2008年02月29日

ベッカム選手の日本サッカーにおける功績その1 インフロントキックの蹴り方

 先日のパンパシフィック選手権で、ベッカム選手が試合している姿を久しぶりに見ました。
相変わらず精度の高いキックが健在そうでしたが、試合中ガンバのバレー選手につっかかったり、試合後にスタンドの観客に挨拶した後に振り返った時の目つきが怒りにメラメラ燃えてたりと、フラストレーション溜まっているなぁ、というカットが個人的には印象に残りました。

 さていきなり結論ですが、ベッカム前とベッカム後の変化を一言でいうと、
「平均的な日本人が上手いと考える選手」に「キックが上手い選手」が加わったことです。
ここで言う平均的というのは今これを読んで頂いてるようなサッカーファンではなく、普段はサッカーには興味がない日本人ですね。

 僕が小学生の時に、サッカーのことをよく知らない大人達が語る上手いプレーヤーは、主にドリブルが上手い選手、リフティングが上手い選手だったと思います(サッカーが語られることなんてほとんどなかったですが、今と比べると)。その世情に合わせるがごとく、サッカー小僧であった当時の僕は、ドリブルやリフティングの練習ばかりしていました。

 それから時は移り、1993年にJリーグが開幕してからは、「ジーコ・ストイコビッチ・レオナルド」などに代表されるスター選手のテクニカルな部分が最も注目を浴びていたように思います。もともと華麗なボールテクニックを有難がる国民である僕らは、「スター選手達」の派手なプレーにばかり目を奪われ、絶賛していくことになります。

 面白い変化が起こったのは、中田英選手が日本代表で活躍したころでしょうか?
フィジカルと適確なフィード能力で、中盤をコントロールする玄人好みのプレースタイルが日本で認知されるようになりました。
日韓W杯が近づき、普通の日本人もサッカーに関して理解を深めていくようになったというタイミングと重なったのかもしれませんね。

 そして、ベッカム選手の登場。
まず何よりそのルックスで日本人女性を魅了しましたね。
仏W杯の退場劇あたりから注目され始め、日韓W杯前になると顔だけでなくそのプレーもメディアに多く露出されるようになっていきます。

 そのベッカム選手の一番の特長は、中長距離のキックです。
クロス・アーリークロス・サイドチェンジ・後方からの長距離スルーパス・直接FKなどなどを、狙ったところにピンポイントで合わせる技術は、今までのサッカー史を眺めても超一流なはずです。
しかし、身体能力・DF能力・ドリブル能力・決定力・メンタル・予測能力・イマジネーションなどは超一流とまで言えなく、
特に日本人が好きな「派手なテクニック」というものは持っていませんでした。
「中長距離キック」(とルックス)だけでのし上がったと言っても過言ではないのです。

 他が並みの能力でもキックさえ上手ければチームの主力・武器となるということ、中長距離のキックがサッカーでいかに大切か、
ということを、
ベッカム選手は僕らや一般ピープルに教えてくれたように思うのです。
子供の頃の僕は、ドリブルやリフティングばかり練習していたのですが、
おそらくベッカム選手のおかげで、インフロントキックを練習する子供達が日本で増えたことでしょう。
それが日本のサッカー界にもたらした功績であると考えています。

 僕はというと、恥ずかしながらフィジカルと長距離キックを苦手としているので、いまだにボールテクニック(+ショートパスそして判断力)で勝負しています。
本来であれば、格好よく「ロングキックはこうだよ!」とキックの上達法にいきたいところですが、むしろ僕自身がいまだに練習している段階です。
そこで、今回は他の方のHPを紹介することで締めくくりたいと思います。リンクフリーらしいので、いきなり。

http://www.bankokudo.com/

↑「サッカー キックの蹴り方・練習方法 徹底解説」管理者:笠原 武夫さん
かなり見やすい上に、とてつもなく詳しく解説が載っていますし、「各選手の分析」では僕よりも細かく的を得たベッカム選手の分析もされているので、役立つはず+面白いです。

