2006年10月16日

なんでできるの、そんなコト! ~視覚障害者サッカー その1~

10月15日。快晴の空の下、神戸へ足を運んだ。頬をなでる風は爽やかなのに、日差しがまだまだきつい。Tシャツを着ていたため、恐ろしいことに腕時計の跡がしっかりと残るほどの紫外線を浴びつつ、視覚障害者サッカーの大会を取材してきた。アテネパラリンピックで試合を観戦した経験があるが、今回ほど至近距離で見るのは初めてだ。個人的な感想だが、視覚障害の競技は、他の身体障害の競技とはまたちがう魅力がある。スポーツとしてのおもしろさに加え、ヒトの能力の超越っぷりに心奪われるのだ。

「第5回日本視覚障害者サッカー大会」。今回は、「全国障害者スポーツ大会 のじぎく兵庫大会」のオープン競技も兼ねているが、視覚障害者サッカーの国内最大規模の大会だ。全国から、B1(全盲)クラス7チーム、B2/B3(弱視)クラスの4チームが参加し、頂点を目指した。視覚障害者サッカーは、フットサルと同じコートを使い、1チーム5人で行う。そのうち4人がフィールドプレーヤーで、ゴールキーパーは晴眼者または弱視者が行う。

B1クラスでは公平を期すために、フィールドプレーヤーはピッチ上ではアイパッチとアイマスクをつけてプレーする。そして、ボールの中に埋め込まれた音源と、味方の声、ゴールキーパーの指示、ゴールネットの裏から指示を出すコーラーの掛け声によって、ピッチ内を移動する。当然、選手同士も声を出して存在をアピールするわけだが、タイミングがずれたり曖昧だったりすると、激突してしまう危険性もある(安全のため、ヘッドギアは装着)。一方で、ゴール前で味方のパスを受けて、トラップしてシュート! なんて華麗な技を目の当たりにすることも。

コーラーは、味方選手がゴール前に攻めてきたときに大声で指示を出す。その言葉によーく耳を傾けてみると、「左前あいてるよ! (今、ゴール前の)右45度(にいる)! (ゴールまであと)6メートル! シュート!」と、ごく端的に状況を分かりやすく伝えていた。プレーヤーは、頭の中に自分と味方選手のポジション、そして戦略をしっかりとインプットしたうえで、こういった指示を聞き分けている。大きな大会などでは、試合を重ね後半になってくると頭痛を引き起こすこともあるというほど、すさまじいほどの「音」に対する集中力である。さらに、チームメートとのコミュニケーション、そして優れたイマジネーションに、ただ脱帽である。

たとえばわたしがアイマスクをつけたとしたら、ただ立っているだけでも平衡感覚が失われるだろう。でも、彼らは自由自在にピッチを駆け巡っている。しかもボールを操りながら。試合開始からものの数分でそのパワーに圧倒され、ポカンと口を開けて見ていた私は、興奮してシャッターチャンスを逃しまくり、しかもやっとこさ撮った写真はブレまくり。挙句の果てには、ゴールの場面ではカメラの存在を忘れて両手を挙げて喜んでしまうスゴさ、と表現したらこの感動をわかってもらえるだろうか・・・。

posted by amiharu |19:03 | ブラインドサッカー | コメント(4) |
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