2007年09月19日

ボランチタイプからみるサッカー(2)代表編(過去~現在)

前回ブログに書いた内容に対するコメントが、日本人(A代表、五輪代表、Jリーグ)について結構あったので、今回は、日本代表ボランチについてです。

*前回ブログの、ボランチタイプからみるサッカー(1)で、簡単なボランチタイプの分類をしましたので、その分類に添って書かせて頂きます。選手の横にタイプを書き添えますが、その能力しかないというわけではなく、最も優れている特徴ということで、添えています。
タイプ1  守備重視、攻撃阻止タイプ
タイプ2  運動量タイプ
タイプ3  攻撃参加重視タイプ
タイプ4  演出家タイプ
タイプ5  万能タイプ
その他   他ポジションの選手が、チーム事情等でボランチをする場合

-過去のW杯、五輪日本代表-
全体のバランス、監督の嗜好等ありますが、このブログでは、ボランチのみについて書きます。

1998年フランスW杯 岡田監督 
代表選手 山口(タイプ1)名波(タイプ4)伊東(タイプ2)服部(タイプ1)
基本システム 3-5-2(2ボランチ) 見方によれば5-3-2
スタメン 山口(タイプ1)、名波(タイプ4)。相互補完性の高い組み合わせ。
結果 グループリーグ敗退(3敗)。総得点1 総失点4
相互補完性の高い組み合わせ。

的確なポジショニングで相手に好きなようにオフェンスさせないことが主眼。
さらに名波には、攻撃スタートの演出家としての役割。
山口には、守備専業、確実なつなぎ、攻撃時ミドルシュート。


2002日韓W杯 トルシエ監督 
代表選手 稲本(タイプ2)服部(タイプ1)福西(タイプ2,3)明神(タイプ1)戸田(タイプ1)
基本システム 3-5-2(2ボランチ+右サイド明神)
スタメン 稲本(タイプ2)戸田(タイプ1)
途中交代で稲本を外し、市川を右サイドに右サイドの明神(タイプ1)をボランチにという交代。
結果 ベスト16(1勝2分1敗)。総得点5 総失点3

稲本の運動量、攻撃時のセンスを発揮させる。
タイプ1でファイター型の戸田を守備専業に。そして、明神(タイプ1)も守備的に振舞い稲本攻撃参加時のフォロー。


2006ドイツW杯 ジーコ監督
代表選手 遠藤(タイプ4)福西(タイプ2,3)稲本(タイプ2)中田英(その他)
基本システム 1戦目3-5-2  2,3戦目4-4-2 ともに2ボランチ
スタメン 中田英(その他)+福西(タイプ2,3)or稲本(タイプ2)
互いに攻撃センスを持ち合わせるボランチ2枚。守備専業タイプのボランチを3戦とも使っていない。
結果 グループリーグ敗退(1分2敗)。総得点2 総失点7

基本は、ポゼッションサッカーの心臓部をになう役割。
中田英(その他)がパスの交通整理役。
福西(タイプ2,3)or稲本(タイプ2)の守備時の負担が大きくなり、両者の良さである攻撃参加は限定的に。


1996アトランタ五輪 西野監督
代表選手 服部(タイプ1)伊東(タイプ2)廣長(タイプ1)
基本システム 3-6-1(2ボランチ)
スタメン 服部(タイプ1)伊東(タイプ2)
結果 グループリーグ敗退(2勝1敗)。総得点4 総失点4

服部(タイプ1)の守備能力、相手OMFのマンマーカーとしての能力。
伊東(タイプ2)のタイミングのいい飛び出しで、相互補完していた。


2000シドニー五輪 トルシエ監督
代表選手 稲本(タイプ2)明神(タイプ1)
基本システム 3-5-2(2ボランチ)
スタメン 稲本(タイプ2)明神(タイプ1)
結果 ベスト8(2勝2敗)。 総得点6 総失点5

稲本(タイプ2)の飛び出し、豊富な運動量で、攻撃参加。
明神(タイプ1)のフォローアップ能力、ボールへの執着心で、相互補完。


2004アテネ五輪 山本監督
代表選手 阿部(タイプ4)今野(タイプ2)森崎(タイプ2)小野(タイプ4)菊池(タイプ1)
システム 3-5-2 4-3-3(3ボランチ)
ボランチ出場選手 阿部(タイプ4)今野(タイプ2)森崎(タイプ2)小野(タイプ4)菊池(タイプ1)
結果 グループリーグ敗退(1勝2敗)。総得点6 総失点7