僕も明日、原っぱで練習するつもりです。初中級者の皆さん頑張っていきましょうね!!!
明晩は、笠原先生の教えを受けての練習の成果をコメントしたいです。

ちょっとエドゥアルド選手について書きたくなったので、、、寝る前にもう一仕事します。やっぱ寝る、いややっぱ……いや……寝ることにしました、すみません。

(結局、追記に加筆しました)
 エドゥアルド選手は、ブラジルのリオデジャネーロのスラム街が出身。
地元の青少年スラム街選手権で優勝したことで、16歳の時にクロアチアのディナモザグレブにスカウトされたそう。
その後、クロアチア国籍を取得。前季の国内リーグ得点王。
 
 今季アーセナルに移籍、なかなかチームにはフィットしきれなかったが、時に見せるエリア内の芸術的なフィニッシュは印象的。
 が、先週の試合中に大怪我を負い、全治9ヶ月。相手のテイラー選手は3試合の出場停止となる。

 「(本人も)ねらってやったことではない」「サッカーではよくあること」
と相手のテイラー選手を許すコメントをしたエドゥアルド選手。

 今も奪い奪われを繰り広げているであろうスラム街に育ったエドゥアルド選手だからこそ、奪う人間と奪われる人間という両者の心の痛みを感じ取ることができるようになったのだろうか……同選手のコメントを読んだ時、思わずウルッときちゃいました。

 元気な姿をピッチで見られる日を待ち望んでいます。

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posted by アーセン777 |23:55 | キック | コメント(12) | トラックバック(0)
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ベッカム選手の日本サッカーにおける功績to

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ジーコの頃から、好みは変化してないように思いますよ。
ロナウジーニョを見るまでもなく、日本人は今だテクニカルな選手が大好きです。
ベッカムは日本ではどちらかというとキックだけの選手というネガティブな捉え方をされる事が多いと思います。
中田に関しては、期待はあったものの代表では結果をいまいち残せず、メディア主導のスターづくりに対する反省を残したと思います。

posted by sage | 2008-03-01 00:52

sageさん、ありがとうございます

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う~ん、反論できないですね。
というのは僕の心に、
「もっと日本人がキックうまくなったらいいなぁ」「子供達がインフロントをいっぱい練習してくれるようになっていてくれればいいなぁ」という願望が胸いっぱい敷き詰まっているからです。自分への願望も含めて。
中田元選手に関しては、ペルージャ&ローマ時代のインパクトが本当に強烈でしたから、その後は周りの期待の方が過剰になっていたのかな、とちょっと思います。
中田元選手は今解き放たれたような、とても良い表情を見せてくれているように僕には感じます。が、そのことから逆に当時のしかかる重圧の重さを理解できるような気がします。
だから「メディア主導のスターづくり」が本人にとってマイナスだったのではないか?という意味で、反省を残したことに賛成です。

posted by 筆者 | 2008-03-01 01:29

ベッカム選手の日本サッカーにおける功績 キックの上達法

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僕もベッカムのキックには影響をうけた一人でした。その前は、ドュンガでした。

日本では当時、よくベッカムはドリブルできない、シュートを打たない等言われてましたけど、彼のプレースタイルを理解できる人があまりいなかったんでしょうね。

posted by のり | 2008-03-01 02:03

ベッカム選手の日本サッカーにおける功績 インフロントキックの蹴り方

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キックだけの選手・・・でもいいと思います。
逆サイドに選手を見つけたその瞬間に右足一閃(もちろんノンステップで)、すると次の瞬間にはボールはその選手へ・・
何度も痺れましたが、そのプレーも見る機会がめっきり減っちゃって、さびしい限りですね。

posted by ななすけ | 2008-03-01 07:09

ベッカム選手の日本サッカーにおける功績 インフロントキックの蹴り方

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大多数が影響は受けたとはいいませんが、ベッカムのキックが与えた影響は大きいと思います。

