2008年03月04日

長谷部 誠選手のインタビューと、そこから考える日本の課題 その6 6まできたかぁケーススタディその3

小学生チームのコーチ兼審判をされている吊られた男さんから再びコメントを頂きましたので、ご紹介します。

■「個性を伸ばす」ことについて
これは重要だと思います。厳密には「その子の特性に合わせて最大限に能力を開花させること」が指導者の勤めだと思います。
(弱点克服も含みますが)チームでの取り組みとしては全体練習の他に、その子に「君は○○を伸ばすといい」などとその子の特性を考えて伸ばすべきポイントと強化すべきポイントをアドバイスしています。
同じドリブルを教えるにしても足が速い子にはrun with the ball、テクニカルタイプの子はテクニックやテンポでの抜き方などの比重を増やしたりします。

■コーチのやりがい
これは子供達の成長ですね。下手な子が入ってきて1年後にある程度プレーできるようになっていたりすれば嬉しいです。そして、時々OBの何人かがグラウンドに遊びに来るするのですが、自分より上手くなっていると嬉しいですね。
そして教え子が卒業しても次に低学年の子が入るとその子の卒業まで見ていたくなり・・・なんてことを続けているうちに何だかんだで大学時代から10年以上も続けています。

■トップ選手の成長
トップ選手個人という観点から見れば、成長にために適切なレベル(無茶過ぎない程度に高いレベル)でプレーすることが重要だと思います。
そういう意味で、Jリーグで頂点クラスになった選手は、よりレベルの高い(その選手に適切なレベルの)海外リーグに移籍することは意義があるという意見です。

■リーグの成長■
Jリーグの底上げ(Jリーグへの若手の供給)には子供達の育成は重要だと思います。やはり新しい血が入ってこそです。
ただし、同時にある程度代表と切り離して考えてもいいとは思っています。それは育成によってトップのレベルを上げることは困難だと考えているからです。世界的に見てもそれで国際舞台で活躍するクラブが増えたようなリーグは見当たりません。そして、選手育成の観点から見ると、国内リーグが必ずしもトップ選手の育成の場である必要はないと考えています。世界最強といっても過言ではないブラジルの国内リーグは世界最高レベルとは言えないし、トップクラスの選手がほとんど他リーグで活躍しています。オランダ、フランスなどもそんな位置づけだと思います。これらのリーグで活躍してイタリア、イングランド、スペインに渡っていく。
私はJリーグの位置づけは、これらと同じでいいと思います。

posted by 吊られた男

吊られた男さん、ありがとうございます。コメントバックです。
■「個性を伸ばすこと」についての、「その子の特性に合わせて最大限に能力を開花させること」するスタンスには感銘を受けました! 僕も吊られた男さんのようなコーチに巡りあいたかったなぁ~~
ほとんどの人にとって、自分の特長を見抜いてアドバイスしてくれるコーチには巡りあうチャンスは少ないと思います。そういう「ほとんどの人」は、正確に客観的に自己を見つめて長所を伸ばしていくか、または自分よりも上手でしっかりとしたサッカー観を持ってる人に聞いてみるのも1つですね。大抵のサッカー馬鹿にサッカーの深い相談をすると、喜びますからね(自分だけかな?)。

■コーチのやりがいを、「子供達の成長」と答える……素晴らしいですね!!
普通だったら、チームが勝つことにやりがいを求めてしまってもよいものですが。
勝利主義と育成主義は時に相反するでしょうし、特に子供の指導では。 

■トップ選手の成長■リーグの成長について、吊られた男さんは、Jリーグは若手選手育成&輸出タイプで良いという意見ですね。
ブラジル・アルゼンチンはもちろん輸出国ですが、ご指摘されているフランス・オランダも若手選手育成・輸出型のリーグですね。特にフランスは、海外でプレーする選手数ランキング1位ブラジルに続いて、なんと第2位に輝いています。アルゼンチンより上なんですね(元ネタご存知の方、URLなど教えて下さい)。
しかし、ブラジル等では国内リーグの空洞化が人気低調を引き起こしているという側面もありますね。
後ほど、僕の意見を述べます。