各試合システム、スタメン等大幅に変えているんので、評価は難しい。
基本は、小野、阿部のパス供給役を今野、森崎、菊池がフォロー。

-過去の代表ボランチ総評-
これまでの日本代表は、守れるボランチ(タイプ1)の安定したバイタルエリアのカバーできていることが結果を左右している。
過去を調べてみると、日本のボランチは、守備からスタートしている。
ジーコが挑戦しようとしたことは、ボランチに守備専業をおかず、ボール保持率を上げることにより、相手の攻撃回数、時間を減らすことにより守る戦術。アジアでは、一定の成果を上げた。しかし、W杯では、7失点と守備の崩壊を招いた一因であることは事実。現状では、タイプ1を使わなければ、日本代表は国際競争力を保てないということをおしえてくれた。


-オシム監督のボランチ起用法-
過去19戦のオシム監督のボランチ起用は、

トリニダード・トバゴ戦       啓太(タイプ1)長谷部(タイプ3) ○2-0
イエメン戦             啓太(タイプ1)阿部(タイプ4) ○2-0
サウジアラビア戦          啓太(タイプ1)阿部(タイプ4) ●0-1
イエメン戦             啓太(タイプ1)阿部(タイプ4) ○1-0
ガーナ戦              啓太(タイプ1)遠藤(タイプ4) ●0-1
インド戦              啓太(タイプ1)憲剛(タイプ3) ○3-0
サウジアラビア戦          啓太(タイプ1)憲剛(タイプ3) ○3-1
ペルー戦              啓太(タイプ1)遠藤(タイプ4) ○2-0
モンテネグロ戦           啓太(タイプ1)憲剛(タイプ3) ○2-0
コロンビア戦            啓太(タイプ1)憲剛(タイプ3) △0-0
カタール戦             啓太(タイプ1)憲剛(タイプ3) △1-1
UAE戦                啓太(タイプ1)憲剛(タイプ3) ○3-1
ベトナム戦             啓太(タイプ1)憲剛(タイプ3) ○4-1
オーストラリア戦          啓太(タイプ1)憲剛(タイプ3) ○1-1 PK勝ち
サウジアラビア戦          啓太(タイプ1)憲剛(タイプ3) ●2-3
韓国戦               啓太(タイプ1)憲剛(タイプ3) ●0-0 PK負け
カメルーン戦            啓太(タイプ1)阿部(タイプ4) ○2-0
オーストリア戦           啓太(タイプ1)稲本(タイプ2) ●0-0 PK負け
スイス戦              啓太(タイプ1)稲本(タイプ2) ○4-3

スタメン              回数  勝敗     総得点  総失点
啓太(タイプ1)憲剛(タイプ3) 10回 6勝2分2敗 19   8
啓太(タイプ1)阿部(タイプ4) 4回  3勝1敗    5   1
啓太(タイプ1)稲本(タイプ2) 2回  1勝1敗    4   3
啓太(タイプ1)遠藤(タイプ4) 2回  1勝1敗    2   1
啓太(タイプ1)長谷部(タイプ3)1回  1勝      2   0

オシムのファーストチョイスは、啓太。
啓太は、攻撃への貢献度の低さ、パスミスこそ多少あるが、バイタルエリアでの守備、運動量、危険察知センスで、他の日本人を圧倒している。
パスセンス、シュート力の高い憲剛、パスセンス、CBもできる守備能力の高い阿部は、啓太との相互補完性の高いチョイスだ。
稲本をオーストリア遠征で試したのは、憲剛、阿部に足りないフィジカルの強さ、運動量に期待してではないだろうか。2試合目のスイス戦で、フル出場し、後半の内容から、次も召集できる時にはするだろう。


ー現状の序列-
1、啓太(タイプ1)
2、稲本(タイプ2)
3、憲剛(タイプ3)
4、阿部(タイプ4)
5、橋本(タイプ1)
6、今野(タイプ2)
7、伊野波(タイプ1)
8、長谷部(タイプ3)
といった感じでしょうか?


アジアカップの結果などで、オシム批判をされている方も増えていますが、ボランチに関しては、過去の監督よりカードの枚数、安定性も優れていると思います。

次回は、北京五輪予選代表の梶山、本田拓の代わりはどうするのかを書くつもりです。もしくは、A代表について、もっと深く。

posted by 管理人 |00:07 | ボランチ | コメント(14) | トラックバック(0)
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2007年09月15日

ボランチタイプからみるサッカー(1)

メディアーノ、ピボーテ、ゼクサー、ニュメロ・シス、ヌーメロ・シンコ、セントラル・ミッドフィルダー…
広い意味で日本でいうところの守備的MFと同じ中盤の中央のプレーヤーだ。
日本ではボランチ守備的MFと表現されるが、現代サッカーでは、守備だけではいけないことはみなさんの共通認識でしょう。
ここでは、ボランチという名称を簡単に書くと、OMF(トップ下)よりも後方に位置し、より守備的なタスクを担うポジションいう前提で書かせて頂きます。


-ボランチのタイプ-
個々人の能力は違うが、5つのタイプに簡単に、やや強引かもしれないが分けてみる。
*選手個人名も書きますが、もちろん、1人1つのタイプでなく、どのタイプにより特化している選手かということです。