俊輔のFKはむかしから有名でしたけど、日本でFKにスポットライトが当たったのは、やはりベッカムの右足の影響が大きいでしょう。

さらに、アーリーも含めてクロスについては、ベッカムを基準に日本人選手のクロスの質を判断しているファンも多いのではないでしょうか。

現役の選手では、流れの中での俊輔のクロスは日本人選手の中では質が高いですが、ベッカムと比べると見劣りがします。
もちろん、FKは遜色ないほどすばらしいと思います。

話は違いますが、日本人は中田英に代表の勝敗や内容の質の責任を負わせすぎでした。
11人のうちの1人でしかないのに、それが半分以上の代表選手には分かっていなかったと思います。
ペルージャは弱小だったから中田英は王様になれたけど、ローマでの中田英は決して王様ではなく、11人のうちの1人どころかベンチ外だった時期がすごく長かった。
だから、彼はディベート的に他の選手と議論をしてたんじゃないかな?

でも、日本人は議論が不得意だから。
特にスポーツ選手は。

中田英と対等に議論したり、論破できる力がなかったんじゃないですかね?
だからこそ、裏で陰口を叩いたんじゃないかな、と思います。

posted by ジダ | 2008-03-01 08:08

ベッカム選手の日本サッカーにおける功績 インフロントキックの蹴り方

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はじめまして。楽しく読ませていただきました。

FKは言うまでもありませんが、ベッカムの右足からの中距離フィードやクロスボールの質は、私も超一流だと思います。キック以外は並みの選手という見方をされてしまうのは、ベッカムの母国・英国でも同じで、「FKだけが上手いミスター・グッド・ルッキング」とか「セットプレーの時だけTV画面に登場するスパイスボーイ」等と英国のマスコミに揶揄された事もあります。でも、私は、彼のように一芸に長けた選手は好きですね。あのキックは、見ていて気持ちが良いです。キックの質はベッカムのそれとは違いますが、「気持ちのよいキックの持ち主」として、ジェラードもしばらく前から注目しています。

キックの魅力を伝えられる日本人選手が、これから出てきて欲しいですね。

posted by sinfonia | 2008-03-01 08:52

のりさん、ありがとうございます

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>その前がドゥンガ選手
のりさん、渋いですね。
僕はその頃あまりサッカー観ていなく、特にJリーグのことは当時見下していたと思います。見下せば、その時点で学ぶという行為を止めてします、自分にとっても勿体なかったなって考えています。
>彼のプレースタイルを理解できる人があまりいなかったんでしょうね。
まだまだ日本人のサッカー認識が甘いのですね、時に自分自身についても実感します。
欧州・南米のクラブには100年以上の歴史を持つところがありますが、日本はヴェルディの39年。

posted by 筆者 | 2008-03-01 10:19

ななすけさん、ありがとうございます

コメント投稿者ID :

>キックだけの選手・・・でもいいと思います。
そうですよね。
サッカーでは、人よりも正確なキックがあれば先天的な身体能力の差を挽回できる、ということでもありますからね。

>何度も痺れましたが、そのプレーも見る機会がめっきり減っちゃって、さびしい限りですね。
何度も痺れましたね。ベッカム選手のロングフィード観てブルッと寒気がしたことも何度かあります。……寂しいですね。

posted by 筆者 | 2008-03-01 10:25

ジダさんあ、ありがとうございます

コメント投稿者ID :

中村選手とベッカム選手の比較については、僕も同じ考えです。
日本人のクロスの精度が今後高まっていくといいですね!

