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【閑話休題・17】野球留学が嫌われる根本的な理由

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毎年毎年、高校野球の季節になると「野球留学」が何かと話題になる。「主に野球をすることを目的に出身地とは違う県の高校に進学すること」という定義が一般的だ。どちらかと言えば批判的に語られることが多く、県外出身の選手のベンチ入りを制限しろという論も根強い。 私なんかは「埼玉県の自宅から東京都板橋区にある帝京高校に通っている部員の立場はどうなるんだ」といつも思うのだが、ここでは野球留学の是非には触れない

そもそもなぜ野球留学は嫌われるのか。その根本的だが忘れられがちな理由は、「野球留学のある高校が強いから」である。

県外出身者ばかりでも、弱くて県予選の1回戦で負けてしまうような高校は、そもそも嫌われようがない。県予選で優勝して甲子園でもいいところまで勝ち上がるからこそ、「地元っ子ばかりの公立校の地位がおびやかされる」となってしまうのである。野球留学生が多いことで有名な高校、例えば高知県の明徳義塾高校も、10年に1回くらいしか県代表になれないようなレベルならばそこまで批判されないはずだ(明徳義塾高校はそれ以外の理由もあって嫌われがちだが)(註1:後述)。

タレントの猫ひろしさんはカンボジア国籍を取得してリオデジャネイロオリンピックに出場した。彼に対する批判も一部にあるが、カンボジア代表になれなかったとしたら、その声はずっと少なかったはずだ。「がんばったけど、惜しかったね」とむしろ同情されたかもしれない。 あまり知られていないが、アテネオリンピックの体操団体で金メダルに輝いた塚原直也選手は、北京オリンピックの代表に選ばれなかったのを機にオーストラリア国籍を取得し、オーストラリア代表としてオリンピック出場を目指していた。ロンドン、リオともに国内選考会でふるわずにオーストラリア代表には選ばれなかったが、もし選ばれていれば猫ひろしさんと同様の見られ方をされていただろう。 代表になれなければ批判されないどころかそもそも知ってもらえないのである。

スポーツにおいて、ルールの範囲内でやっていることが非難されるのは、それが効果的な方法であることの裏返しでもある。 「野球留学がある限り批判はなくならない」のではなく「批判がある限り野球留学はなくならない」のだ。

2006年の夏の決勝で投げ合った駒大苫小牧高校(北海道)の田中将大投手は兵庫県出身、早稲田実業高校(東京)の斎藤佑樹投手は群馬県出身だ。この2人に対する批判はあまり聞かなかった気がする。「あまり非難されない野球留学があるのはなぜか」もそのうち考えてみたい。(写真は甲子園歴史館で撮影)
(註1) もっとも、「松井秀喜5連続敬遠」がいまだに非難されるのは、その作戦で明徳義塾高校が勝ってしまったことも大きい。もし負けていればとっくの昔に忘れられていたはずだ。 実際、その前年の明治神宮大会の決勝で松井選手は4四球(うち敬遠2つ)を経験しているが、星稜高校が勝ったためにほとんど話題にならなかった。ちなみにそのときの相手は翌年のセンバツで優勝した帝京高校(エースは三沢興一投手)である。



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夏の高校野球
閑話休題
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野球留学
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【閑話休題・17】野球留学が嫌われる根本的な理由

確かに仰る意見は正しいように思えますが、説得力に欠けます。
野球留学生が大半を占める学校が弱ければ、批判されないのではなく、批判の対象にならない。
それは、その学校の知名度が高くならないから批判の対象にならない。それと目的と結果が一致しないから批判しようがない。ということに尽きます。ただし、お金を使って優秀な中学生をスカウトしたら結果が伴わなくても批判されるでしょう。

バスケットボールの名門能代工業高校は、公立高校でも殆どが県外選手です。
でも地元では県外選手も歓迎していますし、バスケットボール留学校として非難されません。
これは、能代工業が全国大会で何十回も優勝している強豪校であり名門校だからです。
野球と比べてマイナースポーツという点もありまが、田伏選手を始め多くの選手が本人の意思で進学しています。

一方で、昨今の野球留学校は、さほど実力がなくても急に県外選手が大量に進学しています。
青森県、福島県、群馬県、高知県、熊本県などなど、、、全国各地です。
各県には昔から強豪の公立高校も私立高校もあります。実績もあります。
そのような学校は地元中心の選手でチームが構成されています。
にもかかわらず、例えば秀岳館高校のようにベンチ入りはもちろん全部員の殆どか県外というのは不自然です。大阪出身の中学生であれば、近畿地区の強豪私学に進学していれば、親も週末に応援しに行けます。それなのに地縁もない九州や四国の学校に進学する動機が見えません。能代工業とは明らかに違います。その先、大学進学に有利とかプロになるには有利とか大きな目標が叶えられ可能性が高いのでしたら格別、そうでなければ、就職するにしても学校のある地方ではなく、地元大阪で働くのであれば、不利でしょう。
そう考えると、本人の意思ではなく、学校が強力なスカウトで集めていると考えられます。高校野球の部活動の枠を超えていると言わざるを得ません。公立の強豪高校でも県内の優秀選手をスカウトしていますが、入試という壁があるので、世間的には許される範囲と捉えられるのでしょう。

結論として、野球留学に合理性があるかどうかが批判の対象になるかならないかの判断基準だと思います。



【閑話休題・17】野球留学が嫌われる根本的な理由

返信ありがとうございます。

>この記事は何を言いたいのか全く理解できない。

この記事の趣旨を短くまとめると、本文の以下の部分になるかと思います。

「県外出身者ばかりでも、弱くて県予選の1回戦で負けてしまうような高校は、そもそも嫌われようがない。県予選で優勝して甲子園でもいいところまで勝ち上がるからこそ、『地元っ子ばかりの公立校の地位がおびやかされる』となってしまうのである」

>強い弱いでなく、少なくともレギュラーの半数くらいは地元の選手が入っていなければ不自然だと云いたい。

野球留学生がベンチ入りの過半数や大半という高校について、何か感情的に納得できないというのは私もわかります。ただ、「地元出身だから」という理由"だけ"で入部させないとかベンチ入りさせないという方針がもしあれば大問題ですが、地元民もいる中から結果的に野球留学生だけがレギュラーに選ばれた、ということでしたら(少なくとも今の制度上は)見ている側は受け入れるしかないと思います。

>県民の一人として必ずしも学校の説明に納得しない。

この記事は野球留学の部分をできる限り一般化して書いており、数年経ってもスムーズに読めることを心がけておりますので、(今は二度と見たくもないでしょうが)当事者ではなくなった1、2年後にもう一度読み返して頂ければ幸いです。第三者の立場からはまた違った見方になると思いますので。

【閑話休題・17】野球留学が嫌われる根本的な理由

この記事は何を言いたいのか全く理解できない。
このタイトルに従ってその根本的な理由をあげれば、今年の秀岳館(熊本)の場合、レギュラー18名全員が県外出身(野球留学生)で構成されていて、これで熊本県代表と言えるのかという疑問。
この私立高校は。熊本県のレベルを上げるために何も悪いことはしていないと説明するが、県民の一人として必ずしも学校の説明に納得しない。
全国的に明徳や青森光星なども同様なチーム構成となっている。
強い弱いでなく、少なくともレギュラーの半数くらいは地元の選手が入っていなければ不自然だと云いたい。
私立高校の経営上の考え方が純粋な高校球児のこころを蝕んではいけないと云いたい。

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