「ビバ!だらだら」 湖国スポーツ

Jクラブ経営白書 2010年度版。

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「イングランド・プレミアリーグの順位は
 クラブが支払う人件費と、92%の相関関係がある」
という、サイモン・クーパー 『ジャパンはなぜ負けるのか』 理論。

で、Jリーグでは、どうなんだろう?
と、調べた結果を、一度、ブログにアップしたことがあるのですが
2009年度版の結果は

J1
人件費 (スタッフ含む) と勝ち点 相関係数R2=0.1514 (相関なし)
クラブの営業利益と勝ち点の関係 相関係数R2=0.5975 (相関あり)

J2
人件費 (スタッフ含む) と勝ち点 相関係数R2=0.4223 (相関あり)

J2はリアル。
昇格という夢は、ある程度カネ次第。
約5億円をかけないと、J1昇格圏内を争うことができません。
(2008年、山形が4億円以下でJ1昇格したというのは、本当に稀有な例)

J1には、ロマンあり。
やり方次第で、ある程度 「マネーボール」 が可能。
どれだけカネをかけるかより、いかにクラブとして健全経営であるか。
組織全体の結束力・総合力が重要。

と結論づけました。

では、先日、公開された2010年度版Jクラブ経営白書から
昨シーズンの解析をしてみましょう。


【成績上位】

1位 名古屋 人件費 21億3千万 (2位)、営業利益-9千5百万 (8位)
2位 G大阪 人件費 17億7千万 (4位)、営業利益 -3千4百万 (12位)
3位 C大阪 人件費 13億0千万 (12位)、営業利益 2千6百万 (5位)

人件費2位、4位のクラブがワンツーとなったことで、
勝ち点との相関も、上がることになりました。 
2009年 相関係数R2=0.1514
2010年 相関係数R2=0.3572

J2010 人件費と勝ち点


但し、名古屋、ガンバは、営業利益マイナス。。
ともに、2008年・2009年と、営業利益を出しており、
しかも、両クラブとも、人件費を圧縮したにもかかわらず、この結果。

更に云えば、名古屋は入場料収入もアップしているのに
営業損失が出るというのは、正直、シンドイですね。。

成績、経営とも素晴らしかったのは、J2から昇格した3位セレッソ。
J2時代もJ1並の人件費でしたが、更に30%アップ、
しかし入場料収入も50%増やすことで、見事、営業利益がプラスに。
繰越で損金がでているので、頑張って解消いってほしいです。


ちなみに、他の人件費上位陣の成績はというと・・

10位 浦和 人件費 22億8千万 (1位)、営業利益 -2億7千3百万 (17位)
4位 鹿島 人件費 20億0千万 (3位)、営業利益 3千3百万 (6位)


【成績下位】

16位 F東京 人件費 13億7千万 (10位)、営業利益 3億9千7百万 (1位)
17位 京都 人件費 13億1千万 (11位)、営業利益 -1億0千5百万 (11位)
18位 湘南 人件費  6億5千万 (18位)、営業利益 -5千4百万 (9位)

湘南は、1年でJ2落ち。
J2時代とほぼ変わらない人件費 (約3千万増) では、J1を戦い抜くのは難しいようです。。

しかも、営業利益1位のF東京がJ2落ちということで。(泣

営業利益と勝ち点の相関関係は、全くなくなりました。。
2009年 相関係数R2=0.5975
2010年 相関係数R2=0.0137

J2010 営業利益と勝ち点


J1は、2009年は、営業利益の高い、経営安定化クラブが強かったのですが
2010年は、プレミアやJ2と同じく、人件費勝負の世界になってきました。。

営業利益が出ているのは、J1で半分の9クラブ。
2009年は、12クラブあったのですが・・
うーん、、

ちなみに、他に営業利益が高いクラブの成績はというと
11位 磐田 人件費 12億5千万 (13位)、営業利益 2億6千3百万 (2位)
14位 仙台 人件費  8億6千万 (16位)、営業利益 1億7千8百万 (3位)



【人件費あたりの勝ち点】

コストパフォーマンスという言葉が適切かどうかわかりませんが。
人件費に見合った成績を収めたクラブの順位は

1位 新潟 勝ち点 5.4/人件費1億円 (営業利益 -1億2千5百万)
2位 山形 勝ち点 5.3/人件費1億円 (営業利益 -7千3百万)
3位 C大阪 勝ち点 4.7/人件費1億円 (営業利益 2千6百万、5位)
4位 仙台 勝ち点 4.5/人件費1億円 (営業利益 1億7千8百万、3位)

J2010 人件費あたり勝ち点 J1


仙台は、営業利益も3位ですし、繰越金もプラスでJ1で4位。
クラブの戦績・経営のバランスが、最も良いと思われます。
そう考えると、今年の躍進はフロックではなく、
長年に渡って培ってきた戦う組織作りが、いま花開いた、と言えるのはないでしょうか。
ファイナンシャル・クラブ・オブ・ザ・イヤー2010として、表彰したいと思います!

