サッカーと心身の使い方

周りを観て判断する

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 こんにちは、昨日JFAのテクニカルニュースを読んでいて、育成年代のトレーニングにおいて「観る」と「タイミング」ということがテーマになっている記事を読みました。そこで、アレクサンダー・テクニークの視点から、コーチが「見ろ」「よく見て判断しろ」という指導を行ったときに選手に起こっている可能性があることについてお話したいと思います。

 コーチが「よく見ろ」とか「よく見て判断しろ」という声かけをしたとき、子供達に起こっている可能性のあることとしては①何を観て良いのか分からない。②分からないので一生懸命に人とボール(もしくはコーチが指示したところ)を見ようとする。③見よう見ようと頑張って目を固めてしまう。④その緊張が首から脊椎に伝わり、手足の自由度が奪われる。⑤一点もしくは狭い範囲を注視したために、ピッチの全体的な情報を集めることができなくなる。⑥その結果、間違った判断をしてしまう。⑦ミスをしてますます硬直してしまう。ということが考えられます。④の結果、キックやコントロールの精度も落ちて、ますますミスが重なり、なんとかしようと頑張れば頑張るほどミスにつながって行くというマイナスのループにはまってしまうことも考えられます。

 子供達に頭を突き出して首を固め、目に力が入っている様子が見えたら、声かけの言葉を「人、ボール、スペース、ゴールなど周りの景色が目に入ってくることを許して」とか「目が自由に行きたいところにいかせて」などに変えてみましょう。「見る」というプロセスは対象物が光として目の方に向かって飛び込んでくるというのが実際に起こっていることであって、筋肉を緊張させて見に行く必要はありません。目は無理に見ようとしないで放っておいたときに一番良く働いてくれます。

 自分から視野を狭めることをしなければピッチ全体の情報が入ってきます。それに目的を付け加えます。例えば「ゴールを奪う」など。そこに良いプレーとは何かという情報の蓄積が加わると右脳が働いて情報と目的から最適なプレーの選択肢が湧いてくるようになります。

トレーニングで「今は味方が一人多くて数的に優位だから速攻をしよう。」というように論理的に考えてプレーするように習慣づけてしまうと、左脳中心のプロセスとなり遅くて実践では使えなくなってしまいます。コーチは練習でストップして良いプレーの情報を伝えますが、そのニュアンスや実際選手にどう伝わっているかということを気にかけておくことが重要です。

 最近では欧州リーグの試合やトップレベルの試合がみられる機会が増えてきました。映像などのイメージを通して良いプレーの情報を蓄積して行くということは、子供達の脳に良いプレーの情報を蓄積し、右脳的なプロセスから素早い選択が行われるようになることを助けます。
 サッカー協会や関係者の努力の結果、育成のシステムは強豪国と肩を並べるくらいに発展してきていると思います。そこにサッカー文化が醸成されて良いプレーが自然に子供達の中に入ってくるようになったときに、初めて強豪国の仲間入りができるように思います。




 




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アレクサンダー・テクニーク教師
高椋浩史(たかむくこうじ)

2001年から2年間、青年海外協力隊員としてバングラデシュでサッカーを指導。現地の人たちのしなやかなで生き生きとした身体のありかたに感銘を受ける。帰国後、アレクサンダー・テクニークの教師養成コースで学び2010年に教師認定を受ける。
現在は東京・吉祥寺のアレクサンダー・テクニーク教師FUN!で主に教えている。

連絡先 takamuku@cozyalexander.com



       

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