フトボル男

乾所属エイバルを徹底的に語る

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本ブログの管理人の政夫が、エイバルを追っかけている える・ろこ(@kiritanikiko)さんを招いて、エイバルについてインタビュー形式の対談したものを文字起こしした記事です。エイバルは、乾が所属していることもあって、日本のサッカーメディアに度々取り上げられていますのでそれなりの情報量があります。その中でも、一際マニアックなものを!なんて大それたものを書きたいと思ったわけではなく、私自身も一度はエイバルを整理したものを書きたいなという私欲から発展した企画です。 本記事は①今季のエイバルの印象②乾貴士について③エイバルの選手について④メンディリバル監督について という構成になっています。最後までお付き合い戴けると幸いです。

今回の対談相手、える・ろこさんはバスク(アスレティック・ビルバオやレアル・ソシエダ)のサッカーファンです。名前の通りビエルサ((El Loco)を愛してやまない人で、色んなリーグを観ていますが、特に力を入れて観戦しているのは私と同じようにリーガ・エスパニョーラです。自身の選手時代の経験から、選手目線の考え方から身体の扱い方まで、さらにはチームスポーツ的視点からの戦術論までと幅広い知識を有している方です。

政夫:本日はよろしくお願いします。先ずは、エイバルを観るキッカケは何でしたか? ろこ:乾の加入とバスクのサッカーが好きだからかな。あとは、WOWOWなどで継続的な放送があるからも大きいよね。

エイバルの躍進について 

政夫:それでは、本論に入りましょう。ずばりエイバルの今季の印象は? ろこ:予想以上の一言。ボルハやケコの移籍があったから。あの2人は主力だったし、それが移籍したから終了の予感がしていたよ(笑)前線の個に依存するチームであるから。ゴールからの逆算という話に繋がるけど。 政夫:JリーグがFWに助っ人外国人に依存するのもゴールからの逆算ですものね。結果は予想以上ということですが、内容面はどうでしょうか? ろこ:昨季からの形を継続しているね。一年の上積みやメンディリバルのプレーモデルの浸透はある。昨季の目標は残留。今季も残留は変わらずそれだったけど、4-4-2がハマって年明けに残留確定したから。そこからの上方修正が出来なかった印象だね。 政夫:EL権争いという話もありましたが。 ろこ:争奪圏には入ったけど、息切れはあったと思う。それと怪我人の存在もあった。(EL権争い真っ只中の)他のチーム(アスレティック、レアル・ソシエダ)の苦戦を考えると、EL圏の壁を感じたシーズンでもあるかな。コンペの両立は難しいもの。 政夫:今季、ビジャレアルがCLプレーオフでモナコに負けましたが、勝ったとしても今季のモナコのようにリーグ戦とカップ戦の両立はできなかったと思います。リーガ4位のチームって選手層的にコンペの両立が出来ないと思うので。