対照的な意見として、
続いて、kumaさんのコメントを紹介します。

>Jリーグ全体や・日本代表のレベルアップを目標とするのであれば選手の海外移籍は効果が少ないのではないでしょうか。
 理由のひとつは欧州・南米と日本の距離です。
ジーコ監督も苦労されていたように、欧州クラブの選手を集めた上で、戦術的にまとまったチームを作るのはスケジュール的に困難でしょう。
 もうひとつですが、欧州移籍した選手がJリーグに戻ってきた場合でも、その成果や経験がJのチームや日本のサッカー界全体に還元されているようには思えません。中田英のように戻ってこない場合もありますし。
 やはり、長期的な視野にたった育成がポイントとなるのではないでしょうか。
トップのチームから下部組織にいたるまで、多くの指導者が欧州や南米の育成方法・練習方法を習得し、実践的なスキル(オープンスキルでしたっけ?)を選手に植えつける機会が増える必要があると思います。
ただし、そのためにはJFAやリーグによるスーパーバイズが不可欠と思います。
今までも外国人監督や、外国で研修した監督が指導してきたJのチームは多いですが、欧州的な指導方法が定着しているとはいえないわけですし。
posted by kuma 


a.「欧州・南米と日本の距離」と b.「その成果や経験がJのチームや日本のサッカー界全体に還元」されていないことから「選手の海外移籍は効果が少ない」という意見ですね。

 僕もそう思います。
特に、b.については僕も感じます。たしか「FOOT!(http://www.jsports.co.jp/tv/foot/010/012foot/)」の倉敷さんも同様のコメントを口にしてました。
なぜそう思えてしまうのでしょうかね?ちょっと自分のことながら僕には分からないです、中田英の印象が強いのでしょうか。とはいえ、還元されてるかどうかをどう判断するのかは難しいですよね、人によって還元の基準が違いますし、あまり目には見えないこともありますし。
それに、海外にいる時はマスコミが盛んに取り上げるのですが、国内リーグに戻ると1Jリーガーとして活躍しなければスポットライトを浴びにくくなります。見る側の興味も薄れてしまっているのかもしれません。
この点は一過性的なものでこれから改善されていくものだと僕は楽観視していますが。

 kumaさんのご指摘するa.の「距離」を解決する意味でも、欧州で活躍する日本人選手が増えてブラジル・アルゼンチンの様に欧州で合宿や国際親善試合を行えると最高だと僕は思うので、
僕の理想のJリーグは若手育成・輸出型です、
がそれは実現したとしてもまだまだ先の話でしょうね。

 それまでは、育成のシステムを確立することでしょうね。
「欧州や南米の育成方法・練習方法」を取り入れて、日本サッカー界全体で、個性と能力を持ったタレントを継続して輩出できる仕組みや環境を整えなければ、若手育成・輸出型のJリーグは実現不可能ですから。
 
 あとは、メキシコ型のリーグを目指すというのもありますね。
確かメキシコは、
・リーグとしては、人気もレベルも高く、選手の給料も高く、ファンの質もよい
・体格を日本人と比べると、身長は同じくらい、骨格や筋肉は日本人よりも逞しい
・育成も上手くいっててユース年代も強い
・フル代表もW杯16強に残るなど近年また実力を伸ばして、バルサのマルケスも主力として代表で活躍するがチームには国内リーグ所属選手が多い
という程度の認識なのですが、詳しい方がいたら教えて下さい。僕も今度調べています。

 今回は、吊られた男さんとkumaさんのおかげでより議論を発展できたと思います。
改めて、ありがとうございます!
いやぁ正直アマチュアサッカーブロガーとしては本当に苦戦しました。
けれどその分、よい勉強にもなりました。
また皆さんのご参加お待ちしております!

※当ブログでは、皆さんのコメント参加を歓迎しています。その際は、悪口により人の感情を害するおそれのある表現を使わないようにご配慮して下さい。該当した場合は遺憾ながら削除させてもらいます。
(↑ロッキーさんのコメントを受けて、ちょっと変えてみました。ありがとうございます)




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posted by アーセン777 |01:17 | 日本の課題 | コメント(5) | トラックバック(0)
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0303長谷部 誠選手のインタビューと、そこから考える日本の課題 その6 6まできたかぁケーススタディその3

コメント投稿者ID :

kumaさんの日本代表のレベルアップに関するアプローチは正しいと思います。しかし、それでも私の結論が異なるのは「ナショナル代表に対する考え方の差」かと思います。

私はナショナル代表は「個のあつまり」であるべきと考えており、練習や合宿を繰り返して戦術的にまとまったチームにするものでは無いと考えています。

あくまでプロサッカーの中心はクラブチームと考えており、国代表の試合はその合間に行われるものという感覚なのです。そういう意味ではオールスター戦的な要素があるかもしれません。
ですので、国代表での練習よりまずはクラブを優先すべきで、国代表では大事な大会の直前での練習程度でいいと考えています。国代表の合宿や親善試合で全力でプレーして怪我をしたり、疲れを残してクラブでのパフォーマンスが落ちるのは正直納得がいきません。その選手に金を出しているのはクラブチームです。ですので、かつてのG14などが強く主張していた「代表はクラブチームに補償しろ」という意見にはある程度賛同しています。
仮にブラジル代表と日本代表が親善試合をするとしたら、AC Milanファンの私としては「KakaやPatoが怪我をしないこと」を最優先に願います。

