2007年08月21日
余裕の理由 ~WNBAより~
WNBAの試合を見に行った。 Los Angeles Sparks vs. Phoenix Mercury .戦。 Los Angeles Sparks はここLAのホームチームで、今シーズンからオーナーシップがかわり、Lakers とはまったく別のチームとなった。同時に昨年までのコーチJoe Bryant(*1)にかわり、Michael Cooper(*2)が指揮を取り出した。 注:
- 1) 言わずと知れたKobe Bryant の父。元NBA選手。ヨーロッパリーグでもプレーした。現bj リーグ東京アパッチ監督。
- 2) 元NBAプレーヤー。そのNBA経歴の全てをLakers で費やした選手。昨年までNBDLの New Mexico Thunders 監督。
Mercury にはDiana Taurasi がいた。大学時にConneticut を全米優勝に導いたスーパースターだったので、とても楽しみに見に行った。ところが、ゲームは両者引かずにもつれにもつれた。今シーズンはLisa Leslie が産休ということもあり、Sparks は本調子ではないはずが、やはりホームゲーム。なかなかがんばった。なかでもSparks #10 Sherill Baker は、見ていて楽しい選手。運動能力が高く見せ場を作れる。 対する、Diana Taurasi は終始、余裕のプレー。自分で持っていくのかと見せかけて、目の覚めるようなアシストを繰り返す。その鮮やか振りに、さすがスーパースターと呼ばれる質の高さをみた。ほかの選手とは、明らかに1ランク違う。 ふと、2006年6月にドイツで約1ヶ月、サッカーのワールドカップを見たときの感覚を思い出した。 ヨーロッパ、特にイングランドの選手なんかは明らかに“余裕”があった。(このレベルで試合していても、だ。)それを、より具体的に表現するならば、 「瞬時に目から入る情報の量が違う」 といこと。普段やっているスピードより早くプレーしなくてはいけない状況(いわゆる格上とプレーするとき)は、ミスが増える。それは、単純に見えなくなるからだ。逆に、格下のチームとプレーするときは“余裕”が生まれる。ミスが減る。見えるからだ。同じ時間当たりに入ってくる情報の量が違う(多い)ということは、言い換えればゆっくりと見えるということだろうか。 よく、余裕のあるなしに、「プレーのスピードが違い。」と、くくられるケースが多い。しかし、そこで何が起こっているかといえば、情報量に差が出ているのだと思う。 単純に、0.1秒間に視覚から入ってくる入ってくる情報の量が2倍違うとすればどうだろう? Diana Taurasi のアシストはまさに、イングランドのそれを思いささせた。最初からアシストするつもりで攻めているわけでは決してない。「攻めた→来た(ディフェンスが)→さばいた。」正確には、2つ目のステップは、(ディフェンスが)来た、ではなく「来るのが見た。」としたほうが、言わんとしていることを理解してもらえるだろうか。 これは、洞察視力か?と思わせてしまうかもしれない。それもあるだろう。 しかし、余裕を生むひとつの理由は、「質の高い基本技術」であると私は考える。 「ファンダメンタル(基礎)」 耳にたこができるほど聞くこの言葉。しかし、 「基礎とは、簡単だから基本と呼ぶわけでなく、大切だから基礎と呼ぶのだ。」 と、数年前にラグビーのコーチである友人が言っていたのを思い出す。 サッカーで言えば、「パスを受けるときに吸い付くようなトラップが、それもノールックでできるからこそ、余裕でキリンのように首を高く立てて全体を見渡しながらボールを受け、同時に状況を把握し、ディフェンスとオフェンスの関係を判断し、高い基礎技術がタイムロスを減らし、次の最もふさわしいプレーを生み出す。」この繰り返しが、チーム力に反映し、ゲームを左右する。何度この公式をドイツでのワールドカップで目にしたことか。 それをここStaple Center でも見ることができた。 ゲームは第4クォーターでやはりDiana Taurasi が本領を発揮し、93-96でSparks を黙らせた感じ。と言っても、ごりごりと1on1 をくりひろげ出したわけではない。もっとも、試合の流れをかえたプレーは、いきなり3-2 zone のトップを守っていた彼女がボールプレッシャーから、ダイブ、スティール、そして倒れた姿勢から、前を走ったチームメイトへのロングパスで速攻、というプレー。 どんな試合にも、見所はある。勉強できる要素はたくさん隠されている。今日はそんな100ある要素の2,3を見つけることができた気がする。
posted by MH |08:54 |
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