2008年02月05日

NCAA チームの裏事情

今シーズン初めて、母校ロングビーチステイトのゲームを見に行った。果たして、どんなチームになっているのか?

今年は実はタフなシーズンになることは知っていた。昨シーズン、カンファレンスレギュラーシーズン優勝とトーナメント優勝を果たし、11年ぶりのNCAAトーナメントに出場。5年契約の最終年度にして目標を果たしたコーチReynoldsだったが大学側(新しいアスレティック・ディレクターを迎えた)がコーチと再契約をせず、ミネソタ大学から新しいコーチを迎えた。

どこの大学でも、transition year(トランジション・イヤー:移行年度?)と言って、新しいコーチを迎えた年は苦しい。それはアメリカのバスケットではリクルーティングが全てと言われるほど、どれだけ良い選手を取れるかにシーズンの勝敗がかかっていることに関係する。

事実、「リクルーティングクラス」と言うものがあり、高校生でも個人の選手にランキングがついている。それは、全体でもあれば5つのポジションごとでもあり、かつ各卒業予定年度(=学年)ごとにランキングされる。なので、よくバスケットの雑誌(高校バスケの雑誌もある)を見ると、今年の「トップ100選手」といった見出しで特集されていることがある。

そのようなランキングを大きくA-B-C-D-Eと確か5段階くらいに分けて識別し、「~大学の今年のリクルーティングクラスは高い。」などという。

自分がチームに所属していた初期はチームのランキングもデビジョン1の中でも低く、「リクルーティングクラスはどうがんばってもDクラスだ。」とコーチに聞いたのを思い出す。

さて、そのような形で選手をリクルートする際に、まずはコーチが自分目指すのバスケットボール・スタイルに合う必要な選手を「探し」、そして「育て」、その中でより個々の長所が生かせるプレーを「考案する」のが常である。

新しいヘッド・コーチ迎えると言うことは、ほぼ全てのスタッフが入れ替わる。しかし選手はと言えば新しいコーチがリクルートした選手だけでなく、前のコーチがリクルートした選手も残っている。初めて出会った新しいコーチングスタッフと新しい選手だけでもチームで良くコミュニケーションがとれるようになるまでには年数がかかるだろう。しかしそこに以前からいた選手との関係も考えると、いかがに複雑かが想像できるだろう。(前からいた選手たちにとって、新しいコーチングスタッフを迎えるということは心理的に簡単ではない。)

試合の勝敗を左右する要因を大きく2つに分けることができるとするならば、「うまさ(技術・体力)」とハート(心・気力・情熱・チームワーム)」だろう。

その中で、いくらうまい選手を連れてきても、ハートがばらばらではいいチームは作れない。

昔、阪神タイガースが吉田監督の下優勝(1985年)したときのあの有名な言葉を憶えているだろうか?

「チーム一丸となって!」

英語ではよく”team chemistry"(チーム・ケミストリー)と言ったりする。ケミストリーとは直訳で「化学」と言う意味だがそれ以外に「相性・親和性」と言った意味合いもある。個人的には化学薬品が溶けて絡み合うようなイメージがあるが、要するに「チームワーク」のことである。

それを得るためには1年では不可能に近い。まして、NCAAの正式練習はシーズンの約2週間前に始まるから、それまでの夏のコンディショニングを含めてもシーズン開幕までに選手とコーチが触れ合う時間はほんの数ヶ月間しかない。

だから、それをわかっているファンは、いくら1年目の勝率が最悪でも、不満はつのるが仕様がないと思っている。しかし、文句を言うファンも確かにいるわけで、正直5年前のトランジション・イヤーはかなりつらい思いをした。(5勝22敗)

なので、今年のチームを今シーズン初めて見に行ったわけだが、自然と5年前の記憶がよみがえり、なんだかかわいそうになった。”バラバラ、、、”なこのチームがまた1つになるのだろうか?

ふと、

「練習して下手になるわけがない。」
「一生懸命やっているのだから勝てないわけがない。」

そう思って過ごした日々を思い出す。


勝つチームがいれば負けるチームがあるのも事実。1点差でも10点差でも誰かが勝って、誰かが負ける。そしてその1点差が

”天国と地獄”を生み出す。

それがスポーツ。


しかし、チームは疑っては成長しない。

「チームを信じ、選手を信じる。」

それしかない。

posted by MH |09:15 | NCAA | コメント(0) | トラックバック(0)
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