私は、このようにクラブが本業、代表はある種のお祭りと捕らえているので、熟成された組織としての強さを求めていません。ですので「距離が遠いから一緒に練習ができない」を問題では無いと考えています。


日本人は世界でも有数のオリンピック好きなように「国の代表」ということに重きを置く傾向があるので、日本人としては私はマイノリティーだと思っています。ただ、どうしても私はクラブチーム中心としか考えられないのです。
ですので、「日本サッカーのレベルアップ」という言葉から私が連想するのは「Jリーグのレベルアップ」か「ジュニア世代の底上げ」であって、「日本代表のレベルアップ」ではありません。

posted by 吊られた男 | 2008-03-04 20:23

吊られた男さん、ありがとうございます

コメント投稿者ID :

いつもありがとうございます、本当に。
新たなページを立ち上げて、そちらでまたご紹介させて頂きます。

posted by 筆者 | 2008-03-04 21:43

長谷部 誠選手のインタビューと、そこから考える日本の課題 その6 6まできたかぁケーススタディその3

コメント投稿者ID :

吊られた男様

その通りですね。
やはり本来はクラブがサッカー文化の中心であるべきなのでしょう。

私がサッカーを見るきっかけになったのが1982年WCで、ブラジル黄金のカルテットの華麗なプレーと同時に、大会の「国の誇りをかけた壮大なお祭り」としての盛り上がりに感動したためです。

それ以来、どうしてもサッカー鑑賞の軸足がクラブチームよりもナショナルチーム寄りになってしまっています。

サッカーは他のスポーツと比べても、そのプレースタイルに国や民族の特徴が色濃く反映されるように思えます。そのようなところからも、私はついつい日本代表に感情移入してしまうのでしょう。他の面ではナショナリストでは全くないつもりなのですが。

しかし、サッカー文化はナショナルチームのみでなく、その国のリーグや、そこに属する個々のチームも担うべきなのでしょうね。

オシムは「日本のサッカーを日本化する」と言っていました。理想は日本代表チームのみならず、国内のサッカーチーム(トップから底辺まで)が一つ一つ独自のカラーを発揮しながらも、共通した「日本化されたサッカー」のニュアンスを持ち、かつレベルアップしていくことでしょう。まだ、「日本化されたサッカー」の像は見えていませんが。

今後数十年かけ、「選手個人の挑戦」「ジュニアの育成」「個々のチームのレベルアップ」「指導者や審判の育成」「サッカーファンの拡大」など、さまざまな要素を通じて日本のサッカー文化が成熟していけばいいなと考えています。

posted by kuma | 2008-03-04 23:58

(kumaさん、ありがとうございます)

コメント投稿者ID :

(今回は吊られた男さん宛なのでお返事控えますが、ありがとうございます。)

posted by (筆者) | 2008-03-05 00:37

長谷部 誠選手のインタビューと、そこから考える日本の課題 その6 6まできたかぁケーススタディその3

コメント投稿者ID :

kumaさん、

(返事が遅くなりました)

先のエントリーのコメントでも書かせていただきましたが、私もワールドカップやユーロなどという国代表の大きな大会の盛り上がりは独特で、クラブとは違った楽しみ方をさせてもらっています。ワールドカップともなれば仕事も手につきません ^^;


(あえて)私が「クラブ」と強く主張しているのは、「ちょと代表代表騒ぎすぎじゃね?」と思っているからストップを掛けたいと思っているからで、代表の存在そのものを否定するものではありません。
Jリーグのヒーローインタビューで「これで代表へのアピールになったと思いますが?」なんて質問もあまりにも多い気がします。こんな時に「リーグ戦は代表選考会じゃねー!!」なんて思ったりするので・・・


いずれにしても地域の小さい子供達のクラブからプロのトップチームまで、さまざまなクラブで切磋琢磨して選手を育って、アマチュアからプロまで楽しいサッカーが広まってくれることを願っています。その中でボーナス的に「国代表」というお祭りがあるのかな・・・と思っています。

ファンとして応援する私にとっては【リーグ戦 = 基本給】【国代表 = ボーナス】かな????

posted by 吊られた男 | 2008-03-06 21:57

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