タイプ1  守備重視、攻撃阻止タイプ
特徴     ボール奪取、危険察知能力、バイタルエリアのカバー等の守備能力。
        フィジカルコンタクトの強さ。
        攻撃参加は1試合1本シュート打つかどうか程度
海外選手   アルベルダ、エジミウソン、カンビアッソ、ガットゥーゾ(タイプ1+2)、マケレレ
日本人選手  鈴木啓太、橋本、明神、青木等


タイプ2  運動量タイプ
特徴    攻撃では、ボールをもっていない時のスペースへの走りこみ。
       守備では、プレッシング。
       運動量、攻守でのダイナミックさ。
海外選手   G.シルバ、ダービッツ、ガットゥーゾ(タイプ1+2)等
日本人選手  稲本、今野、伊東


タイプ3  攻撃参加重視タイプ
特徴    前線への攻め上がり。
       攻撃的思考、ドリブルorシュートが得意。
       いわゆる、セントラルMF。
海外選手   ジェラード、ランパード、スコールズ等
日本人選手  中村憲、長谷部、福西、梶山


タイプ4  演出家タイプ
特徴    ショート、ロングパスの精度、タイミング。
       状況判断力、戦術眼。
海外選手   ピルロ、ヴェロン、シャビ・アロンソ、モントリーボ等
日本人選手  小野、阿部、枝村


タイプ5  万能タイプ
特徴     タイプ1~4を一定水準以上備えている選手。
海外選手   セスク、デロッシ、ヴィエラ、フリンクス等
日本人選手  該当者なし(私が思い浮かばないだけかもしれないが…)

こんな感じです。
その他、チーム事情で他ポジションの選手がボランチをする場合がある。

-日本人のボランチは?
日本人代表クラスの選手をタイプ別に分けてみたが、みなさん異論があると思います。
タイプ1の鈴木、2の稲本、3の中村憲、長谷部あたりには、特徴がはっきりしたものがある。その他の選手には、特徴が薄く感じる。もっと、いいところを伸ばして自分の特徴を出していって欲しい。


-4-4-2の2ボランチ-
攻撃優先で考えるか、守備優先で考えるか監督の嗜好によるが、基本的にタイプ3か4を使う場合タイプ1か2を使わないとそれぞれの特徴がいかしきれない。だから、ほとんどのチームで3、4を2人使えない。
例 レッズの小野、長谷部を並べず、啓太重視 
  イングランド代表 ジェラード、ランパード 2人同時期用するが、かみ合わず
タイプ2の選手は、基本的にどのタイプともかみ合う。
タイプ1と並ぶ場合は、攻撃面でより貢献し、タイプ3か4と組めば守備面でより貢献する。

-4-2-3-1の2ボランチ-
2ボランチ+トップ下で中央に構えるシステム。
このシステムは、いかにボランチが得点に絡むか。
タイプ2か3を使うなら、ゴール前にいかに顔を出すか。
タイプ4を使うなら、展開力をいかに使わせるか。
このシステムを採用しているのはローマ。
デロッシ(タイプ5)アクイラーニ(タイプ3)がファーストチョイス。両者とも攻撃特性の強いタイプ。かみ合わないはずだが、ボランチもできるペッロッタ(タイプ2)がトップ下をしており、3人+タッディの運動量で守備を補っている。


-3ボランチ-
大きく分けるとミランタイプとバルサタイプ。
ミランは、4-3-2-1。
3人は、ガットゥーゾ(タイプ1+2)ピルロ(タイプ4)アンブロジーニ(タイプ1)が基本。ピルロを中央の底に配置し展開力を最大限に生かすため2人がサポート。

バルサは、4-3-3。
3ボランチは、イニエスタ(タイプ3)トゥーレ(タイプ2)シャビ(タイプ4)
テクニカルな3人が並び、トゥーレが、守備に汗を流す。


-1ボランチ-
最近かなり減ってきたシステム。
1ボランチでは、負担が大きく、周りとの連携がより重要に…

4-4-2のダイヤモンドでも、サイドにインサイドハーフをおいて守備時は、ボランチのカバー。
4-1-4-1でも、守備時は、2か3ボランチになる。


-今後の展開-
基本的にノープランで、ボランチについて書いてみました。
今回は、序章ということで…
今後は、
オシムは、鈴木啓太はなぜ重宝されるのか?
レッズで小野、長谷部は共存できないのか?
ビッグクラブのボランチ構成。
ビッグクラブのシステムに日本人を当てはめるとどうなるか?
過去のボランチレジェンド
日本人ボランチの可能性などなど。
方向性は固まって無いですが、ボランチについて書いていきたいと思います。

posted by 管理人 |21:42 | ボランチ | コメント(30) | トラックバック(0)
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