政夫:印象に残った試合とかありますか? ろこ:イプルアでのアスレティック戦かな。試金石になった試合だった。乾がパスミスしてエスカランテが退場した試合。乾も自身のミスと認めていた。エイバルのサッカーは重心が前だから、サイドでもそういうことがあると痛いというか。メンディリバル的にも。 政夫:その試合に限った話ではないですが、横幅のペドロ・レオンへの対角フィードはあるけど、乾サイドには無いのは何故でしょうか? ろこ:昨季はマウロ・ドス・サントスが蹴っていたイメージだけど…。サイドの陣容の利き足の問題があると思う。ペドロ・レオンは外で勝負(クロッサー)できるけど、乾は中へのカットインの優先度が高い。そこにSBの絡みが入ってくる。ジュンカの不在が乾に大きかった。左サイドの縦関係が不安定だったと思う。 政夫:乾、ペドロ・レオンにはアスレティックがSH&SBの2枚で対応していましたね。 ろこ:完全にバルベルデのスカウティング。後半からはイニャキが解放されたけど。結構、エイバルは困っていた。ビジャレアル戦も同じ感触。対エイバルにおいて、4-4-2ブロックを敷いてくる上位の相手はそれなりの対策はあったと思う。サイドの2対2というかミラーの特性を活かした試合だよね。それを言ったら、アトレティコ戦もそう。ヴルサリコを退場に追い込んだ方の。あとは第9節のエスパニョール戦。乾がスタメン復帰した試合。これはメンディリバルの理想の試合だと思う。エイバルが先に3点を取って、守りきれば勝てた試合。でも、3点を取られたから結果は引き分け。選手の感情にとっては、逆転負けよりも引き分けの方がショックは和らぐ。結果による選手の士気を把握しているから、エイバルというチームは前半から圧力を掛けていくのだと思う。その代り、捨て試合は明確になるよね。基本は諦めないチームだけど…そこはバスクのチームカラーだと思うから。そういえば、フラン・リコが前半戦の影のMVPだった。昨シーズンはそこにはエスカランテ。ダニ・ガルシアの相方として、予想以上に使われているという感想だった。エイバルにハマったよね。パスセンスもあるし、エスカランテよりも器用。スタッツだけを見れば、ペドロ・レオンとセルジ・エンリクが目立つけど。 政夫:ピボーテの中央の経由が少ないから、相手のワイド圧縮(SHの守備意識)とSBがエイバルのSHを見ているから、そのSHが切り込めない状況で相手のSB裏をどう突くか?という問題についてはどうでしょうか。個人的にはピボーテがトランジションにステータスを振りすぎな気もしますが。 ろこ:それに関してはルジューヌのドライブ、アドリアンのハーフスペースレーンのエントレリネアスは見られるけど、効果的ではなかったかな。でも、相手がその対策をするには全員守備というかリアクションになるから、エイバルのピボーテがトランジションに気を配っているのは大事だと思うよ。トランジション勝負に持ち込む訳ではないけど、エイバルとしては選手の技術が劣るから、戦略としてトランジション=秩序を無秩序に持ち込む。要はビエルサ論(笑)結局はアスレティックなんだよ! 政夫:ビルドアップについて。ピボーテの関与が寂しくありませんか(笑) ろこ:GKは参加しない。ピボーテは捌くだけ。ボール前進については、ジュンカのセンスがあったと思う。乾のポジショニングも関係しているけど。でも、これは昨季の話。今季はルジューヌに依存しているかも。 政夫:あのチームモデル的にボールを持たされた場合はどうでしょうか。 ろこ:前2枚が要求しているタイミングでボールをあてる。そこから人海戦術的に回収。 政夫:回復の話に繋がりますよね。 ろこ:そうそう、陣形の回復。フラン・リコとか。若い子のリベラ君は実はボールを欲しがる子だけど、影響力が無いから出れていない。ポテンシャルはありそう。でも、メンディリバルはきちんと観ているから。乾のインタビューにあるように公平な人だからスタメン確約が少ない。スタメンがほぼ決まっているのはダニ・ガルシアとヨエルくらいじゃないかな。 政夫:エイバルの躍進の鍵は何だったと思います? ろこ:自分たちの土俵を変えなかったこと。スタイル的に、相手を引き摺り込んだと思う。 政夫:エイバルといえば、前半を飛ばして後半の失速が懐かしいですが、昨季のガス欠が改善されたことについて聞きたいです。プレーリズムやインテンシティがフィジカル的に慣れたのかどうかって話ですが。 ろこ:昨季はイケイケドンドンな自分たちのサッカーをホームで披露。それに相手もビックリ。そして、年明けは息切れ。相手も研究してくるから、今季の躍進は無いと思っていたけど… 政夫:選手個人のフィジカル的な向上というのは表には出ないから分からないけど、やっぱり慣れですかね? ろこ:慣れと気候。アンダルシアとは違うから、バスク人は走るよ。プレーリズムの維持だよね。インテンシティという言葉をザッケローニが言い始めて、メディアが取り上げて流布したじゃない。インテンシティ=球際の激しさに繋がって、誤解を招いたこともあると思う。だからこそ、エイバルのサッカーからそれが見えてきそうな気もするんだよね。個人的に、バスクで浮き彫りになってくるのは、アスレティックやレアル・ソシエダの下部組織の充実。その中で、エイバルは予算が無い。クラブ経営として堅実だから、レンタルという道になる。シャビ・アロンソやシルバとかの在籍もその例。選手を伸ばしていくということに長けていると思うから、育成の面で参考になることは多いはず。サッカーを通じて人間的な成長という側面を大きくしていくというのは絶対あるから。自主性、意欲、規律の向上。そういうメソッドは豊富だと思うんだよね。その見え隠れする部分が、メンディリバルのサッカーはより鮮明になってくる。戦術的向上もそうだろうけど、走る部分ね。岡崎篤さんの記事で、エイバルのSDによれば「フィジカル的レベルの高い選手で上を求めている選手。サッカー選手の前に1人の人間を獲得するということを念頭に置いている」と。だから、腐っている人が少ない。試合に出たら良いパフォーマンスを発揮しろよ!という促す面もあるだろうけど、日々のトレーニングからね。だから、走る根本に繋がるのかな…予想だけどね。あとはイプルアのピッチ幅が狭いのもあると思う。

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リーガ・エスパニョーラを中心に生活していた男。ボールを持つデザインや戦術的話題が好き。Qolyに寄稿経験あり。2017年からはJリーグとフットサル漬けに。フットサルは府中アスレティックが気になっています。
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