2008年10月15日

最終戦 「10.19」 -過酷15連戦、最終日ダブルヘッダー連勝に、優勝を賭け-

よろしければ、こちらから ↓ お読みください。

第1章 1988年という時代 こちら


《第2章 過酷15連戦、最終日ダブルヘッダー連勝に、優勝を賭け》

1988年10月19日、京都。

実験を終え、キャンパスを出る頃には、すっかり寒くなっていた。
京都の夜には、まだ慣れない。

いつものように、王将で遅い夕食をとると
大将軍にある友人宅によることにした。

いる、いる。
2人、3人、4人・・ 男ばかり。
 
カードゲームにあぶれた者が、TVをつけた。

「なんや、近鉄対ロッテなんか、放送してるで。
 誰が見るねん、こんな試合。
 阪神はやってないんか、阪神はー!」

「・・あぁ、近鉄な、今日、最終戦なんやけど・・
 ダブルヘッダーで2連勝したら、優勝やねん。
 ナイターを放送してるってことは・・
 第1試合、勝ったんかな」

「くーまんは、ヘンなやつやなあ。
 岐阜生まれやのに、南海ファンやったっけ?
 関西きたら、阪神ファンにならな、生きていけへんで」

「・・・。」


1985年の熱狂の残滓は薄れてきたとはいえ、
京都でも、阪神ファン以外を探すほうが難しい頃。。

さて、1980年代のパ・リーグ・・
いや、日本球界は、西武ライオンズが牛耳っていた。
’82・’83、’85から’87まで、都合5度のリーグ制覇、
’85をのぞいて、4度の日本一。

そして、リーグ4連覇を果たすべく、この1988年も独走。
その差、実に8ゲームとなっていた。

球界の新盟主に待ったをかけたのが、
1980年以来、優勝から遠ざかっていた近鉄バファローズ。

この年、仰木彬が新監督になると、
『仰木マジック』 とよばれる抜群の用兵で
前年最下位から、あれよ、あれよの快進撃をみせた。
 
投手陣のエースは、前年15勝を挙げ、新人王に輝いた、
『トレンディ・エース』 こと、細身のサウスポー・阿波野秀幸。
中2週間あけてのライオンズ戦先発など、
徹底して、ライオンズ向けローテが組まれていた。
 
打撃陣では、
元メジャーリーガーのデービスが、大麻保持で逮捕された代役として
ドラゴンズの2軍で燻っていたラルフ・ブライアントを譲り受けると
これが、打つわ、打つわ。
わずか74試合の出場ながら、34ホーマー!
 
ついに獅子の尾を捉え、2位ながらも、逆にマジックを点灯させ
15連戦の最終日ダブルヘッダーに連勝すれば、優勝
というところまで、漕ぎ付けたのである。


京都の某下宿のテレビ画面。

第2試合。
先行されていた近鉄、6回にオグリビーの一打で追いつくと
7回、吹石徳一、真喜志康永、まさかの伏兵2発で、遂に勝ち越し。


「ふーん、、
 そうはいってもな、野球は阪神やで。
 俺は生まれ変わっても、阪神ファンになるのは間違いないで」

「・・・。」


第1試合。

9回表、3対3の同点。
8回に、ようやく2点差を追いついた近鉄だったが、
ダブルヘッダーの場合、第1試合は、延長を行わない、
というアグリーメントとも、闘う必要があった。


第1試合が引き分けでは、その時点で優勝が消える
近鉄は、必死の反撃を試みる。

1死2塁から、鈴木貴久が、ライト前のヒット!
しかし、3塁を回った佐藤純一は、オーバーラン、
野手からの返球で、タッチアウトとなってしまう。。
泣き崩れる、佐藤。

2死2塁。
代打に指名されたのは、この年限りで引退を表明していた梨田昌孝。
近鉄の夢は、潰えてしまうのか-
 
果たして、コンニャク打法・最後の一振りは、センター前へ。
2塁から、鈴木が生還して、近鉄、勝ち越し!
抱き合って喜ぶ中西コーチと、鈴木。
ネット裏には、負傷で試合に出られない金村義明が泣いていた・・


TVで、くりかえし映される、第1試合のダイジェストをみるにつけ・・

「・・近鉄、やるやん。
 どうせなら、関西のチームに、優勝、させたいよなあ。
 今夜だけは、阪神やのうて、近鉄、応援しよかぁ」


私以外、すべて阪神ファンという、京都の下宿の一室も、
ついに、雰囲気がかわってきた!


ちなみに閑古鳥が代名詞であった川崎球場も
 (外野スタンドで鍋をしたり、カップルがいちゃついたり・・
  プロ野球・珍プレー好プレーで、おなじみ)
この日ばかりは、掛け値なしの超満員。
試合を一目みようと、隣のビルまで鈴なりの人だかりとなっていた。


「・・ところで、、これ、朝日放送やろ。
 大阪ローカルのはずやで。
 もうすぐ、10時やけど・・
 ニュースステーションが始まったら、中継、終わるんやろうか?」

全員で、顔を見合わせる。



第2試合、7回ウラ。
ロッテ、岡部明一が1発、西村徳文はタイムリー・・
試合は3対3、振り出しに戻っていた。

                              (第3章 に続く)