>中田英と対等に議論したり、論破できる力がなかったんじゃないですかね?
だからこそ、中田英と対等に議論したり、論破できる力がなかったんじゃないですかね?
だからこそ、裏で陰口を叩いたんじゃないかな、と思います。
 この点、僕も着眼点が同じなんですが、考え方が少し違うので聞いて下さい。
ドイツW杯当時、「裏で陰口を叩」いていましたし、チームの心は1つになっていませんでした。
その原因の1つをジダさんは、周りの選手のコミュニケーション能力にあると考えていると思うのですが、僕は主に中田元選手のコミュニケーション能力にあるのだと考えています。
まず、中田元選手と他の選手の影響力を比べてみると、明らかに中田元選手の影響力が上だったことが1つ。
そしてここからは直感なので根拠に欠けるのですが、
中田元選手は、彼の高い頭脳とサッカーへの深い理解から、「論理的で正しいこと」を他のメンバーに語りかけていたと思います。
ですが、人間は論理ではなく感情で動く動物です。「一ミリでも感情が論理を上回る」コミュニケーションを心掛けなければ、人は本当に心から動いてくれないのです。
まして監督ならともかく、同じ選手としてリーダーシップを発揮するには、他の選手の感情は余計に気を使うべきポイントだったのかもしれません。
材料が集まったら、一度「サッカーシーンにおけるリーダーシップ分析(仮)」を掲載してみたいと思います。
ジダさん、(これを読んで自分の考えとは違うと思ったりしたら特に)ぜひまたコメント下さい。議論深めていきましょう!!

posted by 筆者 | 2008-03-01 11:01

sinfoniaさん、ありがとうございます

コメント投稿者ID :

こちらこそ、はじめまして
>楽しく読ませていただきました。
嬉しいです。sinfonia=交響曲(辞書で調べました)おしゃれですね。

>「FKだけが上手いミスター・グッド・ルッキング」とか「セットプレーの時だけTV画面に登場するスパイスボーイ」
↑爆笑
>私は、彼のように一芸に長けた選手は好きですね。
僕も好きです。周りが否定しても、自分を信じて1つの道を極めていくのは大変なはずです。だから、そういう人は少なく貴重で、またそういう人だけが1つのプレーだけで人を感動させることができるのかもしれませんね。
 ジェラード選手、いいですね~!すごく憧れます。解説者の話では、スタジアムに行くと彼だけボールのキック音が違うそうです!!
 ロベカル選手や、最近ではセビージャのダニエウアウベス選手も「気持ちいい」ですよ。

>キックの魅力を伝えられる日本人選手が、これから出てきて欲しいですね。
↑結局は、これですよね~~
Jの日本人では誰ですかね?パワー系なら神戸に移籍したノリカル選手???前季に何回か東京の試合をスタジアムで見たのですが「比喩とかでなく本当に幻の左」で終わっていました(泣)

posted by 筆者 | 2008-03-01 11:24

ベッカム選手の日本サッカーにおける功績その1 インフロントキックの蹴り方

コメント投稿者ID :

中長距離のパス精度を磨くことは日本人でも出来そうですが、距離が長くなればなるほど、日本人の弱点も見えてくるんじゃないでしょうか?

ぶっちゃけ、日本人はキック力がないと思います。
ベッカムにしろ、ジェラードにしろ強烈なキック力を持ってて、海外ではロベカルのような小さい選手でも爆発的なキック力をもつ選手が多いです。
そうなってくるとワンステップでのロングフィードやアーリークロスなどは現実的に厳しいのかなって思います。
だからこそ、本田などキック力のある選手には期待してしまうんですが。

posted by jhg | 2008-03-01 14:20

jhgさん、ありがとうございます。

コメント投稿者ID :

確かに、日本人は海外の選手に比べるとキック力ないのは事実だと思います。ベッカム選手・ジェラード選手と比較するとその差は歴然です。
問題は、精度です。
キックの距離でも負ける、精度でも劣るでは、基本的な身体能力で劣る日本人が太刀打ちできる要素がますます少なくなりますから。
実際にクロスの精度が足りないために得点できないという勿体ないシーンを日本代表の試合でよく見ます。それが改善するだけで大分違ってくるはず。
けれど、本田選手には僕も期待しています!

posted by 筆者 | 2008-03-02 00:01

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