ちなみに、2009年は
1位 山形 勝ち点 6.9/人件費1億円 (営業利益 2千7百万)
2位 新潟 勝ち点 4.8/人件費1億円 (営業利益 -5千2百万)
で、1・2位は入れ替わっただけ。

この2クラブは、よほどGMさんの目利きが素晴らしいんでしょうね。
(視点を変えれば、年俸設定が適切とも云えます)

2011年シーズンは、さすがに苦戦している山形ですが
地方クラブの良き御手本として、巻き返しに期待しています!




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タグ:
経営
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林 幹広さん (by くーまん)

はじめまして!
FC岐阜の広報様ということで、驚いています。
私は岐阜出身で、FC岐阜のJFL時代は良く観にいってました!

さて、この記事は2010年J1版ということで書いたのですが
(2009年J2版は記事内リンクをご参照ください)
J2版も書き出しながら、放置してまして、、すいません。。

残念ながら、J2に人件費以上のロジックはありません。
J2は、2009年も2010年も(2008年も)
人件費との相関が高いです。

その中で、岐阜は、人件費あたりの勝ち点が非常に高い
(つまり、コストパフォーマンスに優れている)
という特徴がありました・・
ありました、というのは、2008~10年まで。

おそらく、今年も人件費は、去年までとそう変わらないですよね?
で、遂に今年は、最下位。。
去年までが上手くいきすぎていました。。

辛辣に書きますが、これも故郷を愛する故とお許しください。
シーズンオフになり、そういう記事を書こうと思っていたところです、、

FC岐阜は、投資額以上のアウトプット(勝ち点)を出しますよ、
ということを、過去2~3年のうちに、うまくアピールできず
スポンサーを増やせなかったことが失敗だったんです。
前年比25%でも良いから、少しずつ、収入を増やし、
人件費を増やしていけていたなら、、と残念でなりません。

私がボランティアをやっている滋賀レイクスターズという
プロバスケのチームは、大きなスポンサーもありませんが
(メインスポンサーは地域の学習塾です)
個人商店を含め、250を超えるスポンサーを集めています。
岐阜も大きな会社はありませんが、滋賀も同じです。
滋賀の、しかもフットボールのようなメジャースポーツでない
バスケで出来て、岐阜が出来ない道理はありません。

地道に頑張ってほしいです。


PS.大卒選手(筑波4人衆&大学得点王トリオ)中心で戦う
というのは、凄く良い発想だったと思うんです、、


偉そうな返事を書いてすいません。
また、宜しければ、お話できれば幸いです。
フェイスブックをやっておりませんので
簡単に連絡は取れないと思いますが・・
もし必要でしたら、滋賀レイクスターズに、ボランティア第1号の人、
と聞けば、わかってもらえると思います。


FC岐阜の逆襲を心から願っています!

Jクラブ経営白書 2010年度版。

くーまん様

はじめまして、FC岐阜広報の林と申します。
Jクラブ経営白書のブログ、とても興味深く読ませて
頂きました。
昨今、Jクラブは非常に厳しい経営状態が続いており、
赤字クラブも増加の一途です。

加えて、岐阜もそうですが、J2クラブにおいては
補強費の確保が難しく、チーム強化もままならない
ような状況です。

統計的な見解として、人件費との相関はあると思い
ますので、クラブの売上を伸ばしていくことが一つの
解決策と理解しています。
なかなか、スポンサーも増えませんが・・・。

マネーボールではないですが、人件費の相関を越える
ようなロジックがあればよいのですが。

是非、ご意見等お聞かせいただければ幸いです。

FC岐阜 林 幹広
Facebook 林 幹広

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岐阜県生まれ。
京都で学生時代を謳歌した
バブル世代。
現在は、湖国在住。
  
マール・ブランシュのモンブランと
浜田省吾を、こよなく愛する
『体脂肪率8%』 の漢。
 
2010年春、
双子の息子と娘を授かり、
仕事・家事・育児に驀進中
な為、ブログは「週刊」化。
 
ホークス・ファン歴’82~
K-1ナマ観戦歴’96~
滋賀レイクスターズの
ボランティア歴’07~
(参入0年目から)
シィカさん親衛隊No.2、
改めフキさん近衛隊先鋒
 
愛機ニコンを片手に
アリーナへ、スタジアムへ。
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