このシリーズ記事は、ある程度、裏づけを取りながら書いていますが
ベースは、私の記憶が頼りです。

できごとが多少、前後する場合がありますが、ご了承ください。

posted by くーまん |07:15 | ビバ!野球 (熱闘パ・リーグ) | コメント(12) | トラックバック(0)
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最終戦 「10.19」 -過酷15連戦、最終日ダブルヘッダー連勝に、優勝を賭け-

昨日は、お返事いただきありがとうございます。
で、あの試合なんですが…
たしか前日、阿波野で負けてんですよね。
あの試合勝っていれば、こんなタイトな条件に
ならなかったんだけど、だからこそ余計盛り上がった。
最も本来の野球から遠い、時間切れやら回数制限やら
引き分けやら。
日本野球が持つ旧弊と戦ったバファローズ。
悲しいほどの試合でした。

posted by Key | 2008-10-15 08:39

最終戦 「10.19」 -過酷15連戦、最終日ダブルヘッダー連勝に、優勝を賭け-

いやー引き込まれます。続きが楽しみでなりません^^
期待してまーす^^

posted by アンチ久保田 | 2008-10-15 15:51

最終戦 「10.19」 -過酷15連戦、最終日ダブルヘッダー連勝に、優勝を賭け-

こんばんは!
江夏の21球といい、近鉄というチームは独特のムードがありましたよね~。ついに日本一になることが叶わぬまま消滅、、、10.19も含めて、記憶に残る球団といえるでしょうね!タイトルと無縁だったあしたのジョーみたいです^^;
89年に優勝したことで、西武の幻のV10を阻んでしまうという、歴史的なKYをしでかしたのも、近鉄という球団の宿命なのかな~と思いました。

それと、大将軍に反応してしまいました。セブンイレブン、ありましたよね?

posted by K3voy | 2008-10-15 19:05

Keyさん (by くーまん)

どうもです~
> 阿波野で負けてんですよね
そうそう!よくご存知で~
たしか、阪急の星野と投げ合ったんですよ~

> だからこそ余計盛り上がった。
> 悲しいほどの試合でした。
ホントです。。
なんか、コメントみて、泣けてきました。。

posted by くーまん | 2008-10-15 20:20

アンチ久保田さん (by くーまん)

はじめまして!
> 期待してまーす^^
いやー、緊張します(笑
ご期待に沿うよう、がんばりまーす!

posted by くーまん | 2008-10-15 20:21

K3voyさん (by くーまん)

いつもどうもです~
> 江夏の21球といい、
> 遂に日本一になることが叶わぬまま消滅
江夏の21球、観てましたねえ、あれ、大阪球場なんですよね。
日本一・・ 近鉄だけ、なれなかったんですよね。。

> 大将軍に反応してしまいました。セブンイレブン、ありましたよね?
さすが!
そうです、そのセブンイレブンのすぐそばでした。
このあと、そこに酒を買出しに行って・・
あっ、もうひとつの、潰れたほうのコンビニだったかな??

posted by くーまん | 2008-10-15 20:25

最終戦 「10.19」 -過酷15連戦、最終日ダブルヘッダー連勝に、優勝を賭け-

>そうそう!よくご存知で~
あの年の大晦日、ニュースステーションで
このダブルヘッダーの特集をやったんですよ。
それをビデオ録画してあって、保存のためDVD化して
あって…

実は昨日のこのブログを見て、余りの懐かしさに
つい見直したもんで。

またお邪魔させてください。

posted by Key | 2008-10-15 20:58

Keyさん (by くーまん)

たびたびどうもです~
> 大晦日、ニュースステーションで
> このダブルヘッダーの特集
みてました、みてました!
ビデオ録画しているんですか!!
お宝ですね!!
DVDほしい~ (笑

いつでも、お邪魔してください!!

posted by くーまん | 2008-10-15 22:54

最終戦 「10.19」 -過酷15連戦、最終日ダブルヘッダー連勝に、優勝を賭け-

佐藤純一選手って、今はパリーグの審判をされてますよね。現役当時はメガネかけてました。今はコンタクト装着だそうですが。

posted by 渕コロ助 | 2008-10-16 22:28

渕コロ助さん (by くーまん)

いつもどうもです~
そうですか!あの佐藤さんでしたか~
わかりませんでした・・(スイマセン

posted by くーまん | 2008-10-17 06:53

最終戦 「10.19」 -過酷15連戦、最終日ダブルヘッダー連勝に、優勝を賭け-

1988/10/19 川崎球場、球場で見ていました。
確か、3塁側内野指定席、試合開始1時間半前に、球場に着き2,500円で購入しました。
狭い川崎球場のスタンドでしたが、よくも9時間近く応援してて翌日、会社の人から声がらがらや!とからかわれました。
大石選手、新井選手、ブライアント、オグリビー、淡口、道産子パワーの貴久を初め、みんなでほんとに頑張ったのを記憶しています。あれから20年、やはりパリーグ№1の試合でした。

posted by bsファン | 2008-10-17 23:57

bsファンさん (by くーまん)

はじめまして!
> 川崎球場、球場で見ていました
ひえ~凄いっす!うらやましい~
第1試合から観ておられたというのも、財産ですね!
第2試合ころには、もう入場を断っていたとか。。

> あれから20年、やはりパリーグ№1の試合でした。
ほんとですね!!

posted by くーまん | 2008-10-18 11:31

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