:平均台の恐怖

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オリンピックもいよいよ後半戦。 体操はもう終わりましたね。 それにしても、 女子体操の平均台。

幅が約10cmだそうです。 よくそんな幅のところを、 歩くだけでも大変なのに、 ジャンプしたり回転したりできるものだなぁと いつも感心しています。

私たちが身体を動かす時、 知らず知らず周りの環境に 影響を受けています。

普段歩く時の足と足(踵と踵)の幅 (歩隔;ほかくと言います)も10cm前後 (5〜13cm) と言われています。

※ちなみに、 左右の一歩の幅/長さ(踵から踵の長さ)を 歩幅(ほはば)と言います※

歩幅と歩隔

ですから理屈上は、 平均台の上を、 サササっと歩くこともできそうです。

ですが、 想像しただけで無理だなぁと思ってしまいますし、 実際に無理でしょう。

平均台の高さは床から約1.25mだそうです。

その高さが加わるだけで、 言い換えると、 床からの重心の位置が いつも立っている時より高くなるだけで、 私たちは普段歩いている時の 足と足の幅を保てなくなります。

地上で同じ幅の線を引いてその中を歩け と言われれば、 多くの人がクリアできるのではないでしょうか。

一言で言うと、 転落するのではないかという恐怖感ですね。

床から高い場所に重心があるということは、 そこから重力の力で床に落ちていく力が常に 働いていることを、 まさに肌身に実感できる環境です。

実は、 重力は地面に立っている時も 常に床に向かって働いているのですが、 床からの反力によってつり合っていて (物理学的に厳密に言えば重力よりとても大きい 原子同志の電磁気力によって床を抜けずに留まっていられるのですが… )、 通常、特にバランスを崩す要素はありません。

しかしそれが、 わずか1mちょっとの高さになるだけで、 歩行という半ば無意識に行っている動作をも 狂わせてしまいます。

もう一方で、 私たちは、 環境や状況の変化に伴って、 心理的な影響を受けます。 その場合も、 身体の動作は影響を受けます。

先ほどの恐怖感もその一つで、 それに伴う緊張から、 身体の姿勢自体、 普段の状態を保てなくなります。

もちろん動く(動作を行う)時も同様です。

ですから、 体操の演技を 平均台という物理的な環境と、 聴衆が見ているという環境の中、 それらに伴う心理的な影響 (プレッシャーや緊張感)を受けながら やり遂げるというのは、 尋常なことではないと、 改めて感じます。

本当に、 勝負を超えて、成績とは別に、 オリンピアンというのは、 すごいなぁ!と 素直に思わない訳にはいかない ここ数日です。



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記事カテゴリ:
身体運動を構造化してみる 3.
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朝野裕一/Yuuichi ASANO
昭和33年2月6日生まれ、平成29年4月エクササイズをナビゲートする事業として「運動科楽舎」設立。スポーツは観戦・活動とも好きです。最近はかなり運動不足で、もっぱら指導するのみになっています。仕事柄、スポーツを含めたあらゆるヒトの動きに興味を持っています。〜昭和61年3月北海道大学医療技術短期大学部理学療法学科を卒業し、同年4月旭川医科大学医学部付属病院(現:国立大学法人 旭川医科大学病院)勤務。平成28年3月31日同病院退職〜
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