2006年02月15日

ビバ! アイコ26才。

《過去ログの再掲です》


1998年2月11日、長野。
里谷多英が金メダルを獲得、上村愛子は7位入賞を果たす。
スキー帰りの養老サービスエリアで、喜ぶ二人を観ていた。

2002年2月9日、ソルトレイク。
里谷が復活の銀メダル、愛子は6位入賞にとどまる。
旅行先のペンションで、好対照な二人を観ていた。

2006年2月11日、トリノ。
後から振り返れば、何をしていたか思い出せない日。
だけど、忘れられない1日になるであろうことを期待して
私は、ブラウン管の前に座った。

トリノ五輪 フリースタイルスキー 女子モーグル 決勝

愛子が、宙を舞う。 
3D、コークスクリュー720。
通常の横回転に、縦回転を加えた離れ業は
女子で使いこなす選手は皆無だった。
成功すれば、メダルは間違いないと言われていた。

4年間の雌伏の刻を越えて、果敢に挑む愛子。
着地。 
わずかに、足が取られる。 
でも、大丈夫だ。

少なくとも、素人目には、そう見えた。
ガッツポーズ。
しかし、思ったほど得点が伸びない。

この時点で、2位。 
なぜだ?

予選上位の選手たちが、演技を続ける。
ほとんどの第一エアはヘリコプター。
愛子と、同じだ。

第二エアでは、バックフリップ。
3Dの難度には、及ばないはず。
しかし、次々と愛子の得点を塗り替えていった。

 金メダル ジェニファー・ハイル (カナダ)
 銀メダル カーリー・トロー (ノルウェー)
 銅メダル サンドラ・ラウラ (フランス)

 5位  上村 愛子
 15位 里谷 多英
 20位 伊藤 みき

メダリストたちの着地は、より完璧だった。
着地で余裕があるから、その後のターンも安定する。
そして何より、彼女たちは速かった。

3Dで得たもの。
エアでの高得点。
これで闘える、という自信。
ひさしぶりの、ワールドカップの勝利。

3Dで失ったもの。
着地の安定性、ターンの正確性。
スピード。
渇望した、オリンピックのメダル。

五輪で勝利するために挑んだ大技。
しかし、それゆえ栄光を逃すという矛盾に気づいたとき、
愛子は、何を想ったのだろう。
それを考えたとき、私は、試合後の愛子の声を聞けなかった。

「まだまだ、滑っていたい」
愛子は、確かにそう語ったのだ。
だから、待ってみよう。

上村愛子さん。
おつかれさまでした。
しばらく休んで、ほんとうに滑りたくなったら。
また戦いたくなったら、ゲレンデに戻ってきてください。

2006年2月11日。
後から振り返れば、何をしていたか思い出せない日。
だけど、トリノの夜空に舞った愛子の姿は
この日がくるたびに甦ってくるのだと、私は思っている。

posted by くーまん |22:01 | ビバ!スポーツ美女 | コメント(0) | トラックバック(0)
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